進路も留学も諦めない。本気で挑戦する人のための奨学金 【週刊新陽 #157】
今年のゴールデンウィーク、10連休になる人もいるそうですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。新陽高校はカレンダーどおりの前半3連休と後半4連休、あいだの3日間は登校です。
GW前半は各地で真夏日となるほど気温が上がりましたね。札幌の桜も一気に満開を迎えています。
新陽にしかない奨学金
連休の合間の5月1日(水)、全校集会を行いました。
今月の集会では、6月のYOSAKOIソーラン祭参加に関することや7月の『新陽祭』のテーマ発表など、これから予定されている大きなイベントについて生徒会執行部の生徒や担当の先生からプレゼンがあったので、校長企画の『多様性対談』はお休み。
その代わりと言ってはなんですが、10分ほど時間をもらい、新たに設立された本校独自の奨学金について話をしました。
「留学のための奨学金」と「進路探究のための奨学金」という、学校が給付するものとしてはたぶん全国でも珍しい奨学金です。
すでに集会の前日に全校生徒および保護者向けに案内文を送り、募集を開始していたので、集会では、内容の説明よりも「なぜこの奨学金が作られたか」を伝えたいと思いました。
案内文にもある通り、藤田様と廣田様のご遺志を継いで創設された奨学基金が原資となっています。だからこの奨学金には、藤田様や廣田様、学園の理事の方々、そして奨学金企画委員会のメンバーなど、多くの方の想いが込められています。
どなたも新陽の『自主創造 この道は自ら拓くべし』という校訓や『本気で挑戦する人の母校』というスローガンに共感して関わってくださいましたが、誰かに助けてもらったおかげで道が拓けたという経験がある方もいれば、もう一押し応援があれば挑戦できたかもしれないという後悔がある方も。
それぞれの経験をもとに話し合った結果、「新陽生が良い経験をするために使ってほしい」「自分で人生を切り拓く後押しになれば」という方向性が、自然とまとまりました。
なお「環境の格差が教育や体験の機会格差につながらないように、誰にでも挑戦するチャンスを」という意見も一致したので、奨学金は給付型(返還義務無し)です。
生徒たちには、この機会を活用し、想いを託されたことを誇りに感じて、挑戦してみたいことに向けて一歩踏み出してほしいと思っています。
やるかやらないかなら「めっちゃやる」
何かを選択するとき、私には「やらなかった後悔より、やった後悔」というモットーがあるのですが、実はたった一度いまだに後悔している「やらなかったこと」があります。それが、海外留学です。
学生の頃、親が留学を勧めてくれたのですが、その時の私は、海外には興味があるけど旅行で十分、と断りました。そして社会人になり、商社や外資系企業に勤めて英語を使い多様な価値観の人と関わるようになると、留学しておけばよかったと思うようになりました。留学した経験があったり海外で働いたりしている友達から、たくさんの刺激や新しい知識をもらうことも多く、なおさらその気持ちは強くなっていきました。
今思えば、学生の頃の自分は、知らないところに飛び込むことや友達と離れる不安から、一歩踏み出せなかっただけのようにも思います。
でも1年くらい離れたからといって大事な友人との縁が切れることも、取り残されることもないから心配するな、とあの頃の自分に言ってあげたい。しかも今はSNSやWeb会議アプリがあり、どこにいてもコミュニケーションが取れる時代です。
この経験談を話した後、最後に、ある人の言葉を紹介しました。
それは、GWの前半、CUR!O SCHOOLが主催するイベントで聞いた言葉。
このイベントは公文国際学園中高の齋藤先生と、生徒・卒業生の皆さんによるトークセッションで、齋藤先生の実践もすばらしいのですが好奇心旺盛に挑戦する生徒さんたちの姿がとても印象的でした。
その中で、ある生徒さんが「僕のモットーは『やるかやらないかなら、やる』なんですが、最近このモットーを変えました。『やるかやらないかなら、めっちゃやる!』です!!」と話してくれました。
やるかやらないか、考えている時点で、やりたいという気持ちがあるはず。ならば、やらない選択肢はなくてどうやるか考えるだけ。そして、どうせやるなら本気で、フルパワーでやる!
そのパッションを、同じ高校生である新陽の生徒に伝えたくて紹介したのですが、話をしながら、留学も何歳になったって遅いことはない、めっちゃやればいいんじゃないか、と思っている自分がいました。
海外留学という選択肢
奨学金の案内が始まった直後から、さっそく生徒から相談が来ているようです。ぜひチャンスを活かして、留学や進路探究に挑戦してくれたらと思います。
先日、短期留学の説明会を校内で行った際、「オープンスクールで校長先生が留学の奨学金があるとお話されていたのを聞いて」とおっしゃっていた1年生の保護者の方がいたそうで、メッセージが届いていたことを嬉しく思うと同時に、その感度の高さに驚きました。
実は一昨年あたりから、海外留学への関心の高まりが顕著です。短期留学の説明会には50名以上の参加があり、国際交流担当の先生も驚いていました。長期留学を視野に入れ、相談してくる生徒も増えています。
コロナが収まったことも影響しているのかもしれませんが、在学中に留学する生徒や海外大学に進学する生徒が出るようになり、そういう先輩を見て刺激される生徒も少なくないのだと思います。この挑戦の伝播を、学校として支えていきたいです。
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