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Make A Difference - 人物多様性へ、はじめの一歩 【週刊新陽 #22】

タイトルにある「Make a Difference」は、私が好きな言葉の一つ。

直訳すると「違いを作る」ですが、「小さな行動がまわりに影響を与え、やがて大きな変化となっていく」という意味を含めて使われることがあります。

世界を変えるために、まずは最初の一歩を踏み出そう、そんなニュアンスです。

今週は、

本気で挑戦し自ら道を拓く人の母校。
常に新たな改革に取り組み、高校教育を再創造する。

というスクール・ミッションを掲げた新陽高校が、教育を再創造する"はじめの一歩"を踏み出したと感じた瞬間の話をしたいと思います。

「学習する学校」の職員室

以前の週刊新陽(#7)でも紹介した中つ火を囲む会(通称:中つ火)は、教職員による月1回の対話の場です。『学習する学校(組織)』を目指すプログラムとして、新陽における教育再創造の柱となっています。

中つ火とは焚き火のこと。焚き火を囲んで対話する時のようにゆったりと、お互いを尊重し合いながらディスカッションします。

8月は『対話・対立・共創する力』がテーマでした。なお、これまでのテーマはこんな感じです。

4月:多様性とは〜#ハッシュタグ型の自分らしさ
5月:自己理解・生徒理解
6月:生徒エージェンシーと共同エージェンシー
7月:共有ビジョン〜学校理念の自分ごと化
8月:対話・対立・共創する力

そして、今回の主題は「コンパス別の授業」。

コンパス別の授業が生徒にとって、そして教員自身にとってどんな意味を持つかについて、深い対話が行われました。

コンパスとは、新陽が来年度導入する単位制のコンセプト『生徒の数だけ学びがある』を実現するためのもので、生徒が自分の個性を生かして目的に向け進むための羅針盤です。

新陽コンパス


そして今回の中つ火では、これまでとはなにか違う雰囲気が。うまく言えませんが、組織としてステージがひとつ上がったような感じがしたのです。

主題が実務と直結していたためか、今の体制で5ヶ月経ってコミュニティとしての安心感が上がってきたのか、中つ火の目的が浸透してきたということか・・・その理由はまだわかりません。

でも、中つ火終了後の先生たちの様子から、私の直感は間違いではないと確信しました。

ふと見ると、いつしか小さな集団があちこちにできて話し始める先生たち。この空気感を残しておきたくて、思わず写真を撮りました。

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未来の話は、今この瞬間のための話。

最近、新陽の職員室で起きているカリキュラムに関する議論は、たいてい単位制に関するものです。でも、だからといってそれは”来年度以降の話”ではありません。

もちろん、単位制になるのは2022年度入学生から(いまの在校生は学年制のまま卒業)なのですが、先生たちはやっぱり目の前にいる生徒たちのことを思いながら議論するし、いまの生徒のことをいつも考えているのだな、と感じます。

つまり、単位制カリキュラムの議論であって、単位制カリキュラムのための議論でない。

来年度以降のカリキュラムのことを考えることで先生たちは改めて学びの意味と向き合っていて、生徒たちの学びの質を高めることに本気で挑戦しているのです。

そして、新しいことに挑戦するために先生たちもすごく学んでいます。文献を読んだり、事例を集めたり、議論を重ねたり。

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たぶん、時間的・体力的にタフさが求められ楽ではないと思うのですが、それでもなんだかイキイキして見えるのは気のせいではないはず。

学校の先生という人たちは、学びのこと、生徒のことを考える時が一番輝くのだなぁとあらためて実感しています。

新陽ビジョン2030プロジェクト

スクール・ミッションを土台とし、2030年に向けて新陽が目指すこと。それがビジョン2030『人物多様性』です。

このビジョン、ミッションを"絵に描いた餅"にしないためにはアクションプランをどう実現していくかが大事、というのが、私がこれまで事業再生や復興の現場で学んできたことです。

アクションプランは、プロジェクト計画とも言えます。

そして、ビジョン2030のためのアクションプランだけでなく、そもそも学校で行われる多くのことはプロジェクトと捉えることができるのではないか、そうすれば学校業務はもっと効果的・効率的に進められるのでは、と思っています。

私が考えるプロジェクトとは
・目的がある
・始まりと終わりがある
・複数名のチームで行う
・人や予算などリソースに限りがある
などを満たすもの。

そこで、友人の定金さんが代表を務めるCOPILOT(コパイロツト)様の全面協力を得て、プロジェクト推進についてみんなで学びながら、実際のプロジェクトを進めることにしました。

具体的には、ビジョン2030という大きな目的を推進する「2030委員会」を母体としながら、アクションプランを実行するためにいくつかのワーキンググループ(分科会)を立ち上げ、COPILOT開発のツールを使ってプロジェクトの節目となるマイルストーンを置き、管理しています。

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先日、新しいカリキュラムの骨子となる部分を作る分科会のメンバーが熱い議論を交わしていたのですが、そこでもマイルストーンが話題に上がっていました。

プロジェクトの目的や成果物、スケジュールなどを明確にし、定期的にミーティングで確認したり修正することで、確実にゴールに向かって行ける実感を持っています。

(SGMs導入事例としてCOPILOT様のnoteで紹介いただきました↓)


【編集後記】
見出し画像は、私が参加しているインターナショナルサマーキャンプMSTERIO(ミステリオ)の、2019年のキャンプファイヤーの写真です。

MSTERIOは以下の言葉の頭文字で、一つ一つの言葉がこのキャンプの主旨を表しています。
Make A Difference
Self Esteem & Smile(自信を持つ&笑顔)
Teamwork(チームワーク)
Enjoy & Empathy(楽しむ力と共感)
Respect & Responsibility(尊敬と責任感)
Integrity(誠実さ)
Open heart(柔軟な心)

そして、この中の「Make A Difference」はミステリオがとても大切にしているスローガン。小さくても行動におこすことで何かがよりよく変わっていく、そして自分にもきっと何かができるという勇気が湧いてくる、だからミステリオはその「はじめの一歩」を踏み出すのを手伝うよ、というメッセージです。
新陽高校のビジョンを検討していたとき、真っ先に思い浮かべたのはミステリオの空気感でした。本気で挑戦する人の母校とは、本気で挑戦したい人の背中をそっと押して一歩踏み出す勇気を与える学校のことなのかな、と思います。

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