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骨と軽蔑
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女性だけが出てくる芝居
最初から、内戦の砲弾の音が轟いている中で
「慣れてしまった」という使用人犬山イヌコ。
男性がもう召集されつくしているので次は女性、次第に子供になると言われている。
冒頭に姉妹の口げんかが描かれる。どっちが先に、とかどちらの持ち物かとか、喜劇的に繰り返されたが、あの会話も後で考えると戦争の動機のようにも思える。
もともとどこの土地だったかとか所有権とかそういう。
外から見ていたらくだらないことである。
この屋敷は兵器を作る「死の商人」の屋敷で、社長は妻に暴力をふるう男であるが今は病気という事で舞台には登場しない。秘書は愛人でもある。
娘が二人いて二人とも30代である。アルコール依存性の母を峰村リエ。
無職の妹が鈴木杏 作家の姉が宮沢りえ。
頭の骨が少しずつ耳から出てくるという不思議な話を書いている。
姉の夫は徴兵を逃れて出奔した。
妹は姉に来る「夫」からの手紙を読んで隠し、使用人は手紙の中に入っていた夫の写真を警察に届ける。
戦争は「西側」と「東側」で行われている。
「虫」の恩返しとか、「虫」の復讐とか、微妙な要素を交えつつ、
社長の父が亡くなり、母が継ぐ。
死の商人として、子どもにも扱いやすい武器、とか
敵味方双方に武器を売るみたいなことが匂わされる。
敵側に武器を売り始めるのが父親の代からのことか、
母になってからかは微妙なところである。
要するに平和より戦争での金儲けを望む女性もいるという象徴かもしれない。
落ち着いて考えるとずっと戦争のことを言っていたのだけれど
見ている時は、会話の面白さで笑いが続くものであった。
だから、どういうふうに決着するのだと思ったところで
戦争エンドなのである。
どんなことになっているのかは見てのお楽しみなのだけれど。
もちろん皆さん熱演だった。
説明の難しい、作家の姉のファンである小池栄子や
編集者役の堀内敬子も。
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