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読書感想文・図書館

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2022年12月の記事一覧

「なろう」の「読もう」

「小説家になろう」というサイトがあるのは知っていたけれど 本当に読み始めたのは数年前から。 アニメの原作が、よく「なろう」作者のものだというのは知っていた。 一応仕事も忙しかったから自ら手を出そうとはしなかった。 きっかけは「本好きの下剋上」 数年前の誕生日に、 出始めていた「本好き」のコミックを息子がくれた。 とても面白くて、原作はなんだ というと 「なろう」のサイトにある、と。 ちょうど冬休みになるときで ちょうど作品があと数十話で終了と言う時期で。 冬休みに読み込

ノンちゃん雲に乗る~「うそ」をそえて

ノンちゃんは泣く 雲の上のおじいさんが 嘘をつけば帰してやる と言ったけれど 「あたしが嘘をつくのが嫌なんだ」と気づき 家に帰れない と思ったからだ。 どんなレベルのウソかにもよるが 大概の人にとって そんなに難しい課題ではない。 ノンちゃんの純粋さに  子ども心にもやられてしまうものがあった。 谷川俊太郎さんの詩に「うそ」というのがある。   うそ  ぼくはきっとうそをつくだろう  おかあさんはうそをつくなというけど  おかあさんもうそをついたことがあって  うそは

死の教育機関(原題)

黒魔術とか、闇魔法ばかり教える学校なのかと思ったらとんでもなかった。 ダークファンタジーと言ってよいのか。 学校に入れて上手く過ごせば 子どもの四分の一は助かるが 入学しなければもっと子どもが死ぬ世界。 何故かと言うと、あらゆる暗がりに魔物が潜んでいて 隙を見逃さず、食らいつくのである。 ヒロインのガラドリエル。エルと呼ばれる三年生。 ロードオブザリングからつけられたの?と聞かれたことで ちょっとだけ周りの視線が緩んだりするが 友達はできないし、自分からは声をかけず、閉ざ

多様性の時代を生きるための哲学

難しい課題ばかりだが対談なので読みやすかった。 今日は、石井洋二郎さんとの格差時代の話だけ。 ディスタンクションとは、「卓越化」ということたそうだ。 卓越化とは、 単に違いを見分けるのではなく 他者から区別して優越性を認めることだそうだ。 差別化という言葉とは区別したいと。 社会的に善し悪しが条件づけられていて 趣味の違いでは簡単に言えないとか。 世の中には、経済的な資本 とは違う 文化的な資本があって三つに分けられる。 ①身体的資本  知識や教養のように自分が身に着け

戦争(War)という名の町

ウェストバージニア州に、戦争と言う名の町があるそうだ。 町の入り口らしきところに 「戦争にようこそ」と書かれた標識があるという。 小さな町。 炭鉱があった。 廃屋のような「戦争」ホテル。 何もない町で、 立派なのは「戦争」銀行と「戦争」葬儀社だと。 長田さんがその町に行ったのは「戦争」という名前だったからだという。 何年もかけて、自分で運転してアメリカを旅したそうだ。 グーグルマップで地図を見ると、 ホテルは二つ レストランも二つ。 長田さんが旅をしてから20年以上たつ

現代詩手帳

図書館で現代詩手帳を二冊借りてきた。 しばらく前に 同じような書き出しでどなたかが書いていた。 私が借りてきたのは ジェンダーフェミニズムの特集の八月号と 新鋭詩集の四月号 たまにバックナンバーを借りるのだが 意外と借りる人は多いようだ。 現代詩手帳はところどころ 字がとても小さい。 携帯の小さい字を見づらいと感じる私にはちょっと。 掲載されている詩を読むと。少し背筋が伸びる。 比喩の鋭さが半端ないんですけど などと思う。 ニュースなどで 女子供を大切にしない状況を

もう別れてもいいですか

友人から夫の訃報を知らせるはがきがくる。 それを見て、心底うらやましいと思ってしまう。 そうして、自分がどれだけ夫を嫌だと思っているか 分かってしまう。 東京にいた友人が離婚したと知る。 それもうらやましいと思ってしまう。 夫の愚痴を言い合う高校時代の友達は 大学出て東京にいる人は違う と言うが。 小さな町で、大した稼ぎもなく離婚しても困るから というあきらめの中にいる。 夫は二階にいるのをわかっていて呼んで、 すぐそばにあるテレビのリモコンを取らせたりする。 体つきが好