がんをやっつけろ!第3話「トレーニングのはなし」
はじめに
前回の日記で書いた、ラスボス(オペ)との激闘は終わった。いまはそこから7日が経過している。ラスボス自体との闘いはあっという間に終わった(なぜなら寝ていたから)が、その後の死闘ゆえの傷との闘いは想像を絶する苦闘であった。いまはようやく落ち着いてるからこうしてnoteに向かえているが・・・
とはいえ、その話はまた後日あらためて。
ちなみにヘッダー画像は入院病棟からの景色である。
ぶっちゃけ楽勝だった第3ラウンド
相手の手の内もパンチの強さもわかってるから対策できるという、そりゃ楽勝ってもんですよ。こっちとしては「早く自陣コーナー(稽古場)に復帰したい」気持ちがはやってはいたが、第1ラウンドの苦い経験があったんで、とにかくメンバーのみんな(特に演出助手の野月)に任せることにして、体調が安定するまで復帰はしなかった。入院も含めて5月中旬から下旬の約10日間くらいのこと。
なのでこの第3ラウンドに関しては面白いことが書けない、気がするので、あえてこのラウンドに限らずで、俺が入院中、何をしていたのか書こうと思う。
黒幕のように裏から指示出し
あれですね。フィリピンの牢獄からSNSをつかって犯罪を指示していたというル○ィと同じです。
LINEに「あれやって、これやって」とか書いたり、リモート会議で、基地(病院)内が映らないよう画面オフにして「あれやって、これやって」とか言ったり、動いてくれる人たち(スタッフ)から送られてくる書類をチェックしたりとかとかとか・・・
ぶっちゃけ、俺がいなくても回るって悟ったとき、「そもそも俺は稽古場に必要なんだろうか?」という疑問がふと湧いたが、それは抗がん剤の副作用であるネガティブシンキングに侵されたものと判断し、そのままトイレに流した。
ラスボスとの闘いに向けたカラダづくり
なによりも時間をつかったのは、ラスボスとの闘いに備えて肺活量を鍛えなきゃいけないとかで「コーチ(本当にそういう名前w)」をつかった呼吸トレーニングだった。
これを1回70回、それを5セット、つまり350回/日もやらなければいけない高地ならぬコーチトレーニングを、コーチ、ではなく先生から指導されていた。(わざと面倒くさく書いてます)
あと運動も大事とかで、ジム(病院)のフロア内をぐるぐる10周くらい、これも5セットやっていた。
この1セットが大体4~50分掛かるから、1日中ほぼこの2つをずっとやっていたといっても過言ではない。だから忙しいわ、(食欲不振で)食べられないわで、そりゃ減量もスムーズってもんですよ。
ちなみになぜコーチトレーニングをしなきゃいけないのかの話はまた後日あらためて。
睡眠を邪魔する存在
これは言わずもがな、同室でトレーニングに励むベテランシンガーたちの夜中の歌(イビキ)のこと。格闘技の世界戦ともなれば、有名シンガーのリサイタルがリングで開かれるように、今回もラウンドごとにそのリサイタルは開かれた。だからとにかく寝るのが大変だった。夜中中、ずっと彼らは歌ってるからw
ちなみに全5回の入院のうち、そのリサイタルが開かれなかったのは、いま(5回目)だけである。つまりあとの4回はずっと彼らの歌を聴いていた。
そしてどうやら俺もたまにはハモっていたことを知っている。なぜわかるかと言うと、いろんなこと(それこそ彼らの歌声とかw)で眠りが浅かったからだと思う。
一番の悩みは食事だった
前回の日記に書いた通り、入院中の何が一番辛かった(ラスボスとの闘いは除く)のかって、断然「味覚障害」による匂い攻めである。
結果、食欲減退だし、なにより運ばれてきた食事を見ただけで吐き気を催すという苦行。最悪のトレーニングだった。
でもそもそも減量中の食事が美味しいのかって言うと、そりゃ「あまり」ですよ。だってカロリーコントロールされてるし、そもそも食道がん患者は喉を詰まらせるから、飲み込みやすいものしか来ないし、ましてやジャンクフードなどもってのほかだし・・・
写真を見てお分かりお通り、すべての食事が喉を通りやすいよう、ご飯はお粥に、おかずは細かく刻んである。
そして闘いは続く
第3ラウンドもなんとか闘い抜き、意気揚々と自陣コーナーに戻る5月下旬。そのまま作品を仕上げ、小屋入り、場当たり~ゲネ~初日となる。
公演についての想いはいろんなところで語っているのでここでは割愛。
そんなこんなで無事に公演本番を迎えたからにはいよいよ3回目の抗がん剤入院となる第4ラウンドを迎えるわけだが、その話はまた数日後に。
第3ラウンドを闘い終え、自陣コーナーに戻っているとき、ふと目にしたTwitterで百花亜希もがんで闘病中であることを知る。
注文の多い百花店「ありがとう♡&わたしの病気」
実は彼女にはそれこそ15年くらい前、JACROWに出てもらったことがある。全部で2回かな?
そんな縁でTwitterをフォローしてたわけだが、かなり驚いた。
もちろん病気の種類も治療方法も全然違うけど、同じがんを、しかも同時期に発症していると知り、びっくりしたのと同時に、勇気をもらったのだ。それはそのnoteに赤裸々にいろいろ書いてあったから。そして「そうか、こんな方法で伝えていくのもありだな」と思い、俺もnoteを始めた次第。
とは言え、今後も病気のことだけを書き続けるつもりはない。基本は創作に関わるあれこれを書く予定。
ただ、いまは病気のことを。
彼女もいろいろあるようだが、早く快癒されることを願うばかり。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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