化粧品の価格は、人間のバグによって決まっている。
何も化粧品だけに限らないですが、商品の価格は、原価によって決まってくるわけではありません。
消費者がその価値を決めているのです。そこには合理的な理由があるわけではなく、ある意味、バグ的要素によって決まります。
化粧品の有効成分は、1kgあたり、数万円くらいものが多く、高いものですと最近では、ヒト幹細胞培養液、CBD、エクソソーム、NMNなどが1kgあたり10万円~100万円くらいまでしていました。(CBDはもっと高かったかな?)
高価格の原料を高濃度で入れない限りは、化粧品の原価はさほど変わりがありません。
クレンジング、洗顔、化粧水、美容液、乳液、クリームと用途が変わっても、大きく原価は変わりません。
では、どうして価格が変わるのか?
それは消費者が受ける印象と、価値づけです。
まず何かを身体から落とすものは価値が高くないと判断されます。クレンジングや洗顔は、高い値付けでは買ってもらうことができず、価格は低くなります。
逆に肌に入っていくものは高い値付けができます。そして、良い成分がたくさん入ってそうなものの方が、高い価格を出しても良いと判断されます。
それが化粧水より、美容液やクリームの値段が高い理由です。
わかめスープより、ポタージュスープの方が栄養たっぷりの感じがしますよね。
それと一緒で、クリームが一番濃厚で、たくさん栄養が入ってると消費者は錯覚するのです。(本当に有効成分がたくさん入っている場合もありますが、そこまでの価格差が出るほどは入っていないケースが多いです)
次に、部位の問題があります。
例えるなら、顔は東京です。顔は一番消費者が価値を置いているところなので、土地の価格が高くなります。
目元は銀座。目元が一番価値が高く、目の周りの化粧品は価格が上がります。
髪の毛や首まで行くと、もうそこは東京から外れます。そこ専用の化粧品に、顔ほどの高い価格はつけれません。それでも、まだ首都圏なので、高い方です。
ボディに行くと、もう価格はダダ下がり。一時期、ニベアが、高級クリームと全成分がほぼ一緒で、「ニベアでいいんじゃない?」と話題になったことがありましたが、本当にそうなんです。
肌はどこでも大体一緒ですので、ハンド用、ボディ用、顔用化粧品には、大した違いがありません。
同じ処方で化粧品を作っても、ハンド・ボディ用の化粧品はとても安くなり、顔用は高くなるだけです。
ボディで、少し地価が上がる場所は、爪周りと、フェム当たりでしょうか。飛び地でいきなり価値が上がる軽井沢とか、なんかそんな感じの場所でしょうか。
もし理屈だけで判断するなら、ボディ用の化粧品を顔に使うのが、一番コスパが高いと言えるでしょう。感情がついてくるならの話ですが。
もちろん例外もありますが、化粧品の価格のみならず、物の価格は消費者の感情のバグによって決まっているというのは、知っておいても良いと思います。