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グローバル化(3):アフリカ
最近、アフリカのビジネスが注目されているようです。
私自身は過去、南アフリカに一度訪問したことがあるだけなので、多くは語れませんが、その時に感じたこと、いま感じていることについて書いてみたいと思います
*私の渡航歴:16か国55回 (2020年10月4日のnoteから)
米国:17回、ドイツ:7回、シンガポール:6回、
中国:5回、イギリス4回
2回:タイ、マレーシア、インド、オーストラリア、スペイン
1回:インドネシア、ミャンマー、カナダ、オーストリア、南アフリカ
南アフリカ
事前に「南アフリカ、特にヨハネスブルク周辺はかなり危ないよ。強盗は頻発しているし、場合によってはピストルですぐに撃たれるからね。」と散々、脅かされての渡航でした。
日本からはドバイ経由で ヨハネスブルグO.R.タンボ国際空港に22時間かけて降り立ち、そこから少し西にいった「サントンシティ」という地域が訪問先でした。
空港からはUberを呼んでもなかなか来なかったので、Gautrainという鉄道でサントン駅まで移動。そこから今度は掴まったUberでホテルに向かいました。
鉄道やホテルも清潔で、訪問したオフィス・エリアもそれぞれの企業が広大なキャンパスのようなゆったりとした作りになっていました。どことなく、ロサンゼルスやシリコンバレーあたりを思わせる雰囲気でした。
ショッピングエリアもレストラン街も、どこも綺麗で、打合せ後の夕涼みに飲んだCastleという南アフリカのビールも最高でした。(現地で合流したスペイン人のメンバーも喜んでいました)
事前に聞いていた話と異なり、拍子抜けするほど安全・快適に過ごさせたこと当時、知り合いの大使館の方にしたところ、「いやいや、十分に注意して下さいね。サントン駅でも一昨日ピストル強盗で亡くなった方がいたようですから。」と言われ、ゾッとしました。
そういえば、訪問先のオフィスエリアでは、どこも敷地の塀の上に有刺鉄線が張られていて、そこには高圧電流が流されていると聞きました。
南アフリカはアフリカで最も進んだ国、アジアで言えばシンガポールのような位置づけになると思うのですが、治安や政治的安定性という面では、まだまだ不安やリスクがあるんだなと感じました。
アフリカ・ビジネス
いま、アフリカが日本でも注目されているのは、やはり、Asia Africa Investment and Consulting(AAIC)代表パートナーの椿 進さんが書かれた「超加速経済アフリカ」がベストセラーになっているからでしょう。
現地の生の情報と、数字やグラフ(ファクトフルネス)でアフリカの今と
将来を語った本書で、アフリカに対するイメージが一新すると思います。
ただ、アフリカと言っても54か国、それぞれの国でGDPも成長率も大きく異なるので、マーケットの対象として一律に語ることは出来ません。これはASEAN諸国でも、それぞれの国に深く入ったことがある方であれば、理解できることかと思います。
本書の中で54か国の一人当たりGDPと過去の同水準だった頃の日本と主な出来事が比較されている表があるのですが、これを見れば、各国がどのくらいの生活水準でこれからどうなっているか日本人にもおおよそイメージが沸くはずだという著者の分析は慧眼です。
そして、いまアフリカの多くの国々が貧困層を抜け出し、大きな中間所得層を形成しようとしているのです。
自動車業界では、GDP3000ドルに満たない国にはバイクが、3000ドルになったら車が売れ始める。と良く言われていますが、他の様々な製品でも同様な法則があるかもしれませんね。
ただ、残念なのはこの話に先に気づいて、BOP(Bottom Of the Pyramid)
戦略をとって、いまのところ成功を収めているのは中国や韓国の企業です。
日本企業もアセアン諸国とは異なり、米国や欧州よりさらに遠い国々とは
言え、頑張らないといけないですね。
国々の経済発展
アフリカ諸国やアセアン諸国が今後、大きなマーケットになっていくというのは多くの識者が指摘しているところですが、なぜ、これまでは欧米諸国と差が付いていたのでしょう。
さまざまな諸説(人種・宗教・地理的条件など)がありますが、
私はMIT ダロン・アセモグル教授らによる「国家はなぜ衰退するのか」で詳細に解き明かされた「政治的構造」説に最も納得がいっています。
王族や独裁政権、一党支配による収奪的制度(国家が国民を管理)は一時的には繁栄するかもしれないが、いずれ支配層が堕落し、民の活力(イノベーション)も起こらずに衰退するケースが多い。
一方、中央集権的な国家を民主的に運営している包括的政治・経済制度が
確立された国は、民意の集約プロセスや経済的ルール策定に時間がかかるが、民の活力、自由な経済的活動により、国家も長期的には潤っていく
ケースが多いことを過去の様々な国家体制比較から解き明かしています。
いまアフリカ諸国の民主主義指数(Democray index)を見ると、独裁的な政治体制をとる国々がかなり多いようです。
この説に従えば、「中国の成長はしばらく続くかもしれないが、持続的成長には繋がらないとなります」が、未来はどうなるでしょう?
逆に、民主主義をとっている国々も、選挙制度があるとはいえ実質的には独裁政権・一党支配になっている国も多いのが世界の実態のようです。
個人的には、自由民主主義(民主主義指数:完全な民主主義」となっている米国を除いた欧州・日本などの多く国々が「人口オーナス期」になっていること。
一方、独裁政治体制・混合政治体制をとる多くの国々(アフリカ、ASEAN、中東等)が人口増加率が現在も高く、これから「人口ボーナス期」になると予測されていることが、経済発展の別のファクターとして大きく影響していくと考えています。
かなり話が脱線してしまいましたが、願はくば、平和で民主的な政治体制が栄え、世界のどの国とでも、安全・公平で自由なビジネスが出来る未来になれば。とアフリカの話を書きながら思ったところです。