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【新任マネージャー向け】”ボール離れの良さ”がチームの総合力を決める

今年のGWは完全に仕事が抜けきらない、すっきりしない休暇になった。とは言え娘に会えることはうれしく充電期間としてはありがたかった。写真は毎晩のジョギングで通りかかるお城🏰綺麗なので撮影してアップしてみました。記事と関係なくてすいません😓

さて、本題に入ろう。連休前、前職の部下の昇進祝いのため飲んでいた。「チームとして仕事をうまく回せない」というのだ。新任マネージャーはプレイヤーとして優秀なケースが多く、”自分だけが忙しくメンバーが時間を持て余してしまう”といった事態に陥りやすい。良いチームとは”メンバー個々の力が最大限引き出され、総合力がポテンシャル限界を超えている状態であると思う。

そのためにマネージャーは自分の手元にボール(投げることができるボール)をできるだけ残さないことである。部下からすれば、マネージャーが先頭を切って業務をこなして自分たちに振って来ない状態は快適であり、悪い意味で”良いマネージャー”と表現されるかもしれない。しかしながら、1人で成し遂げることは限られており、チームを率いるマネージャーとしては失格である。とはいえ、昇進して直ぐにこれが解決できるのであれば我々シニアマネジメントは必要ない。

それでは、なぜボール離れが悪くなってしまうのか?私の考える原因と対処法は以下の通りだ。

1.自分でやった方が仕事が早いと思っておりボールを話せない


優秀なプレイヤーがマネージャーに昇進した場合、最も陥りやすい現象である。本人は仕事に全力投球していると実感できるだろうし、自分で最初から最後まで処理すればアウトプットの質も高く、満足感は得られやすく、効率的である。これは1レイヤー程度の小さいチームを管理するマネージャーであれば通用する可能性はあると思うが、2レイヤー以上ある場合は不可能である。

【対処法】
◆部下が出すアウトプットに対する”自分の期待値をコントロール”する
→優秀なプレイヤーは無意識のうちに部下も同じようなレベルでアウトプットを出せるものだと思い込んでしまっている。よって、部下から出てきたアウトプットに失望して、結果的に自分で仕事を抱え込んでしまう。まず、自分と同じようにできるという無意識を自覚することから始める必要がある。自分と同じレベルならば昇進しているはずである。そして個々人のスキル・ケイパビリティのレベルを見極めよう。

◆余裕を持ったタイムラインを敷いて指示を出す

→期待値がコントロールできたら、修正に必要な時間を逆算して指示を出す。実はこれが一番難しく、個人のレベルや課題の種類によりアウトプットのレベルが変わる。試行錯誤しながら個々人の実力を見極めタイムラインを敷く必要がある。また、メンバーによって、仕事の進め方が異なるため、個々のタイプを見極めておくと良い。私はざっくりと3つのタイプに分けている。①完璧タイプ(完璧だと思うまでやり切れらなければ提出しない:80%以上の完成度で提出)②ざっくりタイプ(とりあえず方向性を決めてDetailには拘らずに提出するタイプ:完成度30~50%で提出)③中間タイプ(①と②の中間)このように個々人のタイプや能力を見極めてタイムラインやフォローアップ方法を決めていくのだ。

◆タイムラインに余裕がない場合はタイトにフォローアップする
→とは言え期限が切迫した案件については、フォローアップの間隔を詰めて、都度アウトプットを出させることで成果物を完成させる必要がある。また、業務に対する個々人の習熟度によりDeliverableの解像度を調整して指示を出すとよい。例えば、習熟度のレベルが低いメンバーには「パワーポイントのテンプレートを作成して、ここに文字を入れて作成してほしい」「Wordで必要な項目を入力して、これに沿って作成してほしい」など解像度をあげることで二度手間を省くことができる。

2.ボールを手から離したいが、部下に投げることができない


共感型のタイプが陥いる傾向があるように思う。部下に仕事を押し付けてると思われるのが怖い、申し訳ないなどの感情が芽生え、思うように仕事を振ることができない。

【対処法】
仕事を提供することが部下の成長につながることを強く意識する
→”仕事の報酬が仕事”という名言があるように、仕事の遂行は部下の経験値を豊かにしてくれる。仕事の完遂することを通して、マインド・スキルともに成長することができるのだ。よく考えてみてほしい。みなさんも上司から難題を与えられ、成し遂げることで大きく成長できたのではないだろうか?部下育成はマネージャーの一つの大きな責務であり、その機会を部下から奪うことはあってはならないことだ。
ちなみに、成長などしたくないという部下もいることは確かである。その場合、職務・職責のレベルを勘案して義務として仕事をしていただく他はない。給料の分だけ働くことは当然のことだ。

◆背景や目的を丁寧に説明して、部下を巻き込むことを強く意識する
→どんな仕事にも意味がある。もちろん、上司を攻略するための資料作成など、顧客にフォースしていないという反論もあるだろうが、それも立派な仕事だ。対象となる業務が持つ意味・意義を部下と共有することで、”こちら側”に巻き込み、一緒に戦ってもらうのだ。もちろん、時間はかかってしまうが、相手が納得して協力してくれる体制を作り出すことができれば前に進む。なお、私はすべての仕事について背景や目的を懇切丁寧に説明する必要はないと思っている。現実的ではないのだ。ビジネス書籍では当たり前のように推奨されているが、すべてに対応していたらマネージャーは寝る暇さえなくなる。強弱をつけていいと私は思う。

◆仕事を部下に振るのではなく、分担するように見せる

→「仕事を振る」という表現が悪い印象を与えてしまうのかもしれないが、上司も部下も「仕事を投げる」「仕事を投げられた」というイメージを持ってしまうケースがある。よって、仕事を細分化して、分担する形を取ればよい。線引きをして、分担を決めて、一緒にスタートするのだ。精神的な敷居は低くなるだろう。感情の問題も存在するため、分担するように見せかけるのだ。

3.ボールを投げたいけど判断できず溜まってしまう

仕事を抱えているマネージャーが、ボールを持ったまま硬直してしまうことはよくある。判断のスピードが遅く、仕事が溜まってしまうのだ。マネージャーとして、判断のスピードを上げると共に、判断の質(判断して出す指示の内容の精度)も高める必要がある。経験を積んだマネージャーは大半のことであれば即時に判断できるが、新任マネージャーには一つ一つが重くのしかかる。

【対処法】


◆クリティカルな案件かどうかを見極めて判断を下す
→コンプライアンス案件や重大なDecision makingに関連する業務などクリティカルなものは熟考する必要がある。一方、それ以外の案件については即決することを強く意識する。慣れの問題もあるのだ。私自身も300~400通/日のメールが届くため、まずは仕分けすることを意識している。具体的には①即決案件(大半はこれで、秒で判断してメール返信できる。もしくはスルーできる案件)②少しだけ確認が必要な案件(他部署への問い合わせ、ルールの確認などがあれば即決できる案件であり、ぼぼ即決する)③慎重にコミュニケーションする必要がある案件(クリティカルではないが、メールの返信内容などは気を遣う必要がある案件)④クリティカルな案件(ルールの確認や対応方法、レビュー資料であればストーリー構成などの熟考が必要な案件)のように仕分けして対応している。④の割合は数%であり、夜は週末を使い熟考する。即決できる範囲は経験値と共に増えて行くため、新任マネージャーが判断が通る道だと思って覚悟するほかない。

◆ミスしたときに責任をとる覚悟を育む
→判断が遅くなる理由の一つに責任の重圧がある。もし間違っていたら、どう責任をとればよいのか?頭をよぎると判断に迷ってしまう。これを避けるためには「マネージャー責任をとることが仕事である」と覚悟を決めなければならない。一方、取り返しのつかない重大な案件については上記で述べた通り仕分けしてトリアージしておくことで、対処は可能である。強弱が大切だ。

以上、新任マネージャーが陥りやすい課題「ボール離れの悪さ」について私なりの考察をまとめてみた。これを克服することでチーム力を最大化して大きな成果をあげて欲しい。

最後に。。。仕分けしてクリティカルなミスを防ぐとカッコいいことを書いたが、それでもミスは起こる。重大なミスが部門で起こり眠れない、なんてことを私自身も経験している。自分の戒めのためにも良いアウトプットになった。

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