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わたしだけが、知っている。福井城の百間堀をまちあるき!(2)
前回に引き続き、福井城百間堀の痕跡を探りながらまちあるきをしていきます。前回の記事はこちらでおさらいを。
さて、今回ご紹介する1か所目はこちら。ファミリーマートの横にビルの入口があります。そこを入っていくと…
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(西→東に向かって撮影)
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西から東に向かって床面が不自然に傾斜している様子が見られます。これは一体どうしてなのか…
ひとつの可能性として考えられるのは、かつて百間堀だったのでは?ということ。堀を埋めた時、水平になるまで埋めきらなかった、あるいは埋めた後に土が締まって、その分沈んだとの推測ができます。
その可能性を踏まえながら、前回見た百間堀の痕跡と、今回の場所を航空写真に落として、江戸時代の絵図と比較してみます。
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※傾斜が狭い範囲でしか見えていないので、
傾斜の方向が北-南なのか、北東-南西なのか、厳密には分かりません。
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どうでしょう?大体いい線いってないですか?
厳密には発掘して確認しないと分からないですが、百間堀の痕跡と考えていいように思います。
(なお、現地を訪れる際は、営業中の店舗のご迷惑にならないよう、騒音等にご注意いただければ幸いです)
2か所目はこちら。ガレリア元町を北から進んで中ほど、パチンコ屋さんの横の道です。ここも西から東に向かって坂になっています。
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写真右下に、石垣石と思われる石をベンチ代わりに置いているのも注目!
1か所目同様、航空写真に位置を落としてみましょう。
位置的には、百間堀の痕跡と考えてよさそうに思います。
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さて、この写真を見ながら、これまで見てきた4か所のことを思い返してみます。
①から④まで、歩くと約500m。堀幅が分かる場所もありました。今に残る地形から、ある程度リアルに堀の痕跡を見ることもできました。堀の石垣石が残されている場所もありました。
堀そのものは残っていなくても、いろいろ想像しながら現地を歩いてみると、おぼろげながら百間堀の姿を感じられるのではないでしょうか(noteを読んでくださっている方にどのぐらい伝わっているか心配ではありますが)。
まちに残っている痕跡を丹念に拾い上げて、想像力をめいっぱい働かせれば、昔の姿を感じることができる。
そういう歴史の楽しみ方も、アリだと思います。