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ねえ笑って って言われても

部屋の中で一日中
ごろごろしていると


大抵は邪魔だと言われ


下手をすると
粗大ごみ扱いされてしまう




ところが


猫がこれをやっても
邪魔にされるどころか


猫らしい猫として
高い評価を得たりする



人と猫を対等に考えること自体
おかしなことかもしれませんが



ものの見方は
角度を変えると
全く違って見えることがあります


私たちは子供のころから
元気で明るいことは
良いことであると
教わってきました


いつでも笑顔で
みんなと仲良く


本当に笑ってさえいれば


自分の世界は



良くなっていくのでしょうか


笑顔って大切でしょうか


自己啓発のセミナーなどで


常に口角を上げて
笑顔で話しなさいと



教えることがあるそうです



つまらないことや
面白くないことがあっても

笑顔でいることにより
自然と前向きになれる
というのが理由のようです




昔から笑顔でいると

気持ちが明るくなって

やる気も沸いてくるといわれます





ただ笑顔を作るのにも


上手下手があって







わたしは下手です




もともと小さなころから
ひねくれた性格でしたので



作り笑いができないのです



顔が引きつってしまうのです




おそらくこんな笑顔を作っても

誰も喜んではくれないでしょう




もちろん


面白おかしいと感じれば

大きな口をあけて笑います


意識した笑顔が得意ではないのです



笑顔を作ることで

心を明るくする




でも


中には笑顔を作ろうとするあまり

笑顔が苦痛になる場合もあるのです


意思疎通の笑い


よく日本人は表情が乏しく
何を考えているのかがわかりづらい


などと言われることがあります




だから何なのだと
思わず反発してしまいますが


冷静に考えてなぜ欧米人は
あんなに表情が豊かなのでしょうか




よく言われているのは




多民族国家であるため
言語が通じないこともあり



意思を伝えるために
豊かな表情になったというものです




もともと狩猟民族でもあったので



ちょっとした行き違いで
争いに発展することも
多かったのではないでしょうか





「自分はあなたに敵対心はありませんよ」


笑顔はこうした意思を伝えるには

最適なツールです







欧米ほど民族が複雑ではない
日本では気持ちを顔に表さなくても
意思の疎通が図られてきました



むしろ平安貴族を描いた絵巻には

口元を隠して笑う姿を見ることができます



人前で歯を見せて笑うことは
下品ではしたないことだったのでしょう




むしろ

「目は口程に物を言う」の諺があるくらいです




目の奥の微妙な機微を感じ取って
相手の心の奥を見ていたのです






私はきっとこの平安貴族のDNA・・




いえ
あくまでも笑顔の作り方が
下手なだけです


笑いの価値観


笑う門には福来る



本当なら
ずっと笑っていようかとも思いますが


おそらく周りから止められるでしょう




もっとも

笑いが出るようになれば
福はもうすぐそこまで来ているよ


という意味らしいので
周りから止められなくても
笑い続けたりしません






米国の社会では立場が上の人ほど
大きな声で笑うそうです



失敗した子供の姿を見て
お父さんが笑う

部下のミスを笑って許す


このような光景を
映画やドラマで見ることがあります




もっとも顕著なのが



アメリカンコミック



ヒロインが悪の使者に襲われそうになった



その時



高い建物の上から

「HA HA HA HA HA」という

笑い声とともにヒーローが登場します





これで悪よりも立場が上であることを
読者に一瞬で理解させます


プロスポーツの世界でも
テレビ画面の中に思い切り笑っている
選手の静止画像が映し出されたりします




笑いは正義であり力強さの象徴

そう捉えているのでしょう






日本のヒーローは
むやみやたらと笑ったりしません




ほとんどは眉間にしわを寄せ

真面目な顔で変身しながら登場します



大きな声で笑いながら登場するヒーローは
クレヨンしんちゃんに登場する
アクション仮面くらいです




むしろ悪の組織にいる手下の方が笑います


腰を曲げ手揉みしながら上目遣いに


「へへへ おやぶーん 強いですねぇ」

などとおべっかを使う





日本人は服従のしるしとして笑いを使います



いやいや 笑いといえば大阪


大阪の人は服従などしていないでしょ
むしろ東京に対する反骨精神がある

そんな風に反論する人もいるでしょうが


彼らは笑う方ではなく
いかに相手を笑かそうか
こちらに命を懸けています






笑いには文化的背景と密接な関係があって

国や地域によってその価値も様々です



客商売や営業職であれば
口角を上げて笑顔を作ることも大切でしょう
それはあくまでも仕事としての笑顔です




ひとはそれぞれに個性を持っています

無理にでも笑うことで明るくなれる人
笑うことが辛くて落ち込んでしまう人



一番良いのは

そのひとがそのひとらしく

生きていける環境ではないでしょうか


環境が整えば


自然と口角は上がって



笑えと言われなくたって





素敵な笑顔は作れます






ここまでお読みいただき
ありがとうございます

あなたのもとに 素晴らしいことが

たくさん たくさん

降り注ぎますように




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