【超短編小説】細(その4)#140字小説
何気なく白くて細い指で、乱れた前髪をかきあげた妻。今更ながら、新しい発見をしたかのように、女なんだと心でつぶやいてしんみりする私。半世紀の時の流れに逆らえず、男と女の関係が、家族という関係に変貌してしまった。諦めや後ろめたさや儚さやらが、複雑に絡み合い混沌とした情で胸倉を突いた。
何気なく白くて細い指で、乱れた前髪をかきあげた妻。今更ながら、新しい発見をしたかのように、女なんだと心でつぶやいてしんみりする私。半世紀の時の流れに逆らえず、男と女の関係が、家族という関係に変貌してしまった。諦めや後ろめたさや儚さやらが、複雑に絡み合い混沌とした情で胸倉を突いた。