やまのぼ 2023年10月10日 07:40 「ここって、栄養はあるんだけど苦いのよね」ピーナッツをそっと割って、その先の胚芽を、白く細い指先で上手に取りながら彼女は言った。そんな半世紀前の光景が、深くボクの心の底で、いまだに蠢くことがある。その手を握ったこともなく、彼女と過ごした数日間は、多分、男性への助走だったのだろう。 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #恋愛 #恋 #彼女 #男性 #栄養 #140字小説 #光景 #ピーナッツ #指先 #山尾登 #半世紀前 #深 #胚芽 22