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【やまのぼ ブックレビュー No.15】「花宴」あさのあつこ・著<朝日新聞出版>を読んだ。

「サクサク読めて、面白いわよ!」
「エ~?女優の浅野温子って小説書くの?」
「違うわよ!その浅野温子じゃないわよ!」

 カミさんが、眉間に皺寄せながら<やまのぼ>に薦めた本は、小説家<浅野敦子>の時代小説だった。

「え~時代小説?」「とにかく読んでごらん!」
 時代小説を毛嫌いする<やまのぼ>は、カミさんに押し切られ、本書を読む羽目になった。

 勘定奉行を務める武家の一人娘・紀江は、祝言の後も、かつての<男>を忘れることができなかった。うしろめたさに苦しみながらも、妻となり、子をもうけながらも、かつての婚約者の面影を追い求める紀江。すれ違う二人に訪れるのは、・・・これ以上は、ネタバレになるから止めておこう。

<かつての男のことを思い続けることは、罪なのだが・・・。けれど、どうしようもない。心とは誰のものだろう・・・>

 そんなこんな読み進めるうち<やまのぼ>は勘ぐった。

『もしかして?カミさんのココロの内にも<そんな男>が棲んでいる?』
だから、シグナルとして本書を強引に読ませたのだろう・・・。

『まあ!いいか!人生は一度!その人なりに納得行く人生であればいいだろう!』<やまのぼ>は、自分自身の<深い寛容さ>に、驚かされた一冊だ。


<やまのぼ>のお薦め度 ★★★☆☆
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<やまのぼ>のお薦め度規準
(独断と偏見です。あしからず)
★★★★★ 蔵書にして読み返したい
★★★★☆ 読みごたえありでお薦め
★★★☆☆ そこそこ読みごたえあり
★★☆☆☆ 時間つぶしにはなります
★☆☆☆☆ 本屋での立ち読みで充分
☆☆☆☆☆ 時間の無駄使いだけです

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