配偶者居住権3~小規模宅地等の特例
小規模宅地等の特例
配偶者等にとって相続税の軽減措置として大きなものに小規模宅地等の特例(租税特別措置法69条の4)があります。
個人が、相続や遺贈によって取得した財産のうち、その相続開始の直前において被相続人又は被相続人と生計を一にしていた被相続人の親族(被相続人等)の事業の用又は居住の用に供されていた宅地等(土地又は土地の上に存する権利)のうち一定のものがある場合には、その宅地等のうち一定の面積までの部分(小規模宅地等)については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、減額されるというものです。
たとえば、相続開始の直前まで、被相続人等の居住の用に供されていた宅地等で、「特定居住用宅地等」に該当する宅地等に該当すれば、 330平方メートルを限度として相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上80%減額されるもので非常に大きな軽減措置です。
配偶者居住権と小規模宅地等の特例
配偶者居住権そのものは、建物に居住する権利ですから、配偶者居住権にかかる課税価格について小規模宅地等の特例は使えません。
ただし、条文が「土地又は土地の上に存する権利」と規定されていることから、配偶者居住権の目的となっている建物の敷地及びその敷地を配偶者居住権に基づき使用する権利については、小規模宅地等の特例を使うことができます。