弁慶飯。
こんにちは。
今日は床屋💈さんに行って、
さっぱりしてきました。
写真は弁慶飯と言って、郷土料理です。
ご飯を握り、味噌をぬり、青菜漬けを巻いて、
少し焦げ目が付くくらいに焼いて、出来上がり。
学生時代、日本料理店でアルバイトをしていました。
スナックのママが、愛人から出資してもらい、
開いたお店です。
板前さんは、雇った方。
お店のオープンに合わせて、アルバイトを募集していて、採用されました。
ママさんは、厳しい方で、開店当初から働いているパートやアルバイトは、私以外、皆辞めていきました。今思えば、たかがアルバイトで、よく1年間も働けたなと思います。
板前さんも厳しい方でしたが、私に対しては優しく、よく面倒みてもらいました。
まだ19歳の学生バイトだったからでしょう。
板前さんから作ってもらうまかないほ、とっても美味しかった。海の幸がたくさん食べれます。
仕事の内容は、接客や皿洗いがメインで、
調理の補助もしました。
勤めて一ヶ月くらいして、弁慶飯の作り方を教わりました。
何回か作ると、合格点をもらえ、弁慶飯の調理は、
私が担当することになりました。
ある日、スーツを着た男性が店に来て、
「先生(医師)の接待で、ここを使いたい。
8000円の料理でお願いしたい。」
「純日本料理でお願いする。」
製薬メーカーの営業の方のようです。
ママも、板前さんも、8000円の料理とあって、
メニューを考えるのに、時間かけていました。
メインは、浜名湖産の鰻の蒲焼きか、
米沢牛の和風ステーキか。
米沢は遠いのですが、ちょうど業者から仕入れることが出来たとあって、
米沢牛の和風ステーキに決まりました。
接待当日、めっちゃ美味しい料理ばかり並び、
先生も営業も楽しそうに会食されていました。
私が米沢牛の和風ステーキを運ぶと、
「?なんで、ステーキが出るんだ!純日本料理と注文したはずだ。」
ママが慌てて、
「和風ステーキでございます。和風です。」
「いや、ステーキは洋風だ!」
営業の機嫌が悪くなってしまいました。
これを聞いた板前さんは、
「ちきしょう。〆のご飯はイクラ丼の予定だったが、登が握る弁慶飯にする。メニューチェンジだ!」
えっっっ?!
「またクレームになったらどうするんですか!」
「かまわん。早く握れ!」
私は恐る恐る、しくじれないと、
丁寧に、慎重に、弁慶飯を作りました。
弁慶飯が出来上がり、配膳しました。
クレームにならないといいなと、びくびくしながら
皿を洗っていると、
「お兄さん。」
うわー、やべー、クレームかな?!
「このおにぎりはなんという料理かね?」
「弁慶飯と言って、郷土料理でございます。」
「美味しい。初めて食べた。先生も美味しいと
言って召し上がったよ。」
良かった〜。
デザートの柿とラ・フランスを美味しそうに召し上がり、機嫌良く、店を後にされました。
片付けをしていると、板前さんから、
「客が残した米沢牛、食べたきゃ隠れて食べろ。」
物置に入り、米沢牛の和風ステーキを口にいれると、
「うめーー!~!!」
米沢牛なんて、生まれて初めて食べました。
冷めてるとはいえ、柔らかくて口の中でとろけます。
こんな美味しいご馳走残すなんて、どうかしてますね。
この日本料理店でのアルバイト、楽しかったし、
勉強にもなった。
料理は今も得意とは言えませんが、自炊中心の食生活しているのは、このときのアルバイトの経験が、少なからず活きているのだと思います。
30年ぶりに食べた弁慶飯、美味しかった。
ただ、口に入れるとご飯がボロボロと崩れました。
あのころの出来栄えに戻るには、
修行が必要ですね。(笑)