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つれづれ読書感想文(その17)

各出版社は夏に文庫フェアを開催する。
よく本屋の一番見えるスペースに各出版社の名前入りのフェアが
開かれているのがわかるだろう。

往年のシャーロックホームズシリーズや、夏目漱石のこころ、
ぼっちゃんのところもある。
後は、銀河鉄道の夜、現代小説であれば恩田陸さんの夜のピクニックや東野圭吾さんの真夏の方程式なんかが積まれているのではないか。

ちなみに、文豪ストレイドッグスというアニメガある。
作中に出てくる登場人物が過去の文豪である。(あるは言いすぎか、名を呈している)
ここではないように触れないが、そのコラボレーションにより、各キャラが表紙の文庫本が並んでいる。

前置きはそんなところ、その中から今回は澁澤龍彦さんの
「ドラコニアの夢」を読んでみた。

今回は澁澤さんのアンソロジーほんとのこと。

小説があればエッセイも収録されている。

興味を惹かれたのは以下の2点。

あまり、数点を箇条書きして書いていくのは好きでないのだが、今回はあえて分けて書きたい。
要は2点についておすすめポイントがありますよという認識で構わない。


1点目(宗教的な側面)

書き方が不穏に感じるかもしれないが、ものものしいものではない。
ただ、予想していた話の展開から逸脱していたので書いてみたい。

一つは秘密結社

中世ヨーロッパやインド、はたまたキリスト以前において多種多様な秘密結社が裏で活躍してきた。時代によっては表舞台に立つこともあるようだ。
私の中でなじみが深いのが「フリーメーソン」だ。
よく言われる、秘密結社といえばこれだろう。

後は、ダヴィンチコードという作品を知っている人であればバラの騎士団も含まれるだろうか。

こういう話が好きな人はちょいと読んでもらいたい。

個人的な解釈だが、秘密結社について書かれた専門書?よりも澁澤さんが論じている話のほうがより面白く読めると感じる。

先の「アマテラスの暗号」でも述べたが、こういう作品はとても好きだ。
だが、学説とかそういう論じ方というのはとても読んでいて疲れる。
興味そして好奇心がないと読み進められないのである。

その点、先の本然り本書然りとても読みやすい。
もちろん、あくまで澁澤さんの論じていることがあまり多くの持論を展開しているわけではないからそう感じるのかもしれないが、読み物としてもおすすめである。



2つ目(書評としての側面)

エッセイでありながら、その中で書評を展開していたりする。
というかほぼ書評?
泉鏡花への書評というか思いというかその辺がとても重い。

ちなみに江戸川乱歩や石川淳、坂口安吾なども今回の本には登場する。
ちなみにこっちはしこたま読みにくい。

いや、なんとなく何を書いているのかはわかる。
ただ、多くの知識、特に西洋文学なのか西洋史及び時代背景が違うことによって必要とされる知識の量や質が違いすぎることから生じる、日本語として何か言っているが全然頭に入ってこない。
呪文感がすごい。
これは私の知識のなさからくるものなので、まだこの本を読むためのレベルが追い付いていなかったのだろう。

たぶん、一旦西洋史からどんな人が出てきてどんな歴史があったのかを学んだ後、書評されている方の作品を何作品か読んで、その後に再びこの作品に取り組めば理解できるところまで行くのであろう

(ということで、さしあたり泉鏡花を並行で読み進めているが、すんごいこれ。)



余談

「変身」と聞くとフランツカフカを思い浮かべるが以外と古今東西、人間が変身する物語のというものは多いらしくこの本で紹介されているものは多種多様である。
例えば「山月記」あたりは有名だろう、おそらく国語の教科書で取り上げられたこともあると思う。

要はその辺の話が割と詳しく紹介されているので、読破できるか自信がない方でもそのあたりを参考にするのも面白いかと思われれる。


おわり

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