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世界自殺予防デーに伝えたい、3つのこと

今日9月10日。何の日かご存知でしょうか。

WHO(世界保健機関)が定める「世界自殺予防デー」なんです。
そして、9月10日〜9月16日は〈世界自殺予防週間〉です。

ふぅ〜ん・・・

そう思った方、自殺は他人事ではないです。誰にでも起こりうる社会課題だと私は思っています。

ぜひ、今日をきっかけにご自分の命、周りで共生する方々の「命」というものを考える日にしていただきたい。

そんな想いをこめて、この記事を書かせていただきます。

あなたはこう思ったことはありませんか?また、周りでこう言ってる人を見たことはありませんか?

・消えたい

・死にたい

・はぁ、もう疲れた。楽になりたい

私は、多くはありませんが、正直言って何回かあります。

子どもたちがもっと小さかった時、仕事、子育て、家事全てワンオペで常に稼働し続けないとならない現状が辛すぎて。自分が生きてる価値を感じられないというか、誰にも感謝されてない、貢献できてない気がして。寝不足も重なり、健全なメンタルじゃなく、ちょっとした鬱状態だったんじゃないかと思います。人生で一番辛い時期で、一人で抱え込み、誰にも相談できませんでした。

はぁ、全てから解放されたらなぁ・・・

そう頭をよぎったことが何度かあります。幸い、私は未来志向が強く、よくも悪くも未来のことを考える癖があります。その上、子育てで寝不足が続くとメンタルが健全でいられないので、意識的に睡眠をとるようにしていたので、なんとか乗り切りました。

でも、忙しい現代人ほど自殺当事者になるリスクと隣り合わせで生きています。だから、「世界自殺予防デー」の今日、縁あってこの記事を読んでくださる方へ私が伝えたいを今日は綴りたいと思います。

【自殺の現状】

まず、自殺に関する現状です。悲しいことに、(WHOによると)世界で死亡する100人に1人の死因は、自殺によるものです。

日本における自殺者数は、長年3万人規模を推移していましたが、過去10年連続で減少傾向にあり2019年は2万169人と、2万人を切りそうな兆しまでありました。

しかし、コロナ流行により、昨年2020年の自殺者数は2万1081人。10年ぶりに増加。

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グラフを見てもわかる通り、全体的に日本の自殺者数は、男性の方が女性より多いことが特徴です。

しかし、昨年のコロナ禍で増えたのが、女性の自殺。コロナ禍で非正規雇用の多い女性たちは仕事を失い、お金がなくなることで、生活や対人関係も悪化し、家に閉じこもる生活の中で、心身ともにバランスを崩してしまい、自死に追い込まれた方が多いと聞きます。

こうした、複合的にいろんな要因が絡みあっている自殺の問題は、個人の問題ではなく社会的な課題ではないでしょうか。


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昨年1年間の男女の自殺者数推移(上図)を見てみると、6月〜10月に急増していることがわかります。
これは、7月の著名俳優の自殺、9月の著名女優の自殺による影響が大きいと見られています。メディアが大きく報じていたので、「私も・・・」と駆り立てられてしまった人が多かったようです。

でも、これは衝動的にそう思ったのではなく、それまでの長い年月の中でそれだけ自殺に追い込まれるほど心身を追い詰められた状態でいた”自殺者予備軍”が多く、著名人のニュースがトリガーとなり、急増したと想定されます。

【自殺要因】

自殺要因はあらゆることが考えられますが、原因は1つではないといわれています。

専門家の方の話だと「生きることへの促進要因」より「生きることの阻害要因」が大きくなると、自殺へ追い込まれやすい、とされています。

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◉引用元:日本財団HP

つまり、「お金」「人とのつながり、信頼関係」が希薄になり、
そこに容赦なく「感謝も評価もされず、稼働し続けなければならない現実(長時間労働、家事育児、介護)」が重なると、心身がすり減り続け、明るい将来が描けなくなり、未来を生きていくためのエネルギーがなくなってしまう。

逆に、未来へ目を向けられるための「安定した収入」「感謝、貢献できる仕事や趣味」「人とのつながり、信頼」があれば、しんどくてもなんとか生きていける。

つまりは、「自分の生きてる価値」を感じられることが増えれば増えるほど、生きるエネルギーを感じやすくなります
どうしても、今は資本主義で競争社会なので、他人に評価されないと自分の価値を見失いがち。

若い世代を中心に、そうした「生きづらさ」が自殺へ繋がる要因ではないでしょうか。

今は安定した仕事につき、収入も安定し、家族や友人とうまくいっている人も、景気の悪化や、リストラ等でその礎が崩れてしまうと、生きるパワーを失うスパイラルへ入ってしまうことだって考えられます。
自殺は、誰にだって起こりうることで、他人事ではない問題です。

【私からのメッセージ】

それらの現状を踏まえ、私があなたへお伝えしたいメッセージは3つです。

①自分を大切に 

ありきたりですが、とにかく自分の心身を大切にして欲しいです。忙しい人ほど、です。自分の心身の不調に気を留めてほしいし、「自分ちょっとおかしいな」「しんどいな」と思ったら、無理せず休んで欲しいし、必要なら専門家や医療機関へ助けを求めてほしい。

日々忙しいと自分に構う心の余白がないですが、1日10分でもいいので、頭の中、心の中の「ゴミ」を出す時間をとられてみてはいかがでしょうか。私は心が沈んでる時は、ノートにごちゃごちゃをそのまま殴り書きし、眺めてます。すると、自分の気持ちを誰か他人のことのように客観的に捉え、少し気持ちが楽になるんです。

◉参考:『ずっとやりたかったことを、やりなさい』で紹介されてるモーニングノートが、参考になります

自分のささいな違和感、心の声に耳を傾け自分を大切にしてほしいです。

そして、健康のために運動をしたり、美味しいものを食べたり、好きな映画を見たり、本を読んだり、人と話したり。なんでもいいから、自分をリセットできる時間を1日の中に作り、自分を大切にしてほしいです。

②生きてるだけで丸儲け  

私は自分のこどもたち3人が生まれた日のことを、昨日のことのように鮮明に覚えています。それは、人生で感じたことのないほど心動かされ、愛おしさに包まれた瞬間だったからです。

生まれた経緯はどうであれ、人間は生まれただけでも奇跡で、いるだけで尊い存在です。生まれた理由は本人もわからないし、それは誰にもわからないし、教えてももらえません。私は「生まれた理由がないのに、死ぬ理由だけあるのはおかしい」と思っています。わからないならわからないなりに、「とりあえず寿命まで生きてみる」ってありなんじゃないかな、と思うんです。

生きてる意味とか、自分のいる意義とか考えなくていいので。そんなの他人が決めることではないので、外野の声はほどほどに(SNSもほどほどに)、とりあえず毎日朝日とともに起きて、食べて、日が沈んだら寝る。これだけでも命を全うしてることじゃないでしょうか。

別にすごいことしなくても、感謝されなくても、評価されなくても、ひとりぼっちでも、とりあえず毎日死なずにいてほしいです。

③しんどかったら助けを求めて

最後に伝えたいことは、「しんどかったら助けを求めてほしい」ということ。

私は、学生時代に同級生を自殺で失い、社会人になってからも同僚を複数自殺で失くしました。昨日まで元気に学校や会社に来ていた人が、突然何も言わずに命を絶ち、本当に無力感しかありませんでした。

と同時に、「なんで気づいてやれなかったんだろう」と悔やんでも、もう遅いということを痛感しました。だから、そういう人を見かけたら

「おはよう」「最近どう?」「顔色悪いけど、どうしたの?」

何でもいいので、声をかけてほしいです。

人を自殺へ追い込む要因は、社会の「無関心」だと私は思います。

まずは自分の身近なところから見渡して、気になる人がいたら声をかけてみるところから始めてみませんか。


少なからず、この記事を読んでくださる方には、それを積極的に行い「ゲートキーパー」として周りへ愛情を持って接してほしい。そう思います。

もし、あなた自身が「もう限界」と思っているのなら、周りに話せなくてもこうした第三者機関へ話してみてほしいです。
→いのちSOS:


ソラシスへメールくださっても構いませんので、連絡ください。(shop@solasisjapan.com)

最後に、「でも、どうやって声かけたらいいの?」と思っている方へ
厚労省のページに声がけについてわかりやすいページがあったので
リンク貼り付けておきますね。

「うざいと思われたらどうしよう?」
「話してもらなかったらどうしよう?」
と思っているうちは、自分のことしか見えてない証拠。

断られても、命をとられるわけじゃないので、少しでも気になる人が身近にいたら、愛を持って声をかけてみてください。

今日をきっかけに、あなたが「ゲートキーパー」として身近な人の大切ないのちを守る仲間になってくだされば嬉しいです。

いただいたサポートは、私の地元(宮城県仙台市)の児童養護施設へ寄付させていただきます。