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空港へ行ったら、持っていた航空券が昨日の便だったとわかり、予定外の市内観光をして帰ってきたの巻(パリ編)


遅刻をしたことはありますか?

遅刻をしたことない人っているのだろうか。
段取りしていても思わぬことになって、約束の時間に遅れてしまうというのは、ママあること。
プライベートでもあるけど、仕事でもある。
事務所にいて、さて、そろそろ出かければ余裕で約束の時間に間に合うな、と出ようとするときに限って電話がかかってきて、うっかり出てしまうと意外にも長引いて、思わぬ時間がかかってギリギリになったり、「すみません、ちょっと遅れます」とか電話をしたりした経験は誰もが持っているだろう。
と思うのだけど、これも能力なのかもしれないと最近感じる。

読みが甘いとギリギリになる。かと言って早めにするとかなり時間を余らせてしまったり。ちょうどいいって難しいですね。それでもギリギリよりは早めにというのが、一般的だと思う。
でも、やっちゃうんですね、凡人は。

パリから大阪へ帰りのフライト当日


国際線のフライトは、搭乗時刻の2時間前には空港に到着しチェックインをしてくださいと言われている。
それは国内でも海外でも同様で、パリの出張から帰りの時は、確か朝でも早めのフライトだったと思う。タクシーを呼んでもらって空港まで、余裕の時間にチェックアウト。
ホテルは、凱旋門からほど近いマクマホン通り沿いにあった。ロケーションは申し分ないし、キレイだし、シャワーもちゃんと出る、地下鉄のシャルル・ド・ゴール・エトワール駅から歩いて5分程度だろうか。価格を考えると出張者には申し分ないホテルだ。

もしかするとパスポートコントロールでバカにされていたのかも

さて、出張スケジュールも無難にこなしたし、良かったよかったと空港へ行き、パスポートと航空券をパスポートコントロールで提示した。ガラス越しのカウンターの奥では、航空券を見ながら奥の人と笑いながら何かの会話。「なにかおかしいのかな?東洋人だと思って感じワル」と思ったもののすぐに「OK」と言って、パスポートと航空券を返してくれたので、そのまま、チェックインカウンターへ。

チェックインカウンターで「だめだ」と言われたのだ

大阪行きの便にちょうどいい時間だからか、日本人も何人も並んでいた。
ぼくの番になって、ここでもパスポートと航空券を渡す。
相手は、おそらく50前後の白髪で髭面のおじさんだ。航空券を見て何かを端末で確認しながら、こちらを見てこういった。

「だめだ。このフライトには乗れない」
「なんで?」
「これは昨日のフライトだよ、ほら」
「え⁉︎」
差し出されたチケットを急いで見る。
「わ!」
日付を見ると本当に昨日のフライトだった。「えー、なんで?ホテルだって取ってたし」とは思ったものの、なんでもかんでもない。事実はひとつだ。

「なんとかならないの?」
「ならないな」
「なんとかしてくれ」
「むりだな」
「そこをなんとか」
「いま手続き中の日本行きの飛行機は東京デスティネーション、おまえ、大阪だろ。東京から歩いて帰るのか?はっはっは」
「いや、それでもいいよ」
お客をさばきながら、何言ってんのこいつ?と横目でちらっとこちらを見て
「ちょっと待ってろ」
と、受付の合間にどこかへ電話。淡い期待を持つ。
「やっぱりだめだ」
「どうにもならん」
「取り敢えずここにいてもどうしようもないぞ」
「たしかに。。。」

旅行代理店やホテルに電話をした

こりゃやばい、まずは電話だと、公衆電話がないか見まわした。
多くの人でごった返すラウンジの少しウィンドウよりの柱の前に電話が見えた。両替した現金はもうほとんどないが、クレジットカードでかけられるようだ。
まずは大阪の旅行代理店に電話。
社名と名前を名乗って担当者さんを呼んでもらうと、元気な声が「まいど、乃凡亭さん、つきましたか?お帰りなさい」
ああ、そういう時間なのね
「いや、今まだパリ」
「え?うそでしょ?」
「いやまじで」
「なんでですか?」
「1日、間違ったみたい」
「どこにいるんですか?」
「シャルル・ド・ゴール空港です!」
「ねえ、どうすればいいですか?」
「ちょっと待ってて」
「15分くらいしたらもう一度電話してください、だけど、きょうはフライトないですよ、最短どうなるか確認します」

「やばいなー、取り敢えずホテルに電話だ」
「もしもし、さっきチェックアウトした乃凡亭といいます、予定のフライトをロストした(英語力がないのでこの程度の説明w)もう一泊できませんか?」
「きょうは、あいにく満室だ。事情はわかったから他のホテルを当たってみよう、30分もしたら電話をくれ」
「まいったなー」
悶々としながら、楽しそうに帰路に着こうとする日本人観光客を見ながら、スーツケースに腰掛けた。
まあ、しょうがないなー。まだ昼だしなあ。どうしようかなあ。

そうこうしているうちに、ある程度時間が経ったので、旅行代理店に電話。
「あのね、明日のフライトは押さえました。だけど、予約変更には、エアフラの支社長のサインがないとだめらしいの。ところが、今どっか行っちゃってて帰っては来るらしいんだけど。すぐにはもらえないみたい。今日中にサインをもらえるからまた後で電話して。ホテルは取れました?」
「いま、探してもらってる」
「じゃあ、がんばってくださいね。だけどなんで間違えたんですか?」
「わかんないよ」「じゃあね、ありがとうございます」
ホテルへ電話。
「おお、1軒ホテルを抑えたよ。価格は似たようなものだ。うちのホテルの近くだから一度戻ってきてくれたら場所を教える」「ありがとー!」
よし、じゃあ会社に電話するか。。。

最後に会社に電話をしたのだ

「乃凡亭です。課長いる?」
「おお、なんや、もう着いたか?」
「いや、着いてないです。」
「どういうことや?」
「まだパリで、フライトを1日間違えました」
「なに?なにゆーてんねん」「どこにおんねん?」
「シャルル・ド・ゴール空港です、昨日のフライトを今日だと勘違いしてました」
「ありえん。。。どないなっとんねん」「帰って来れるんか?」「なにを考えとんねん。なんで間違える、意味わからん」「どないすんねん」

その後も罵倒は続き、「すみませんすみません、どうしうようもないです。」
「きょうは無理です。明日のフライトに変更できたので、ホテルも抑えました」
「クレジットカードで電話してるんでもう勘弁してください」
「なに〜?そんなこと知るかい!」
と言うと、
一瞬静かになり
「おまえな、わざとやろ?」
「へ?」
「きょうこのあとフリーやん。いま午前中やろ。どこにいくねん?そういう手をつかうか?計画的やな?」
「いやいや、わざわざ怒られる手法は使いません。ただの大ボケですわ」「ふん」
というわけで、電話は解放され、再び荷物を持ってタクシーに行って、今朝チェックアウトしたホテルへ向かった。

やっとエッフェル塔

というわけで、その日は天気も良いし、エッフェル塔へ行こう!とタクシーで市内に戻る途中に決めた。
凱旋門はホテルからも近かったから行ったけど、エッフェル塔は初めて。
向こうのほうに見えるエッフェル塔を目指して歩いて行った。
レトロなエレベーター。いいなあ。ビリケンはいないな。

そのあとは、地下鉄でサンジェルマンへ移動して、街をうろうろして人が並んでいたパン屋でパンを買って帰っただけだったけど、思わぬOFFの時間。自由時間て素晴らしい。

以上が、フライトに遅刻したお話。あれから30年近く経つが、これほど激しい遅刻はない。
あれ?これは遅刻って言わない?


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