サーフショップがつくるサーフムービー6選
世の中のサーフムービーがつくられる目的は様々で、つくっている人たちも多種多様です。
サーファーやフィルマーの個人プロジェクトとして製作されるもの、企業やブランドからサポートを受けてプロモーション映像として製作されるもの、色々なパターンがありますが、その一つに、オルタナ系サーフショップが製作する『お店のオリジナル・サーフムービー』というジャンルが存在します。
オルタナ系サーフィンの定義については、紐解くと終わりなき旅になりそうなので、この場では一旦『サーフボード、スタイル、考え方、いずれも自由で楽しくて“クセがすごい” by ノブ』と します。
今回は世界各地のオルタナ系サーフショップが独自に製作するオリジナル・サーフムービーをNobodySurfセレクトで紹介します。
なぜサーフショップ(販売店)がオリジナル映像をつくるのか?
企業やブランドが広告宣伝や広報活動のために映像を製作するのと同様に、オリジナル映像をつくるサーフショップが存在します。
お店で取り扱うサーフボードの販売促進を目的としたライディング映像や、ショップのブランディングを目的とした映像など。ただ単に商品を紹介するだけでなく、一つのブランドとしてのアイディンティティを盛り込みながら、提携する映像クリエイターと共に良質な映像作品をつくるサーフショップが世界各地に点在します。
今回はその中から、6つのサーフショップがつくるオリジナル・サーフムービーを紹介します。
001 Mollusk Surf Shop
オルタナ系サーフボードやロングボード、オリジナルのアパレルを取り扱うカリフォルニアのサーフショップ「Mollusk Surf Shop」。本店をサンフランシスコに構え、サンタバーバラとベニスビーチに支店を展開。カリフォルニアの北・中央・南を満遍なくカバー。お店のオリジナルアイテムのデザインや店の看板は、カリフォルニアを代表するトラディショナル・サインペインターとして知られるJeff Canham(ジェフ・カンハム)によるもの。
Mollusk Surf Shopからリリースされる映像は数も多く、どれも素晴らしいものばかりで絞るのが大変ですが、強烈なスタイルを放つグーフィーフッター2人が地元サンディエゴのレフトのポイントブレイクでおこなったセッションを収めた名作中の名作『Banjo Strings』をご紹介します。撮影・編集はMollusk Surf Shopのお抱えフィルマーである天才・Jack Coleman(ジャック・コールマン)。*彼の説明は長くなるのでまた別の機会に
■ 作品名:Banjo Strings - a film by Jack Coleman
■ 出演サーファー:ロブ・マチャド、ライアン・バーチ
■ クリエイター:ジャック・コールマン
002 Daydream Surf Shop
2016年にフリーサーファーのカイル・ケネリーと彼のパートナーであるレベッカ・エリスによってつくられた、カリフォルニア州コスタメサにあるサーフショップ『Daydream Surf Shop』。ヴィンテージアパレルやアートやレコード、ロング、オルタナ系のサーフボードなどを取り扱う、めちゃめちゃオシャレなお店。コーヒーショップも併設。
オリジナル短編映像シリーズ『Field Notes』を展開。2021年7月現在、パート11までリリースされており、そのうち4本にはオーナーのカイル本人も出演。同シリーズのクリエイターは、カリフォルニアのアンダーグラウンドシーンでメキメキと頭角を現すジョーダン・ミナルディ(a.k.a Untitled.Work)に加えて、 ここでも抱えられてしまっているジャック・コールマン師匠。
今回は、オーナーのカイルと、フリーサーファー兼シェイパーであるトロイ・エルモアのダブルパートをジョーダンが収めた『Field Notes 09』を選びました。
■ 作品名:Field Notes 09
■ 出演サーファー:トロイ・エルモア、カイル・ケネリー
■ クリエイター:ジョーダン・ミナルディ
003 Thalia Surf shop
今年(2021年)で設立20周年を迎えるオルタナ系老舗サーフショップ『Thalia Surf Shop』。西海岸で唯一のVansのパートナーショップであり、カリフォルニアを代表するリゾート地、ラグーナビーチのタリアストリートに店を構える。才能豊かな地元のシェイパーやアーティストを永くサポートし続けている南カリフォルニアの有名店。
このThaliaからは、2020年にリリースされたショートクリップ『In Purple Flowers』を選びました。地元のフリーサファー兼シェイパーのタイラー・ウォーレンと、スタイルが“クセ”でお馴染みのフリーサーファー、ジャスティン・アダムスによるツインフィッシュのノーリーシュセッションです。
■ 作品名:In Purple Flowers// Tyler Warren and Justin Adams
■ 出演サーファー:タイラー・ウォーレン、ジャスティン・アダムス
■ クリエイター:カクタススタジオ
004 YR - ワイアール -
プロロングボーダー・瀬筒雄太と、彼のパートナーであり同じくプロロングボーダーの瀬筒"Ryobay"良子の有名夫婦が、千葉県太東海岸に構えるサーフショップ『YR - ワイアール -』。
2009年からこの地に拠点にしていたが、結婚を機に2015年にYRとしてリニューアルオープン。ロングボードはもちろん、オルタナ系ショートボードでもスタイリッシュなライディングを魅せる二人は、むしろ海外での知名度の方が上なのかもしれない。(YRのnoteはこちら)
ここで紹介するオリジナル・サーフムービーは、2020年NobodySurfで最も再生された映像TOP10に入った『BREAKFAST / SURFSLOW』。
■ 作品名:BREAKFAST / SURFSLOW
■ 出演サーファー:瀬筒雄太
■ クリエイター:瀬筒雄太、Hideki Tsuruoka
005 Wild Things
オーストラリア・シドニーの小さなサーフショップ兼ショールームとしてスタートした『Wild Things』。Gato Heroiサーフボードの事業拡大に伴いバイロン・ベイへお引っ越し。ギャラリーやレンタルスペースも兼ねていて、アートショーやミュージシャンのライブイベントなど日々めちゃ楽しそうなことをやっています。
彼らのサポートするサーファーのカイ・エリス・フリントがGato Heroiサーフボードでバイロン・ベイのライトブレイクを疾走する作品『Kai Ellice-Flint riding CRÈME Californian』を紹介します。
■ 作品名:Kai Ellice-Flint riding CRÈME Californian
■ 出演サーファー:カイ・エリス・フリント
■ クリエイター:ジミー・ジャズ・ジェームス
006 Surfin Estate
2011年にビンセント・レマンソーとアーサー・ネリがつくったウェブジャーナルとしてスタートしたフランスの『Surfin Estate』。2015年にフランスのサーフィン中心地であるハセゴーにショップ兼ギャラリーをオープン。ハセゴー周りのオルタナ系サーフボード、カルチャーを牽引しているお店。(ブートものも結構やってるのがウケるw)
紹介する一作はビンセント・レマンソーがお店のオリジナルサーフボードを自らライディングし、アーサー・ネリが撮影編集を担当する『La minute Gainsboard』。
■ 作品名:La minute Gainsboard
■ 出演サーファー:ビンセント・レマンソー
■ クリエイター:アーサー・ネリ
今回は、カリフォルニア、オーストラリア、フランス、日本から6つのオルタナ系サーフショップをピックアップして、紹介してみました。この記事が面白かったよという方は、「サポート」ボタンから記事のオススメや、感想などコメントやツイートしてもらえると嬉しいです。
またオルタナ系のサーフィン映像をチェックしたい人は、NobodySurfの定番プレイリスト『Alternative』をチェックしてみてください。iOS/Android用の無料アプリでも毎日更新されています。