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小学生vs異常存在!~黒史郎『SCPハンター シャイガイを確保せよ!』

こんにちは、私は青星あおぼし明良あきらという者です。
あちこちの出版社の公募に小説を送ったり、いくつかの小説投稿サイトで活動している流浪の野生作家です。

読書も、先週はオカルト本、今週は歴史小説、来週は児童書といったように色んなジャンルを行ったり来たり。読書人としても放浪ぎみです。
そんな私の読書放浪記で、推しの本を推しまくっていこうというのが本連載『青星の読書放浪記』の目的です。

毎回、「たくさんの人にぜひとも読んでほしい‼️」と思う推しの本を推しまくっていく予定です。よかったら私の読書放浪にお付き合いくださいませm(_ _)m


今回オススメするのは、いま小学生の間で非常に人気な「SCP」を題材にした児童小説『SCPハンター シャイガイを確保せよ!』です。



作品と著者の紹介


黒史郎(作) 古澤あつし(絵)
『SCPハンター シャイガイを確保せよ!』(ポプラキミノベル)

SCP(エスシーピー)オブジェクト
それは、説明のつかない異常存在
それらを確保収容保護する
「SCP財団」の施設(しせつ)から、
なんと超キケンなシャイガイ
脱走してしまった!!!!!

特殊(とくしゅ)スキルをもつ
カケルたち3人は、
SCP財団から、
シャイガイ確保のミッション
依頼(いらい)されて!?

ポプラキミノベルHPのあらずじより

著者の黒史郎さんは、小説家であり、怪異蒐集家しゅうしゅうか
webムーにおいて、忘れ去られた妖怪を発掘する『妖怪補遺々々』という記事も連載しています。
ムー民(オカルト雑誌のムーを愛好する人のこと)である私は、この『妖怪補遺々々』をいつも楽しく拝読しています。

なので、完全に作者さん目当てで購入したので、SCP財団なる架空の秘密組織のことはこの作品を読むまではぜんぜん知りませんでした。

ただ、冒頭に紹介した通り、小学生の間ではいま大人気とのこと。
キミノベル公式Xのポストによると、なんと発売前に重版がかかっています。SCP財団を題材にした日本の児童向け小説はこれが初ということなので、小学生たちも大喜びで飛びついたのでしょうね。

では、大人が読んだら面白くないのかというと、いやいやそれは違います。

俺たちムー民が信じる黒史郎さんが書いた小説なのだから、大人が読んでも面白くないはずがない……!!(ムー民の謎の自信)

そもそも、児童小説は、読書好きの目の肥えたお子様たちを満足させるために作られています。総じてクオリティが高い作品が多いというのが私の個人的な印象。大人でも十二分に楽しめるエンタメ小説です。

では、ここから先は、『SCPハンター』の青星的推しポイントを紹介していきたいと思います。



スリリングな”異常存在”捕獲作戦


SCP財団の目的は、あらすじにもあるように、この世ならざる異常存在――SCPオブジェクトを確保・収容・保護すること。

そのSCPオブジェクトの中には、災害級の被害をもたらす超ヤバイ化け物もいます。
今回の捕獲ターゲットのシャイガイも、「自分の顔をほんのちょっとでも見た人間を地の果てまで追いかけて命を奪う」という理不尽な特性を持っています。(シャイガイのイラスト、めっちゃ恐いです)


恐ろしいシャイガイと対峙するのは、SCP財団のエージェントとなった小学生3人組……。

「そんな化け物を小学生が捕獲できるわけないじゃん!」

そう思うかも知れませんが、実はこの3人にもSCPオブジェクトに負けない(?)ぐらいすごい特殊能力があるのです。


カケル(小5男子)
スキル名は「アクセレート」。走れば走るほど速くなる! その能力のせいか、腹ペコになりやすい?

ヒナタ(小5女子)
スキル名は「キャンディ」。感情が高ぶると、触れたものはぐちゃぐちゃに溶かす。本当にぐっちゃぐちゃになる……!

アユム(小5男子)
スキル名は「イレーサー」。右手で触れたものの情報を、左手で触れた生物の記憶から消す。秘密組織の活動には欠かせないであろう能力。



ヒロインのヒナタちゃんの特殊能力が何気にえげつないんですよね。
感情が高ぶったら、手で触れたものを溶かしちゃうなんて……。
主役3人の中で一番私生活に支障がありそうでは?
将来、誰かとおデートをする時どうするのでしょうか。手をつないだらドキドキして彼氏の手をぐちゃぐちゃにするんじゃ……と余計な心配をしてしまいます😅


何はともあれ、主役である小学生3人組が自分たちのスキルと知恵を駆使して、世界を滅ぼしかねないシャイガイの捕獲に挑むわけなのです。

エージェントになって最初の作戦にしては超ハードモード、命の危機がいっぱい!

他の厄介なSCPオブジェクトも予期せぬかたちで作戦にからんできて、カケル君たちを大いに苦しめます。

シャイガイとの最終決戦は、スピーディーかつスリリング‼️

SCPオブジェクトたちの特徴を逆手に取った作戦が手に汗握る面白さでした。

大人の私が興奮したのだから、小学生が読んだら絶対に興奮すること間違いありません(≧∇≦)b



古澤あつしさんのイラストも素晴らしい


挿絵を担当した古澤あつしさんのカッコイイ&可愛い&不気味なイラストがいっぱいなのも本書の重要な魅力ポイントです。

個人的には、カケル君がヒナタちゃんをお姫様抱っこして助ける場面がイラスト化されているのがGOOD!

アクセレートを発動させて疾走するカケル君の挿絵もカッコイイし、ヒナタちゃんはどの場面も可愛い。
そして、シャイガイは夢に出てきそうなほど恐い……😱

色んな絵を描けるイラストレーターさんってすごいですね✨️✨️



個性が光る主人公たち(特にヒナタちゃん)


また、読んでいて感じたのが、主役3人の個性が光っていること。そのおかげで感情移入しやすく、一気読みしてしまいました。

ヒーローに憧れるカケル君は、ピンチの時に肝が据わるところがカッコイイ。
幼馴染のヒナタちゃんがピンチの時には自然とお姫様抱っこして助けるし、彼女の微妙な表情の変化を察して心配するところとか、絶対に将来頼れる男になりますよねぇ~。


ヒナタちゃんは3人の中でも個性が特に際立っていたような気がします。
目立ちたがりでファッションセンスが独特。好奇心も旺盛。
……だけど実は恐がりでテンパりやすい。
属性てんこもりで物語を明るくするヒロインです。
終盤ではすごい勇気を出したし、夢のために自分を磨こうとしているところが応援したくなリますね😊



アユム君は、よくある嫌味なクールキャラかと思ったら、意外とロマンチックな夢があってギャップ萌え(?)してしまいました。
SCP財団の指示役であるツルギを尊敬しているみたいですが、アユム君がツルギを慕うにいたったエピソードが今後明らかになるのかも気になるところです。



まだまだ謎が残っているので続きが気になる!


めちゃんこ面白かったので長く続くシリーズになってほしいと思います。

「自分たちもいつか異常存在としてSCP財団に収容されるのでは?」というヒナタちゃんの不安は果たして杞憂きゆうなのか。

ツルギ以外の職員が主人公たちに冷淡(?)なのは気のせいなのか……。

などなど気になる謎が沢山あるんですよね。

早く続刊プリーズ‼️‼️‼️‼️‼️‼️



今回の読書放浪は、ここまでです。
最後までご覧いただき、ありがとうございます
この記事を読んで本作に興味をもってくれた方は、子供も大人も楽しめる作品なのでぜひぜひ手にとって読んでみてくださいね✨️✨️✨️

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青星明良
最後までお読みいただき、誠にありがとうございます。この記事が少しでもお役に立ったり、お楽しみいただけたのならば、とても嬉しく思います。今後も面白い記事を投稿できるようにがんばります。よろしければ応援お願いいたします。