水彩で綴る 「 chosuichi 」
「 chosuichi 」
都会の中に、沼なんてないと思っていた。
散歩の途中に見る貯水池は、池というよりどこか沼の気配で
薄暗い木立の中にひっそりと在る。
淀んで深さもわからない。
薄曇りの平たい光を、金属のような鈍い色で受け止める。
或る晴れた朝、深い緑色の水面が蒼い空と木立の姿を映し出すのを見た。
頭上の空とは別のスクリーンが、哀し気なトーンで横たわる。
底へ底へと誘われるような濃い蒼色と
晴れた朝の光る水色が溶けて出来た色。
沼でなければ何と呼ぼう。
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散歩の途中にある、貯水池を描いたものです。
初夏になれば周りの木々が鬱蒼として、水が重たく光って
何か物言いたげな、そんな場所。