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医師と僧侶のカケコミ相談室 第26回 生きづらさの原因は、窮屈な思考と習慣


脳神経外科医の道下将太郎と、京都「両足院」副住職の伊藤東凌が、みなさんからのお悩み・質問・疑問へ回答する「医師と僧侶のカケコミ相談室」。
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12月、1年最後の1ヶ月を迎えました。仕事納めや大掃除へ向けて慌ただしい日々を送っている方も多いでしょう。忘年会などの会合も増えるときですね。カケコミ相談室を運営するInTripチームは、普段はオンラインでミーティングをしています。東凌さん、将太郎さん、InTrip代表の成瀬さん、皆さんマルチワーカーで移動も多いため、リアルで集まることは稀です。

そんなチームが、先日京都でリアルミーティングをしてきました。今後の方向性、医師と僧侶が情熱をもって伝えたいことは何なのか…。楽しくも熱い議論の末新たな方向性が見えてきました。カケコミ相談室も伝え方、内容などリニューアルしていく予定なので、方針が固まり次第お伝えさせてください。東凌さん、将太郎さんの持ち味がより活きて、参加してくださる皆さんに更なる気付きやヒントをお伝えできるコンテンツにするべく、精進して参ります。

生と死の専門家お2人、鴨川で撮影中の1コマ

ミーティング後は東凌さんの本拠地「両足院」へお伺いし、現在開催中の展覧会「Please forget (everything)-チャールズリンゼイ展」を見学してきました。お寺の伝統と静寂の中に現れた摩訶不思議空間。最新AI、禅の世界観、現代日本文化が混じり合い、アーティスト独自の視点で表現されています。アートに造詣が深くない私ですが、何ですかこれ?面白い!と引き込まれ、最後は心がぽっかり空っぽになってふわふわ浮かんでいくような感覚になりました。2024年12月13日までの会期なので、足を運べる方はぜひ行ってみてください。

チェーンソーのオレンジ色は神社の鳥居からインスピレーションを得たとか。会場にいらした作者のチャールズさんにお話を伺うことができました

今週のQ&Aでは、現代社会を生きるために大切な視点、価値観についてお伝えしています。変化のスピードが速い社会、視点を常にアップデートすることが大事だとしみじみ感じます。


Q1 カッとなると手を上げる父親、電車で痴漢をしてきたサラリーマン、自分勝手な言動ばかりの男子同級生。幼いころから、男性に対する不信感、怒りがずっとあります。重い感情は手放したいのですが、どうしたらいいのか分かりません。

Q2 50歳を目前に集中力散漫になっており、何かをしている途中で別のことが気になって動き出したりしてしまいます。集中力を高める方法を知りたいです。

Q3 仕事や家族と過ごす時間の合間を縫って英語と資格の勉強をしています。医師免許を取るまでには相当勉強されたと思いますが、効率の良い勉強方法、これは成果が出たというやり方があれば教えて頂きたいです。

Q4 家の新築を予定していますが、シックハウス、ヒートショックなど健康についての情報がいろいろあり、どこまで気にしていいのか分かりません。医師としてアドバイスがあればお願いします。


Q1 
カッとなると手を上げる父親、電車で痴漢をしてきたサラリーマン、自分勝手な言動ばかりの男子同級生。幼いころから、男性に対する不信感、怒りがずっとあります。重い感情は手放したいのですが、どうしたらいいのか分かりません。

A1
「その感情は個人の問題ではなく、社会システムのせいです」東凌

男性へ対する不信感や怒りを手放したいということですが、相談者さんが抱えている感情はおかしなものではなく、男性の私も共感できます。たくさん嫌な思いをされてきたのでしょう。

相談者さんがそんな感情を手放したいと考えることは、前向きで素晴らしいのですが、手放せない自分がダメだとか、早く手放さないと幸せになれないなどと考える必要はありません。男性への不信感や怒りは相談者さんのせいではなく、これまで続いてきた男性優位のカルチャ―、社会の価値観やシステムに大きな原因があります。今はそんな不要な文化、習慣が変化している過渡期にあり、まだまだ女性にとって生きづらさがありますが、確実に変わってきています。

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