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医師と僧侶のカケコミ相談室 第30回 心を保つには、自分7割相手3割 

脳神経外科医の道下将太郎と、京都「両足院」副住職の伊藤東凌が、みなさんからのお悩み・質問・疑問へ回答する「医師と僧侶のカケコミ相談室」。
カケコミをはじめた経緯、無料公開のQ&Aはこちらです!

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします!

みなさんはどんな年末年始を過ごしたでしょうか。私は定番の食べ正月。義母が用意してくれるごちそうをいただき、親戚たちとワイワイ幸せな時間を過ごしました。食べ過ぎた分を消化すべく元旦に10キロ走も。走ることはもう習慣ですが、今年は70キロ走、夜通し走るナイトトレイルランなど新たな挑戦も予定しているので、今からワクワクしています!

そして今年の目標は、「新しいことを始める!」です。漠然としていますね(笑)。何をはじめるか決めていないのですが、やったことのない分野、自分には縁が無さそうだと思っていたことをやってみたい。知らない世界を少しずつ広げていくのは楽しいですね。

東凌さんと将太郎さんの発信を見ていると、新しいことをはじめる、挑戦をするというのが日常のようです。それは、2人の死生観にも関係しているのかもしれません。私たちは誰もが死に向かっていますが、死を意識したり、明日死ぬかもしれないとリアルに思って生きるのは難しいもの。

けれど、医師と僧侶という死が日常にある2人は、死をゴールと捉えてそこから逆算して今を生きています。それができると、新しい一歩や挑戦が軽やかにできるようになるようです。なぜそうなるのかは、今後お伝えしてきたいと思います!

今週のQ&Aにも、今を生ききるためのヒントと視点があふれています。新年の目標を立てる参考になるお話も。どうぞお楽しみください!


Q 仕事もプライベートも、目標を立てて数値達成を目指すことに疲れぎみです。思うような成果も出ていません。今年は目標よりも楽しいこと、感性を豊かにすることを優先したい気持ちですが、やはり目標を持つことは必要なのでしょうか

Q フリーランスライターです。私は地元に密着した仕事をしたいのですが、ある大御所デザイナーから、それは視野が狭すぎると言われました。地元に密着した働き方では、いい仕事はできないのでしょうか

Q 夫とお金のことで言い争いが絶えません。自分は好きにビールやタバコを買ってくるのに、私と子どもたちにはエアコンの温度設定が高いとお金がかかると文句を言い、お惣菜を買うのは無駄遣いだからお前が作れと命令してきます。子どもの手が離れたら離婚しようかと思い悩んでいます。

Q 医師をしていると患者さんの死などショックな出来事も多いと思いますが、つらいときの立ち直り方を知りたいです。それとも心が強いとあまり落ち込むことは無いのでしょうか。


Q1 
仕事もプライベートも、目標を立てて数値達成を目指すことに疲れぎみです。思うような成果も出ていません。今年は目標よりも楽しいこと、感性を豊かにすることを優先したい気持ちですが、やはり目標を持つことは必要なのでしょうか

A1
「目標へ向かっているときこそ、感性を育むチャンス」東凌

目標を追うことに疲れたので、楽しみや感性優位で過ごしたいということですが、相談者さんは目標を追うと感性がおろそかになり、感性優位だと目標達成できないと感じているのでしょうか。

けれど、この2つはトレードオフの関係ではなく、両立できます。むしろ私は、目標へ向けて努力しているときこそ、感性を研ぎ澄ますチャンスだと考えています。いい仕事をするために周囲へ気配りをしたり、新しいアイデア出しなどをすれば、感性が育まれていきます。反対に感性を使わず数字だけを追っていて、望む結果を出すのは難しいでしょう。

例えば、マラソン大会で記録更新を狙っているときは、数値目標を設定して練習しますが、同時に景色を楽しんだり、合間においしい食事でエネルギー補給をして満たされる時間も必要です。目標に向かってシビアな努力をしながら、感性と身体感覚を研ぎ澄ますことで、いい結果がついてきます。

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