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旦那が亡くなった日
その日はとても暑い日だった。
私は日中パートの仕事で旦那は夜趣味のサッカーの試合だった。入れ替わるように私が自宅に帰り、旦那は嬉しそうな顔でユニホームに着替えていた。サッカーチームに入り熱心に参加していた。
夜9時頃旦那の携帯から私の携帯に電話がありそれはサッカー仲間の奥さんからの電話で、旦那が試合中に倒れて救急搬送された、連絡だった。この時長女は旅行中、次女と病院に向かう。家族に電話して皆んな集まった。
先生からの説明で意識なくくも膜下出血であり、手術はできない。
病室で二人。夜中心電図が乱れ看護師が来た。先生を呼びますねと。
私は旦那にキスをした。
さよならのキスだった。
もし自分が先に死ぬならキスをして送ってほしいと思っていた。まさかこんな日が来て私が旦那を見送る為にするなんて思っていなかった。混乱する中、最後はキスがいい、それだけはすることが出来た。
私は葬儀の事も仏教での死後の捉え方もなにもわからなかった。あまりにも無知だった。実家は神道で神主さんに葬儀をして貰う、お寺でする葬儀とはまったく違うのだ。
ただキリストの教えでは死後無になるが、仏教では輪廻転生がある、果たして私達はどうなるのか知りたかった。
葬儀になり旦那の妹さんが葬儀屋勤務しており来て教えてくれた。本当に助かった。
葬儀が終わってからも、この妹さんが昨夜夢を見て、旦那が豚の生姜焼きを食べたがっているからと持参して供えてくれた。また別の日にミートソースみたいなパスタを食べたいと言っていると持参して供えてくれた。ミートソースみたいなんたけどなんか違うんだよね、と話す。このミートソースは何なのか、同じ頃旦那が可愛がっていた姪っ子が、「夢に出てきたよ。手にはミートソース持っていたよ。ミートソース持って立っていたよ。」話してくれた。またミートソースだ。私の得意料理ではないし、なんだろうと考えていた時、大切な思い出を思い出した。
亡くなる数日前、デニーズに行き家族で食事をしたこの時旦那が注文した品が、マルゲリータパスタだった。色はミートソースに似ている感じだ。野菜がゴロゴロ入っているパスタを美味しいぞと、娘達に分けて食べさせ、自分は満腹にならないのではないかと
心配した思い出が、ある。皆んなで美味しいねと食べた最後の外食の思い出だ。
だから旦那はそのデニーズのマルゲリータパスタを持ち妹や姪っ子の夢枕に立ち、必死に訴えたんだ。楽しい思い出だったよと。
生姜焼きもミートソースも好きだからなと妹さんはすごいなと感心していた。私は自然に死後魂になり旦那は思いを、霊力のある家族に伝える事が出来るとその世界の考え方を受け入れていた。当時私はまだ無力で旦那の思いを、聞く力はなかった。
亡くなって2週間経過したころ、受験生だった長女と言い争いになった。私も長女も生きるのが辛かった。私はなんで私が生き残り旦那が、死んでしまったのか、私が死んだら良かったのに、と思っていたし売り言葉に買い言葉で、心にないことを言った。
その二人しか知らない争いを旦那の家族が気づいて(旦那が実家に話に言った。)何日の日に旦那が、来て金縛りになり寝れなかった、なんかあったかな?旦那がなにか言っているけどわからなくてと妹は話す。
バレるはずない話がバレる、日付まで知っている、そんな事が、度々あった。私は魂の存在を、信用するようになった。霊力があると家の中のことも分かるんだなと怖くなった。
死んでしまったけど、魂の旦那が見守ってくれていると分かることが出来た。
当時、とにかく家なりが酷かった。壊れそうなほど家なりがした。木がきしんだ。
次第に家なりが私の声に返事するように軋むようになった。旦那が、私を励ますように
家なりをおこしながらなにか言っていると、信じて疑わなかった。特に寝室で洗濯をたたむとき会話のように家なりがした。激しい家なりは何年か続き、次第に無くなった。
だからやっぱり家が壊れたんではなく、旦那が「ここに居るよ、」伝える手段として家の木がきしむ現象が起きたと考えられる。
私が話かけると家が返事するように音を出してきしむ、はじめはこんな感じてコミニケーションを取り始めた。