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書籍『楽しいの作り方』#14 立ち位置一つで”楽しい”が変わる⁉

#13からの続きです。

僕が作る遊び場の目指す画は、基本的にはみんなが公園で自由に遊んでいるという姿です。だから、子どもに限定していないからこそ子供と遊んであげ過ぎないようにスタッフも振る舞います。

そして、来場者が自由に”自分たちで”遊んでいるのが理想なので、干渉しすぎないように心掛けます。ある程度やり方を教えて自分が暇なら何か遊びもので遊んでる。そんなスタンスでいいんです。

僕はスタッフに「あまり働き過ぎるな!遊べ!」と言うので一見すると、かなりテキトーに現場を運営しているように勘違いする人がいますが、実際は真逆で、”気遣い”という非常に曖昧なものが軸になるのでその都度軌道修正が必要で、現場ではメッチャ細かいことをお願いしたりもします。

例えば、モルックの体験をする時の自分が立つ位置について。

普通はルールを説明して、木の棒を投げさせるので、投げた先に立ってることが多いです。

右端の僕が立ってる位置が棒を投げた先

しかし、この位置に立つと投げた後の棒は僕が拾うことになります。そうすると参加者は棒を持ってきてもらって、手渡して貰って、また投げるだけです。もちろん倒れたピン(スキットルといいます)を起こすのも僕がします。参加者は完全にお客さんですね。

これがモルック体験ブースだったらまだいいでしょう。(体験ブースだとしても楽しさは半減するけど)でも、遊び場はコンセプトが違いましたよね。あくまで自分で自由に遊ぶ場です。だから、スタッフが立つ位置は「投げる人の後ろぐらいにした方がイイ」と伝えます。

投げた後に参加者と一緒に取りに行って、一緒に倒れたピンを起こして、こんな感じでするんだよというのを伝えて、その後は見守るか去る方がいいんです。

赤枠がスタッフ。後ろに立って見守りの姿勢を貫く

上の写真はあるイベントの一幕。この時は、投げる系のスポーツのブースが三つ並んでしました。写真を見るとスタッフの大学生は投げ手の子どもの後ろに立っています。そのおかげで子どもたちは自分で投げたものを走って自分で取りに行きます。子どもはこれが楽しんです。

ジッと立っていて渡されたものを投げるだけより、投げて走ってしゃがんで拾って戻って投げて・・・とやることがたくさんある方が子どもは楽しいんです。僕たちが思っている以上に”楽しい”という要素は色んなところから生まれます。子どもは特にともかく動き回ったり、なんかわちゃわちゃなってるのが大好きです。だからこの形の方が楽しいポイントが確実に増えます。

親子でする時も一緒です。どちらかが投げてどちらかが取ってあげる。これがコミュニケーションです。こうやって自然とコミュニケーションを取ってしまわないといけないからスポーツは、遊びは楽しいし、それにより仲も深まるはずです。

こんな感じで、ただスタッフの立つ位置がちょっと変わるだけで、参加者の動きが大きく変わります。もちろんどこに立ってようが口で言えばいいのはそのとおりです。でも言いにくいじゃないですか。自分の足元に落ちてるボールを投げた人に「はい取りに来て―!」と言えますか?「投げた棒は自分で取りに行ってくださいね」と言うと何だか角が立ちそうじゃないですか?

それを立つ位置一つで変えれるならその方がいいです。その方がさりげないです。写真に写る2人の大学生スタッフは僕の遊び場でこれまで何度も一緒に仕事をしてくれた子です。だからこの時もいい具合の位置に立って、さりげなく見守りスタンスを取ってます。

もしかすると「そんな細かいこと言うのも言われるのも考えるのも嫌だ!」と思う人もいるかもしれません。僕だって出来れば言いたくないし言われなくないので、もちろん言い方はメッチャ気を遣います。でもやっぱりこの細かいことが”楽しい”を作ろうと思った時には大事なことです。

この本は徹底的に”楽しいを作る”ということを誰でも再現性持ってやれるようになることを目指してます。そのためには徹底的に”楽しい”が起こる原理を解き明かして言語化する必要があります。

この本を読み終えたころには、アナタもきっと”楽しいを作る脳のスイッチ”が入ってるはずです。これからさらに他の事例も紹介していきますのでぜひお付き合いください。

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原田 光
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