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【詩】 「真っ暗闇の駐車場が深々と白くなっても」

「真っ暗闇の駐車場が深々と白くなっても」

薄っすらと
白くなっていく
真っ暗な駐車場

静かな運転席と助手席の間には
繋ぐ手だけが
お互いに許された
会話の接点

後ろの展望台には
もう誰もいない
夜景さえも無口に
沈んでいく

きみの帰りを待ち
明日の予定を
楽しみに準備する光景が
窓ガラスに

途方に暮れている間に
フロントガラスも粉雪で
薄っすらと白くなり始め
首元の襟を握り締める

もう行くの
一言さえ言い出せず
握り締める薬指と

#詩

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