見出し画像

熊に会ったはなし(その2)

8月17日の朝8時頃


移住体験施設の清掃に向かっていた時のこと


針の木と呼ばれる地区を抜ける道中


ここは緑の村と呼ばれる別荘地と高速に近い


高速道路周りは騒音のためか住居も少ない


手付かずの山林が多いのだ


7月過ぎたあたりから熊の出没情報も多かった


でもそんな事はあまり気にも留めていなかった


今は午後から来る大学生達のために準備を急がねば


そんな時、高速道路の高架を抜けた先


左側の道路の脇から黒いモノが見えた


動いている

道路の状況を左右確認しているようだった



真横を通り抜ける頃には熊だとわかった


急いで車を脇に停め、スマホを構える


多分対処としては大間違いだったけど


車がすぐ側にある安心感から恐怖はなかった


熊は車が来てない事を確認すると道路に出た



最初に見た熊よりかは小さいな


と思っていたのも束の間



子熊が出てきた

感想は可愛いだった

母熊がそそくさと道を横断するのを必死に追いかける


ぽてぽてしてて可愛い


10秒も経たない内に2頭は反対側の茂みに消えた



なんともホッコリした気分だった


でもここは居住地にも近い


役場のメンバーにもすぐ相談、連絡


とりあえずこの場はこれでOK


駆除されるんだろうか


かわいそうと思う気持ちがないと言えば嘘になる


でも人間が手を入れた自然に対し、何もしない事


それが1番かわいそうだと思う


人間の手が入っていない自然は日本にはもうほとんどない


であれば駆除も維持も人間の責務であると僕は思う


僕の夢は猟師になって、食肉加工場をつくり


信濃町に新たなグルメを生み出すこと


あくまで最初は信濃町に肉系のグルメがない事に僕のちょっとした夢を組み込んだものだった


でも、熊駆除に対する批判の声などを聞くうちに


責務についても考えるようになった


グルメの力を借りて世間に想いが届けられたら


僕は今はそんなふうに考えている


のびた

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?