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ゲムマ2024秋 ブリッゲンダイス②
前回の記事ではゲームの製作について、思いつきから完成までを書き記しました。
さて今回は、ゲムマにおいて作者がどうしても向き合わねばならない作業、宣伝から当日の流れについて書き記そうと思います。
カタログに載せる
まず、今回のゲームマーケット2024秋について、個人ボードおよびパッケージデザインが固まったのが10月下旬頃、入稿やらチャック袋を買ったりダイスを買ったりして、ゲームそのものの材料がそろったのは本番の約3週間前です。そこから丁合などを行っていると結構ギリギリですね。
一方、ゲームマーケット事務局からの出展連絡があったのが6月。カタログに載せるブースカット提出が8月下旬です。
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ということは、下手すりゃゲームの内容すら固まってない中でカタログに載せるブースカットを提出せねばなりません。一度ゲムマのカタログを見たことがある方にはわかっていただけるかと思いますが、ゲームマーケットのカタログは凄い濃密な情報の洪水がページを捲るたびに押し寄せてきます。何を載せるべきでしょうか。
しょっぱいゲームズにおいては、この段階ではゲーム内容はある程度固まっていたものの、個人ボードやらパッケージのイメージも出来てないため、仕方なしに作者である塩が峰崎まめこさんのiPadを借りて、帽子をかぶった謎のおじさんを描き、それに装飾や加工をしてもらって、必要最低限のキャッチコピーを付けて提出する、という状態でした。ちなみにこのおじさんはゲーム的には全く関係なくなりました。
さて、テストプレイを繰り返すうちにゲーム内容は完成に向かって固まっていきます。確か9月上旬ごろだったと思いますがSNSでの宣伝を行う段階だと思い、宣伝を始めました。
乱立するSNS
まずは一番自分が利用しているX(旧Twitter)での宣伝を開始しました。
これは良いのか悪いのか自分でも分かりませんが、まずテストプレイ段階で「ゲムマで新作が出ます」とポストしました。画像も当然テストプレイ用のモックです。で、個人ボードが出来たら個人ボードを掲載して改めて「新作が出ます」、パッケージが出来上がってまた「新作が出ます」…3回くらいは画像を変えてポストしたでしょうか。パッケージ画像や個人ボードが完成してからポストするべきだったのか、今思い返してもわかりません。しかし確実に焦っていました。「他のゲームの情報があふれ出てくる前に出さないと!」という焦りです。
![](https://assets.st-note.com/img/1732147169-MNIrZ4eAiqkG8Pzo5LxwKXVs.png?width=1200)
そして最近はSNSも色々と種類があります。「TwitterからBlueskyに移行した」なんて方もちらほら見かけていたので、今回Xだけでなく、BlueskyやThreadsでも同様の宣伝を行ってみました。
ところで宣伝について過去の失敗といえば知人に「ゲムマの時期だけは塩をミュートしている。宣伝のリポストでうんざりする」と言われてしまったことがありました。熱心とウザいは紙一重ではありますが、うんざりさせては元も子もないですね。
さて、早めにSNSのポスト・リポストで宣伝を始め、上述のように個人ボードやパッケージが出来上がるたびに度々ポストを行っていましたが、11月頭位にはいいねなどの反応がほぼ無くなりました。
誰かから聞いた話ですが、情報というのはは水面に落とした波紋のように広がるそうです。これは、塩から発信したブリッゲンダイスの情報は渡りきったということだろう。と考えました。
ということは、別の波紋を起こすチャンネルを増やす必要があります。
その他の宣伝チャンネル
次にYouTubeやネットラジオでの宣伝について。これはかなり私の主観が入るのですが、基本的にボードゲームのYouTubeチャンネルについては、YouTuberの方がカタログなどを見て自分たちのスタイルとマッチすると判断頂き「注目作」といって認めて取り上げて「いただく」事になります。つまりイニシアチブはYouTuberの方にあるので、ゲーム内容によってはそりゃ箸にも棒にもかからないよね、といった事態も普通にあります。私はYouTuberでは無いのでこれも私の主観になりますが、コミュニケーション要素が強くカタログやタイトルである程度ゲーム内容と盛り上がるポイントが想像できるものが取り上げられやすいのかなと推測しています。
当然、ゲーマーの方がやってるYouTubeであれば、そういう方が気になる要素(ゲーム内容など)がカタログに有ると取り上げてもらえるのかもしれません。
例外としては締め切りまでにゲームを登録すれば全部紹介してくれる、というチャンネルの方もおられましたが、かなり希少な存在な気がします。ブリッゲンダイスについては、全部紹介するチャンネルと、たまたま取り上げていただいたパターンの2通りがありましたが、後者については全く想定していなかったのでラッキーだったと思います。
たまたまですが、自分は羊が丘という名のボドゲラジオをやっており、そこで自分のゲームを紹介するという手法も取ることができました。
自分で言うのも悲しいですが、ラジオについてはほぼ自分一人でやっていて、センセーショナルな話題も敢えて取り上げない様にしているため、突然自分の制作したゲームについて喋っても、そんなものは期待されてないだろうと考えていました。しかし当日のブースでは「ラジオを聴いた」という反応を思ったより頂けたのは、本当に嬉しかったです。
影響力のぶつけ合い
ここまでが前日に行った宣伝活動になります。趣味で作っているとはいえゲーム制作とは全く別ベクトルの活動であるため、かなりしんどい…というか宣伝活動って誰か声の大きい人の「影響力」をぶつけ合うイメージがあり、自分でリアクションがコントロール出来ないのがキツい印象でした。
半ば妬みみたいな事ですが、名作を安定的に制作しゲームデザイナーとしての影響力を持っている方ならおそらくこのあたりは何もしなくても自然と話題になると思いますが、それ以外の大多数のゲームデザイナーは誰か「声の大きい人」の影響力に頼らざるを得ません。逆に声の大きい人(私はフォロイー気質の人と呼んでいます)は、既に大きな影響力を持った状態から宣伝活動をスタート出来るので、この部分が羨ましい限りです。売れっ子タレントの方がアパレルや飲食店を始めるようなイメージでしょうか。しかしコレばっかりは生まれ持った気質による部分が大きいので、私は諦めています。
当日の話
ここからは当日の話です。今回は新しい試みとして「このゲームを何で知った?」というアンケートを取りました。これも愚痴になるのですが、ゲームマーケットが終わったくらいになると「出展者だが、売れなかった」とか「業界人だが、ゲームはこうやって宣伝して売るべきだ」といった話が毎回乱立します。しかしどちらも、数字を使って結果や効果を指し示していないのです。つまり主観や印象による論争になっている訳ですね。私はこの類の論争が大嫌いです。そのため今回自分が自分の意見をきちんと数字を根拠として持ち、かつ自分が行った宣伝の効果を明らかにすべく、アンケートを取ることにしました。
その結果がこちらです。
![](https://assets.st-note.com/img/1732146741-Oyr9GeiqlVhUujxkKpXCBo0m.jpg?width=1200)
事前の宣伝については、やはりSNSが多かったですね。しかしゲムマカタログを見てきた方もかなり多く、ブースカットを出す段階で目立たないといけないのか、と衝撃を受けた覚えがあります。
私は試遊イベントには参加していないので、もし参加していたらどうなっていたかは気になるところであります。
では、ここからは当日の時間経過とともにどのような傾向があったかを記そうと思います。
11時〜13時頃までは「X(旧Twitter)で見た」という方が非常に多く、特に何も呼び込みをしなくても立ち止まって頂ける印象でした。
そこからは一気に流れが鈍化し、声かけをして立ち止まってくれる方にルールを説明するという展開になりました。また来場者の方からも「どんなゲームですか?」と問いかけがあり、ルールや内容を聞いて納得してから買うか決める。といったやりとりが一気に増えた印象があります。これが体力的には中々大変で、わかりやすく喉がガラガラになります。
人の流れは鈍化する一方でしたが、15時半過ぎ、Xで残り17個です。とポストしたところ、「売り切れるかと思って来た」という方が何名か居りました。こういうのでも駆け込み需要ってあるんですね。
16時半〜17時頃になると、前を歩いているのは出展者だけなんじゃないか、という状況になりました。結局89個持っていって2個残ったという形で終わりました。事前に設定した目標は達成してはいましたが2個とはいえ、完売とはならなかったわけです。これも広い意味になると思うのですが「完売した」というだけでも宣伝になると思うんですよね。完売した後で宣伝っていうのも、なんとも不思議ですが。
継続的に出展している方とか、最近はBOOTH等を利用した通販を行っている方も多いので、そういう方には「大好評につき完売した〜」という看板を掲げられて有利に働くかもしれません。ただ買う側としては「完売」といっても、そもそもいくつ持っていっての結果なのか分からないので、通販や次回作を買う際には注意が必要ですよね。
こんな感じで、私のゲームマーケット2024秋は終わりました。次回があるかは分かりませんが、そのときは。
しかしながら、しょせん男一人が訥々とボードゲームについてしゃべるラジオなので、聴く方も限られます。