エチュードをハクスラしながらリバースカードをオープンしたりセットしたりしていたらストーリーが出来るというお話
自分がお話を作るときの流れや、「これが自分なりのプロットというものなのでは?」というところがなんとなく見えてきたので、輪郭を持たせるための備忘録みたいなお話です。
何て?
「エチュードをハクスラしながらリバースカードをオープンしたりセットしたりしていたらストーリーが出来る」です。
りぴーとあふたみー。
背景
まず自分はガチガチのプロッター(※)なので、しっかりと物語の流れや話したい内容など、いわゆるプロットが固まってないと話を書き始められないタイプであると自負しています。
(※:物語を書き始める前に下準備としてシーン展開などを練り込むタイプの書き方。対してとりあえず書きながら設定を考えたり展開を自分でも楽しむタイプの書き方をパンツァーという、らしい)
で、「プロットの書き方を教えてほしい」と言われても実際に自分がどうやってプロットを書いているのかいまいちピンと来ていない状態でした。
というか、「なんかこう……適当にシーンを浮かべて……話したい内容を整理しつつ……いい感じに浮かんだセリフを差し込んで……」とかいう感じでした。これ自体は整理しても多分こうなると思う。
そんな中、ここ最近お話を数本考えたり書いたりしていく中で「もしかして体系的にするとあれがこうなってこうなるし、その前のこの部分を切り出せばこうなるということでは??」というのが見えてきた、という話です。
ちゃんとしたタイトルにするなら
本記事の内容はつまるところ「のび男流プロットの書き方」ないし「のび男が作品を作り上げるまでの流れ」です。
のび男が作品を作り上げるまでの流れ
さて、その流れですが、だいたい以下の通りです。
書きたいテーマやキーワード、いわゆる「核」を決める
それを書くために必要と思われるシーンやキャラクター設定を簡単に用意する
エチュードをハクスラしながらリバースカードをオープンしたりセットしたりする
ある程度情報がまとまったら本編を書く
1.書きたいテーマやキーワード、いわゆる「核」を決める
まず作品の核となる何かを用意します。
核は「こんなシーンを書きたい」とか「こんなセリフを言わせたい」とか「こんなキャラを動かしたい」とか「こういうテーマ(キーワード)で話を書きたい」とかそういうものです。
過去の記事でも似たような話をしたので、そちらもご参照ください。
2.それを書くために必要なシーンやキャラ設定を簡単に用意する
キャラクターが浮かんだら、そのキャラを動かしたいシーンについて。
シーンが浮かんだら、そのシーンになるために必要なキャラについて。
そのほか諸々をざっくり簡単に決めます。
シーンについては、「起こしたいイベント」「開示したい情報」を1行で端的に説明する形で用意していきます。
AとBが出会う
Aの◯◯という過去がBに明らかになる
BとCが戦闘する
みたいな形で。
ここでは可能な限り「そのイベントに対するキャラクターの反応」はイベントとして記載しないようにします。「Bが激昂する」とかは極力書かない、という話です。あくまでそこで発生するイベント、開示される情報について端的に用意するようにします。
合わせて、可能であればそのイベントが「どういう場所(シーン)で」「どのキャラクターがいる状態で」を簡単に設定できれば後々楽です。
キャラクター設定のほうは、ここでは昔に小学生女子の間で流行っていたと思う自己紹介シートみたいな程度で良いと思います。
「私の名前は__って言います。年齢は__歳ぐらいで、[おとこ / おんな]のこ! 仕事は__をしていて、普段の性格は__だけど、__のときには__になります」が埋まればまあ良いのかな、と。
3.エチュードをハクスラしながらリバースカードをオープンしたりセットしたりする
ここまで用意できたら、早速エチュードをハクスラしながらリバースカードをオープンしたりセットしたりしていきましょう。
いや何するの? って話ですが。
エチュードやハクスラは一般の使われ方と大差ありません。
エチュードは演劇用語の方で「即興劇」とも呼ばれ、簡単に言うなら台本なしで即興で演技を行うものです。
ハクスラはゲーム用語で「ハック&スラッシュ」というもので、ダンジョンに何回も潜りながらアイテムを収集し、自身を強化しながらさらにダンジョンの奥深くに進むタイプのゲームです。初期装備は弱くてダンジョンの浅い層までしか潜れなくても、そこで手に入れた装備を持ち帰って自身を強化し、さらにダンジョンの奥深くへ潜り、さらにそこで手に入れた装備を持ち帰って強化し……というものになります。
さて、「リバースカード」について何を示しているかということになります。
ここで言う「リバースカード」とは、
「2.で用意した『端的に説明したシーン』の数々」です。
なので、「リバースカードをオープンしたりセットしたりする」とは、
先ほど考えた設定をシーン内で開示したり、流れで新たに発生した、あるいは必要となる情報を追加したりする、ということになります。
これらをまとめ、「エチュードをハクスラしながらリバースカードをオープンしたりセットしたりする」を言い換えると、
用意したキャラクター設定を指定したシーン上に配置する
即興劇(エチュード)を脳内で始める
エチュード内であらかじめ考えていた設定(リバースカード)を開示(オープン)するよう仕向け、キャラの反応などを想像する
良さげな反応やセリフ、この会話をするために必要な背景設定(キャラ設定でもシーンでも)などが思い浮かんだらそれらをシーン(リバースカード)として新たに記録(セット)する
追加したリバースカードをもとに再度1.〜4.を実施する。
満足するまで繰り返す(ハクスラ)
ということになります。
つまりは「ひたすら頭の中でシーン上のキャラクターを動かしまくって、良い反応があったらメモしておく」です。
これを繰り返すことで、少しずつシーンの情景が具体的になり、キャラクター設定に奥行きが出てくるようになります。また、良さげな言い回しなども徐々にストックされていきます。
4.ある程度情報がまとまったら本編を書く
で、これらがある程度まとまったら、つまり「これ以上ハクスラしてもだいたい同じような結果になるな」と感じたら本編を書き始めます。
もちろん本編を書いてる最中に「いやこの反応よりよい反応あるな……?」とかは思い浮かぶので、それらもどんどん追加していきつつ最後の推敲でいい感じに整理していきましょう。
本編が完成したら推敲に推敲を重ねて完成です!!
ここで言うところの「プロット」とは
で、「プロットとはなにか」を考えたとき、のび男流では
「本編を書き始める直前のリバースカード群」ということになります。
(決め台詞とかそういうのをカットし、イベントや情報だけを抜き出して時系列順に並べたもの、というのが正確なところです)
このシーンでは「イベントA」「イベントB」「イベントC」というカードが開示され、次のシーンでは「イベントD」「イベントE」が開示される、といった形で情報を整理していくと、それがプロットであり、ひいてはあらすじになるということです。
おわりに
本記事では自分が作品を作るまでの流れについて備忘録に近い形で整理した内容をお話しました。
みんなもエチュードをハクスラしてリバースカードをオープンしたりセットしたりしつつストーリーを作っていきましょう!! 大丈夫いけるいける!
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