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自分へのダメ出しが止まらなくて眠れない夜に勧めたい『おしりたんてい』

私は、『おしりたんてい』というアニメが好きだ。理由も明確にある。
この記事は、その理由を元に
自分へのダメ出しもとい、自己肯定感がだだ下がりして眠れない夜がある方へ
半分ジョーク半分本気で、このお尻を勧めたい!という確固たる意志で綴っていく。

伝えたい内容は主に以下である。
・ブラウンから学ぶ、杞憂はほどほどにしましょう思考
・おしりたんていから学ぶ、ギャップで見つける自分の魅力



はじめに 大人にも子守唄が必要な時がある

まだギリギリ20代の頃、毎晩のようにスマホで子供向けのアニメを流していた。観るというより聞く感じで。
当時は、何か音がしていないと眠れなかった。無音だと、良くも悪くも思考がはかどりすぎて。

そんな私が、眠れない夜に流したい頭空っぽで観られる(聞き流せる)アニメにランキングをつけるとしたら、このお尻は上位に食い込む。
『おしりたんてい』はNHKで放送されているが、私はテレビを持っていないのでAmazonプライムビデオで観ている。

ちなみにこの当時は子供向けアニメか、昔見たことがあるアニメを中心に流していて、昔のアニメを選んでいたのは、大人からの逃避と勝手に結論づけている。
懐かしさからか、なんとなく子供にかえった気がして安心したから。


魅力① 「きっとあなたは出来るよ」というメッセージ

『おしりたんてい』は元々絵本ということもあり、番組全体を通して間違い探しや謎解きをするような構成になっている。(絵本を読んだことはない)

物語の展開とは別に、番組開始10分前後で視聴者に対して明確に提示される問題がある。
おしりを探すという問題だ。
おしりたんていの助手のブラウンという茶色い子犬から出題され、最後に彼が答え合わせをしてくれる。
「みんな〜!このあと、お話の中にムラサキのおしりが4個、隠されているよ!探してみてねっ」
大体20分のアニメなので、ここから残り10分間で視聴者は4つのお尻を探すことになるのだが……。
1つ目の魅力は、この答え合わせのあとにある。

この子犬、答え合わせの最後に必ず「簡単だったかな?」と問うのだ。
初めてアニメを流していた夜、この問いが耳から飛び込んできて息を呑んだ。……好きだ。と思った。
真っ暗な部屋で目をつむりながら。なんなら、頭の天辺まで毛布も被っていた。

なんて優しい問いなのだろうか。
例えば「難しかったかな?」だと、もし解けなかった時に、『難しい』という感覚が残るし、解けたとしても『難しくなかった』という後味になるに違いない。

しかし「簡単だったかな?」という問いは、解ければ『簡単だったよ〜』というなんだか誇らしささえ湧きそうだし、もし解けなくても『簡単じゃなかったよ〜』という、なんとなく『難しかった』よりも少し希望のある後味になる気がする。個人的な感覚だが。

「難しかったかな?」だと、解けない可能性をわずかに孕んでいるけど、「簡単だったかな?」は、出来る前提なのだ。

このアニメにおいて、出来なかった世界は想定されていない。
「簡単だったかな?」という言葉の通り、ブラウンは私の可能性を信じてくれている。
『きっとあなたは出来るよ』と。

さて、私自身はどうだろうか?
自分に対して、『きっと私は出来る』と思えているだろうか。
仕事のこと、他人の目、家族のこと。
日々の生活で、起きてもいないことを心配してばかりだ。

私の世界は、出来ない前提のことが多いのかもしれない。
そしてその前提は、自分が自分を疑う限り覆らないのかもしれない。
「出来ないかも?」「失敗したらどうしよう?」と。

じゃあ明日は、心にブラウンを宿してみよう。
眠れない頭でそんな事を考えたあの夜、少しだけ眠りが良かった。
ので、自分へのダメ出しが止まらない夜は、あなたも一度ブラウンを宿してみてほしい。
もちろん、耳で聞いているだけなのでムラサキのおしりは見つけられなかった。


魅力② ギャップが魅力になるというお手本

主人公のおしりたんていは、紳士である。
以下、プライムビデオの作品紹介から引用。

「フーム、においますね」レディーにやさしくスイートポテトがだいすきなめいたんてい・おしりたんていが、どんなじけんもププッとかいけつ!

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B097QX9Q77/ref=atv_dp_season_select_s1

レディーに優しくて、七三分けで、シャツにサスペンダーをして小さなベレー帽を被っている。
この世界の住人は基本的に動物をモチーフにしているのに、このおしりだけ、人間のお尻だ。(ちなみに彼のお父さんもお尻。おしりダンディーという)
見た目だけでなく、能力面でもちゃんとお尻だ。
ピンチの際にはその口(?)から恐らくおならを発射して、敵味方関係なく吹き飛ばしたり、その強烈な匂いで戦意を喪失させる。

2つ目の魅力はまさにこれだ。
お尻という、人間の部位でもあまり綺麗とは言えないビジュアルに反して、驚くほど紳士という精神性。
いわゆる、ギャップである。

ヤンキーが捨て猫に優しいとか、古来よりギャップは魅力として認知されているが、私がここで伝えたいものはちょっと違う。

おならは臭いけど、臭いから敵の戦意を喪失させることができる。
そういうギャップだ。
ハンデ(臭さ)を、紳士が上手く使いこなしたらこうなる、という事例としておしりたんていはとても良い。

自分が嫌だとか恥ずかしいと思っているナニかの裏側を見てみると、そこに魅力があるかもしれない。
そんな風に、自分を観察してみると面白い。

たとえば私は、言葉に対してぐちゃぐちゃ考える。
受け取る時も、伝える時も、ニュアンスとか色々。
というのも、人には外部からの情報を処理する時の得意な部位があるらしく(視覚、聴覚、触覚などなど)、私は聴覚が優位なタイプなので耳で聞いた情報に反応しやすいのだ。
これにより、人の言葉に頭を悩ませることもあるが、些細な一言に猛烈に感動したりもする。(魅力①で紹介したブラウンのセリフにときめいたのがいい例)
もしも魅力として捉えるなら、言葉に一喜一憂するから、こうやって文章にすることが出来る。と、いえなくもない。

自分へのダメ出しが止まらない夜は、そのダメ出しの裏にあるあなたの魅力を探してみるのはどうだろうか。
どうしても眠れない時は。せっかくだから。
これは、そういう夜の選択肢を一つ持っておくのも良いのではないか、というプチ提案である。

……ちなみに、真に良質な睡眠環境は"無音"らしい。
先日、睡眠の専門家の方の動画を見て思わず「真逆じゃん」と声が出た。
が、あの時の私はそうしないと眠れなかったのも事実。なので一つの事例として、参考程度にププッと。


『おしりたんてい』はこれらの魅力の他にも、普通にストーリーが良い。私は好きだ。
助手のブラウンを介して、おしりたんていが道徳を説いてくれる感じがある。優しさとか、悪いことをしたらちゃんと謝るとか。

これを幼少期に観るのはいいな〜、だから教育テレビっていうのか。
などと考え、頭空っぽで見るつもりが結局ちゃんと観たくなってシーズン8もあるのに全部観た。なんなら2周した。
もちろん、オープニングの歌は空で歌える。

眠れない夜におすすめの子守唄:おしりたんてい


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