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コーヒーとミルク

コーヒーとミルク

怜子は写真が嫌いだった。自分の顔がどうしても気に入らず、気持ち悪いとさえ思うことがあった。周りを見ても決して見劣りするわけではないその容貌はむしろ多くの異性から好感を寄せられるものだったが、本人からしてみれば、「なんでこんな私を。」という気持ちだった。怜子が自分自身を見る時、そこには醜悪な自分が映っていた。誰かに打ち明けることもできなかった。

榮二は怜子に好意を寄せる一人だった。サークルで知り合

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