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総論賛成でSTOPしがちな人事制度改定を熱意と巻き込み力で前進させる

僕は本業の会社では人事責任者、副業では人事制度コンサルをやっています。といっても本業でフルタイムで働いていて忙しいので、副業は知人に頼まれた時に限定してやっています。
限られた時間の中でお受けしているのは大半が人事制度系。特に人事制度改定のサポートをやってきました。人事制度系のプロジェクトをいくつか経験しており、他者の役に立てる機会をいくつか頂いております。

これまでの経験を踏まえても、人事制度改定の難しさを感じています。どこの会社も制度改定を前進させるのに苦労しています。総論賛成までは漕ぎ着けたがそれから話が進まない、こんな会社がとても多いです。読者のみなさんの会社の中にも、当てはまる会社は多いのではないでしょうか。

人事制度改定に限らず、人事施策の0→1系業務や抜本的改革系の業務、なかなか前に進みにくいですよね。

そこで今回は人事制度改定を前に進めるポイントをまとめました。

①プロジェクト推進者が「絶対に成功させる」という熱意を持つ

「私はこれがやりたい」「これを絶対に変えていきたい」という熱意を持ち、それを関係者の前で熱量を込めて話す・・・私はこれが最も大切なことだと思っています。

人事領域の0→1はとても難しいです。途中、色々な壁にぶつかったり、後戻りしたりの繰り返しです。これを粘り強く乗り越えていかなければ前に進んでいきませんが、そのためのエネルギーとして熱意が必要です。

また、熱意は関係者を訴求する力にもなります。関係者に熱意を持って伝えることで、人事担当者が本気でやろうとしているから強力しよう、本気度高いしやらせてみてもいいかなという気持ちになります。周囲に期待と信頼を持ってもらうのに、熱意が欠かせないのです。

なお、人事担当の方の傾向として、できるだけ中立を保ったり、目上の方の意向を尊重したりしがちです。「社長の意向を叶えるためにやる」「○○本部長の強い思いを実現する」などなど。
しかし意志がないとなかなかうまくいきません。人事担当者自らがやりたいという意志をもち、それを熱意をもって堂々と語ることが重要です。

②キーパーソンを上手に巻き込んでいく

人事施策にはベストソリューションが存在しません。したがってある会社ではとてもFITした施策がほかの会社では全く意味を成さないことが多々あります。
何が最適解かよく分からない中からひとつの方向を定めていくのって、とても難しいことですね。

これを解決する方法はたった一つしかありません。それは、これならいけそうと思える施策を議論して作り上げることです。
そして、話し合いの場にキーパーソンを上手に巻き込んでいくことで、議論がまとまっていきます。この状態を作れれば、前進しやすくなります。

では具体的にどのような人を巻き込むのがよいか解説していきます。

まず、社長をしっかり巻き込みましょう。人事制度改定のオーナーは社長であるべきです。人事制度改定の主旨を社長自らが伝え従業員の理解と動機付けすることで、従業員の新制度への理解がぐっと高まります。

役員、事業部長の巻き込みも重要です。人事制度は人事部が作ったルールに従って利用するものではなく、現場が自部署の業績を高めるために有効活用するためのものです。
そのため、現場の重要人物の意見を反映し、自分が作った制度であると説明できるようにしていきましょう。現場での説明責任を担ってもらうことが可能になります。

また、制度づくりの実務も人事部だけで行うのではなく、現場サイドの従業員に協力してもらいましょう。「自分が作った制度」だという当事者意識が高まり、現場内の理解浸透が圧倒的に高まっていきます。たとえば等級ごとの昇格基準を作る作業、目標設定シートのサンプルを作るなど、人事部以外の方が作った方が実態に即したものになるものは、どんどん作ってもらうと良いでしょう。

③議論を前進させるファシリテーションや根回しを行う

人事制度改定の合意には多くのメンバーが必要です。しかし多くのメンバーを巻き込むほど、議論の合意形成は難しくなります。また、細かい議論になればなるほど意見が分かれてしまいがち、関心事も人それぞれで、ミクロの議論に入ると進まなくなります。

そのため、人事制度改定プロジェクトは事務局の推進スキルがとても重要になります。とにかく前進させるために今必要な議論は何なのか、ミクロの話にならないようにどう誘導していくべきか、事務局のファリシテーション力にかかっています。

したがってファシリテーションの仕方・会議帯の設け方について、十分な事前準備と議論を行うことが大切です。

また時には事前に根回ししたり、個別に説得したりと言った寝技のような動きも必要です。それもフォーマルに行う場合、インフォーマルに行う場合をうまく使い合わせて行います。

いろいろな思いがあるキーパーソンと個別MTGをしたり、時にはランチや飲みにいきながらじっくりと説得していくようなことも時には必要だったりするのです。

どうすればプロジェクトが前に進むか、複数で知恵を絞りうまく進めていきましょう。



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