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公共なるものの概念について
メディア
《経済学》的意味;Public good
公共経済学 Public economics
市場メカニズムによる、資源配分の効率性,所得分配の公平性,経済の安定性等が実現しないこと。そのため、これらが実現できるよう、政府が市場介入して、適切な政策を実施することが具体的に求められるという論理。
➡富の再分配(所得再分配)
● 公共事業における、費用便益分析 Cost-benefit analysis (CBA)
● 政府の意思決定のあり方;意思決定する政府は、必ずしも単独の主体ではなく、その意思決定には、与野党の政治家や官僚等が関与しており、したがって、その政治過程 Political opportunityを詳細に見ていく必要性。
※公共選択 ➡ 政治経済学 Political economy
● 資源配分の効率性;市場による調整機能が効率的な資源配分を達成するためには、以下の四条件として存在しないことである。➀費用逓減産業から自然独占への道(「規模の経済」)②外部性③公共財④情報の非対称性。したがって、今日のグローバルな世界に晒されている現状で市場原理による効率的な資源配分など、有り得ないことを、徹底して理解するべきだろう。
● 市場による所得分配も、必ずしも公平性という社会的倫理基準を満たすとは限らない。また、市場経済には景気の変動という不安定性が伴う。
● マクロ経済政策(財政政策,金融政策)及び資源配分を歪めない租税。
《社会学》的意味
公共圏 Öffentlichkeit
アーレントの公共性論;他者存在によって見られ聞かれるという経験を可能な限り最も広く公示されるということ
「見捨てられた境遇」Verlassenheit
アーレントは、公共性が失われた生の境遇を「私的」(private)という語によって形容する。「私的」という語が、「奪われている」(deprived)というそのもともとの意味合いにおいて重要になるのは、公共的領域の多元的な意義についてである。(齋藤 純一『(思考のフロンティア) 公共性』(岩波書店, 2000)はじめに)
The Human Condition, 1958
私的な生から奪われているのは、他者の存在である。他者の視点からすれば、私的な生を生きる人は現れず、それゆえあたかも存在しないかのようである。(『人間の条件』(ちくま学芸文庫, 1994)p. 87-88)