論理スキル・“発見力と仮説力”はじまりました (T3:Pt1:Ch05)
ちょっとこう自分でもなんというか“気恥ずかしい”タイトルですが
“[再]入門”“実践編”の“次”は?
AGEST社Sqriptsで、「論理のスキル」というテーマで連載をさせていただいてきました。
論理スキル[再]入門 ※リンクは第1回記事
論理スキル[実践編] ※リンクは第1回記事
これらの記事で取り上げていたのは 演繹(えんえき、deduction) 的な推論というものです。
演繹的な推論は、前提に含まれていることだけから、論理の言葉の働きに従って一定の結論が導かれる、という性格を持っており、この性格から、
前提と結論には必然的な関連がある
前提が正しい(真)ならば、結論も正しい(と認めざるを得ない)
という特徴があります。
推論――何かある前提から、頭を働かせて何かしらの結論を導く(それが不十分だったり推測の域を出ないものだったりしたとしても)――は私たちが日々行なっていることですが、私たちは演繹的な推論ばかりしているわけではありません。
見つけるための論理
この非・演繹的な推論にも目を向けようというのが、去る12月から始まった
「ソフトウェアエンジニアのための論理スキル・実務三年目からの発見力と仮説力」です。
第1回のタイトルが「見つけるための論理」となっていますが、演繹的な推論と違って、前提から、前提に含まれていない事柄を導き出すという性格を持っています。
この性格から、
前提と結論との間に必然的な関連がなく、なんらかの「飛躍」がある
前提が正しい(真)からといって、結論が正しいとは限らない
という特徴があります。一言で言えば「間違いを生じやすい推論」ですが、その“危うさ”と引き換えに、新しい発見をもたらす推論でもあります。
仕事でも、生活でも
非・演繹的な推論は、演繹的な推論と同じく私たちが日々行なっていることですし、もちろん、仕事の上でも大切な働きをします。
特にソフトウェアを開発するという仕事では、少なくとも実装の終盤以降の多くの工程/活動で駆使するものです。
(特に、と言ってしまっていますが、たぶんどんな仕事でも同じでしょう)
連載タイトルが「実務三年目からの」となっていますが、二年目や一年目の人でも身につけておくとうれしい知識です。
(ソフトウェアエンジニアでない人もおさらいしておくことをお勧めします。一度覗いてみてください!)
演繹的な推論とはまた違う推論の形、その特徴、実践する上での注意点、気をつけたい落とし穴(誤謬)、などを解説していく予定です。
「発見力と仮説力」、楽しんでいただけたら嬉しいです。
(2025-01-07 R001)