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小寺の論壇:2つの大規模再開発、揺れ動く「アキバ」の運命

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進学のために上京して帰郷するまでの38年間、秋葉原という街に足繁く通ったことから、特別な思い入れがある。そんな秋葉原に、大規模な再開発計画があるのを先週初めて知った。

東京在住の方はニュースなどで報じられているのかもしれないが、地方に暮らしていると、まだ計画段階の話から詳しく報じられることもない。上京するたびにアキバに立ち寄っていた割には、全然知らなかった。

再開発の計画は、駅の東西で2つの計画があるという。1つは「秋葉原駅前東地区再開発」である。エリアとしては、神田平河町と神田佐久間町にまたがるエリア。

・秋葉原駅前東地区再開発(東京都千代田区)、地下通路で回遊性向上/準備組合(日刊建設工業新聞)

国土地理院の地図で調べると、おそらく青で囲ったエリアあたりだろうと思われる。

秋葉原駅前東地区再開発エリア

アキバと呼ばれるエリアの中でも、昭和通りの向こう側は昔から電気街でもなければオタク街でもないというエリアで、おそらく元々は問屋街なのだろうと思われる。現在が総武線ガード下近辺は飲み屋街になっていて、そういう意味では神田駅周辺のガード下をもっと狭くしたような雰囲気のあるところだ。昔ながらの飲食店も多いので、アキバ近辺に勤める人達はよくご存じだろう。

ここに建設されるのは、マンションを併設したオフィスビルで、地下2階地上22階のおよそ118mの高層ビル。秋葉原駅とは昭和通りの下を地下道で繋ぐという。

地権者は多く分散しているが、元々このあたりの建物は老朽化しており、自力での再建が難しく、共同でのビル開発には賛成多数であるという。

2005年に秋葉原駅と昭和通りの間にはヨドバシアキバがオープンしたことで、街の雰囲気もかなり大きく変わった。もうあの衝撃から20年近く経つわけだ。変わらないのは昭和通り沿いで、ここは昔からなぜか個室ビデオ屋が多い印象である。

だが通りの向かいに綺麗な高層ビルが立ち、近隣に公園も整備されれば、小さい子も増えるだろう。当然こうした風俗店は営業が厳しくなり、店の内容も変わっていくことが予想される。

マンションも併設されるということは、アキバの駅前が生活圏になるということである。このあたりにはスーパーもなく、日用品の入手には不便だろうから、再開発ビル内にスーパーマーケットもできるのだろう。そうなるとこの再開発につられて、昭和通り東側のエリアはさらなる再開発の波が訪れるかもしれない。

小学校も近くにあり、当面の子育てには困らなさそうだ。ただ中学校は浅草橋の方へ行くか、御徒町まで行くかということになる。昔なら末広町に練成中学校というのがあったのだが、廃校になりそのあとはアーツ千代田3331というインキュベーション施設となった。現在はそこも老朽化のために改修工事に入っている。まあ駅も近いので、電車に乗ってどこかの私立に行くということも悪くない。

■まとまらないもうひとつの計画

秋葉原の再開発計画は、もうひとつある。今度は駅の西側、駅から見ると万世橋の手前、国道17号が大きく西側に折れるあたりの一角だ。

秋葉原西側再開発エリア

駅前の信号を渡るとオノデンがあり、そこを左に折れると昔は石丸電気のビルがたくさんあったあたりである。現在はエディオンやLaOXの店舗となっている。

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