2023.2.21 岡山県岩井滝
職場のみんなと前々から行こうねと約束していたこの日。
せっかく冬なので雪景色が見たいが、あんまり斜度のある山すぎると難易度がぐんと上がってしまうし、今回は比較的楽に行くことができる岩井滝(いわいのたき)という場所へ行くことになった。
夏であれば、普通のスニーカーでも行くことができるような名所だ。
冬には条件がいいと氷瀑になるという話だが、果たして今回は、、?
雪の季節は雪の状態が日々変化するので、ドキドキしながら当日を迎えた。
当日、県南はとっても天気が良かったが、県北へ向かうにつれて雲が多くなってきた。
やはり山陽と山陰の違いは大きいなあと実感する。
みんなで車を乗り合わせて、ワイワイ言いながら岡山県鏡野町に到着。
天気はあまり良くないが、前日の夜に降った新雪のおかげでふわふわの道が出来上がっている。
どうやら楽しいスノーハイクができそうだ。
この日はあまり行くことのない雪山へ行ってみようという試みだったので、初めて軽アイゼンやスノーシューを使ってみる人たちがちらほら。
私自身も、この冬購入してから一度も使っていなかった冬靴を使って歩いてみることに。
知人から譲り受けていた12本爪アイゼンも使ってみたかったので、今度の大山登山の前の足慣らしに丁度いいかなという魂胆だ。
冬靴とアイゼンは相性が合わないと道中で外れてしまう危険性があったりと、使用には注意が必要なのである。
ふだん無口な山男スタッフも、自然を前にするとこんなに楽しそう。
みんなで山へ出かけると、みんなの本性を知ることができるのも楽しみのひとつなのだ。
平坦な道が1時間半ほど続くので、こういう道はスノーシューが適しているのだが、私はスノーシューを履いて居なかったので、まあ〜ツボ足になるなる。
踏み抜いてしまうと、膝上くらいまで足が嵌ってしまうのである。
こうなることは分かりきっていたのだが、スノーシューは持ってないし、結構お値段も高いし、、、、。
購入は見送っていたので、今回の山行は、みんなが踏み固めた雪道の最後尾を歩くことに。
みんなありがとう!
トレースのない雪道は、先頭が一番大変なんだよね。
トレース(道の跡)がない雪道を歩いていくことをラッセルする、というが、このラッセルは本当に体力を消耗する。
このラッセルをしなければならないということが雪山へのハードルを上げる要因のひとつで、みんなできればしたくないことだろう。
この名水「岩井」は日本名水百選にも選ばれており、この水を21日間飲み続けたら念願の子供を授かったという伝説があるとのことで、「子宝の水」とも呼ばれているとのこと。
実際に飲んでみた人に感想を聞いてみると、
「ぬるい」
「なんか、やわらかい」
との事でした。笑
分岐の地点からは一気に山道らしくなり、先ほどまでスノーシューが歩きやすかったのだが、ここからはアイゼンだけのほうが歩きやすくなった。
アイゼンのほうが雪の斜面に対して蹴り込みやすかったり、コンパクトなので周りの樹木に引っかかりにくく取り回しがいいのだ。
何に関しても一長一短はあるもので、ギア選びに関しては個人の好みも出てくるので、一概にこうだとは言いづらい。
やはり自分で経験するのがいちばんだ。
出発から3時間ほどで岩井滝に到着!
残念ながら氷爆にはなっていなかったが、大きなつららと、滝の前の枝には立派な樹氷が付いていた。
この岩井滝は別名 ”裏見の滝” とも呼ばれていて、その名の通り滝の裏側に回り込むことができるのである。
なんともワクワクする滝ではないか。
滝の裏側はとっても広い。やっと一息つけそうだ。
滝の水が流れ落ちる下側から氷の塊が成長していた。
逆さつららとでも呼ぶのだろうか。
実際に見てみると、見る角度によって周りの景色が様々に反射し、さながら自然によって作られたアートそのものであった。
滝の裏側は休憩場所に最適だったが、少々滝の流れる音が会話を遮りそうだったので、せっかくだから滝の目の前に回ってみんなで昼食を取ることに。
私の昼食は、例のごとくカップ麺である。
一人だけゆっくり山ご飯を作るわけにはいかないし、、、(言い訳)
今年は、ちゃんとした山ご飯を作れるようになるのが目標。
しかし寒い中で食べるカップラーメンはやはり最高だった。
テムレスにお湯を入れて来ていたのだが、再沸騰させたほうがより良いので、バーナーも持って来ていた。
カップラーメンを食べた跡に、残り汁へおにぎりを入れて食べるのがまたいいのである。
冬山では、おにぎりは持っていくと凍ってしまうことは知っていた。
今回もやはり凍っていたので、そのままでも食べられなくはないが、温かいお汁で溶かさないと美味しくない。
カップ麺とおにぎりはセットなのだ。
カップ麺やスープが無いのであれば、おにぎり単体を持っていくよりも、代わりにパンを持っていったほうが賢明である。
いわずともみんなが持ち寄った甘味だったり、コーヒーだったりで充実した昼食となった。
さあ、下山だ。
こちらも例のごとく、下山は一瞬だ。
下山って、なんであんなに走りたくなってしまうのだろう?
ここを去ってしまうと、この雪景色は幻想だったかのように思えてしまうことが分かっているからこそ、見える景色を噛み締めながら帰路についた。
同じ景色と楽しさを共有するということは、なんと幸せなことなんだろうな。