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絵本紹介【ぼくは建築家 ヤング・フランク】

 ヤング・フランクは、建築家のおじいさんオールド・フランクと暮らしています。自称建築家のヤングは毎日たくさんのものを作ります。材料は本、お皿、スプーン、トイレットペーパーの芯・・・何だって使って、イスや超高層ビルだって作っちゃう。そんな作品たちを、オールドは否定してばかり。ある日、二人は本物の建築家たちの作品を見に美術館MoMA(ニューヨーク近代美術館)を訪れ・・・。

【文字数・・・ちょうどいい(ふりがな付漢字あり)】
【内容・・・・少し難しい】

【コメント】
   文字は多くないのですが、年少さんには内容が少し難しいかもしれません。うちの長女(もうすぐ年長)は気に入っています。

 主人公のヤング・フランクは自分を建築家だと自負していました。しかし、自分の作る作品に、オールド・フランクがことごとくダメ出しをしたため、ヤングは、

「ぼく もう 建築家でいたいのかどうか わからないよ」

 と自信をなくしてしまいます。

 そんな時、オールドはヤングを、美術館へ連れて行きました。そこで、ほんものの建築家の作った作品をみればいい、と。
(この言葉には、本物の建築家は、ヤングのように、椅子や、ねじれた高層ビルは作らないから、それを確認しに行こうという意味合いが込められています。)

 この美術館というのが、あの有名なMoMA( ニューヨーク近代美術館 )なのですが、そこにはなんと、

建築家の作ったイスがあります!
ねじれたタワーもあります!

 美術館を訪れたことで、ヤングは自信を取り戻し、創作意欲を掻き立てられ、オールドは自分の固定観念に気づき、柔軟な発想へと転じて行きます。

 その夜、二人は家の中のあらゆるものを使って、一部屋全体に大きな町を作りました。チョコチップクッキーで作った図書館や、本を積み上げた超高層ビル・・・・傘やティッシュの箱、バネなんかも使いました。

 「作ること」が大好きなうちの長女は、その見開きページに描かれた大きな町の絵を興味深そうにじっと眺めていました。うちの子ども達は、ちょうど「町」を作るのがブームで、布団が上げられた昼間の何もない和室(寝室)に、よく姉妹で「町」を作っています。「町」と言っても、まだまだ、二軒の家と病院くらい(布団を敷くため、毎日片づけられる)なのですが、本人たちは「町」と呼んでいて、まだまだブームは続きそうです。

 近年、「アート思考」という言葉をよく耳にします。ビジネスにも取り入れられたり、「アート」の重要性はこれからもますます高まっていくでしょう。私は、自分の子育ての中で、「想像力(創造力)を磨くこと」「世界を広げること」を大切にしているつもりです。それは、これからの時代を生きていく子ども達にとって大切なことであり、現在の子ども達自身が輝くために必要なことであると考えているからです。

 この絵本の表紙をめくると、

「若さというのは、状況によるものではなく、その人の資質である」

という、建築家フランク・ロイド・ライトさんの言葉があります。

 大人の私に、グサリと突き刺さる言葉です。人生100年時代と言われる今、従来の生き方や固定観念に縛られずに、自由な発想や、新しいことを受け入れる柔軟さを持った、若々しい人でいよう・・・私が、この絵本を読んで感じさせられたことです。

このマガジン内では、私のオススメする絵本をたくさん紹介しています。                                                                             主に未就学児への読み聞かせや、一人読みの練習にピッタリの作品をピックアップしているつもりです。
 子どもに絵本を読んであげたいけど、選ぶ時間がない方、どんな絵本がいいか決めかねている方のお役に立てれば幸いです。
(一人読みの練習については、記事内の【文字数】や【内容】を参考にしてください。)



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