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不登校エッセイ#17 金木犀の香りに涙が出そうになった話

金木犀の香りを嗅ぐと
涙が出そうになる。

3年前。
高校2年だった娘は
欠席が重なり留年が決定。

在籍していた私立高校を去ることになった。

愛犬と散歩しながら

「これからどうしようか?」
「通信制の高校をしらべて見る?」

そんな話をしていると
金木犀の香りが漂ってきた。

「いい匂い」

娘の顔がフッと和らぐ。

「まあ、なんとかなるよ」

私もその香りに癒されて
自然とそんな言葉が出た。

1週間後。
通信制高校の合同説明会に参加。

行きたい学校が見つかり
あれよあれよと転学が決まった。

金木犀の香りは

悲しみや虚しさ
安堵や愛おしさ

さまざまな感情を呼び覚ます。

「今年も咲いてくれてありがとう。娘は元気です」

黄色い花が
微笑んでくれたような気がした。


#不登校エッセイ

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NOAH(ノア)@不登校ママライター
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