もういちど生まれる|朝井リョウ
20歳をテーマにした短編小説集。
親友のヒーちゃんに恋をされた汐梨。
お調子者なのにしっかり失恋する翔多。
画家になれない新。
双子の派手な椿に憧れる梢。
ダンサーなれない才能と雰囲気だけのハル。
それぞれリアルにそこらへんに落ちてそうな
20歳の男女の葛藤って感じでよかった。
20歳って大人のようで子供の、
だけど大人に括られるような。
そんな区切りのいい年齢。
私も20の頃は何者かになりたくて必死だったな。
何者かになれば自分は誰かに認められる。
賞賛されれば何かが変わるって。
でもそんなのは全員が通る道で、
私だけが特別じゃない。
思春期とはまた違う、
この感覚はなんて言うんだろう。
自立に向かうまでのあの気持ち。
20歳特有のなにかで、
それと向き合える人こそ強くなれる。
この小説はそんな懐かしいあの頃を思い出す
そんな一冊だったな。
がんばれ、ハタチ。
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