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人間関係のトラウマ
僕は小さな村出身です。小学校の全校人数は100人弱。一番生徒数が多かった僕のクラスでも23人でした。そんな小さな村で僕は育ちました。
記憶にないくらい小さい頃から同級生の友人たちと一緒に撮った写真があって、それくらいずっと一緒の時間を過ごしました。学校が終わってもすぐに誰かの家に集まって、外が暗くなるまでずっと遊んでいました。
そんなふうにずっと一緒にいると友人だけど、どこか家族に近い存在に友人たちとの関係は変わっていました。大切な存在でした。
でも、中学生になった2学期から3学期にかけての大体半年ほどの間にその家族ほど近い関係の友人たちから無視をされました。部活も一緒で朝のバスから帰りのバスまでずっと無視をされ続けました。そこに居るはずなのに僕の存在は無いとの同じでした。
喋ることで周りが僕の存在に気がつくのが怖くて、ずっと隅で音を出さないように、目立たないように生活をしていました。
先輩が僕に話かけてくれたのをきっかけに無視されることはなくなりました。半年間なにもなかったかのように、まるで小学生の仲が良かった頃のように戻ったみたいでした。
ずっと存在を消してきて、ずっと自分が居ないように振る舞うのに慣れてしまった僕は笑い方を忘れてしまいました。面白くて笑っているのに、笑い声が出ないという状況がしばらく続きました。後遺症みたいな感じですね。
今もその友人たちとは会うくらい関係は元に戻っていますが、それでも僕はこの過去の経験に苦しめられていることに最近気がつきました。
職場などで仲良くなればなるほど、裏切られた時の辛さを思い出してしまい、つい距離を取ろうとしてしまいます。仲がよくても、自分から声をかけることを極端に恐れてしまいます。自分が居ない存在として生きた半年間の心の傷はまだ癒えていないみたいでした。
これだけ深く深く心に傷が残っているのは、きっと人は人との繋がりを大切にしているからなんだろうと感じます。だから、誰かに裏切られた時に落ち込むし、自分の存在に気がついてもらえないと苦しいんだと思います。
もし今までに僕みたいな経験をしていたとしても、自分の存在を認めて受け入れてくれる人が絶対にいます。僕は今、多くの友人や信頼できる先輩がたくさんいます。
人間関係を築くということは、いつかその関係が崩れてしまうという恐怖にもつながります。でも、勇気を出して、築いた関係にはきっと自分を強くしてくれる人がいます。きっと大切な人がいます。
1人で生きるのはつらいことです。勇気をだしてほしいとおもいます。
僕も勇気を出そうと思います。