意味がわかると面白い絵画①『我が子を食らうサトゥルヌス』
皆さんこの絵画知っていますか?
『我が子を食らうサトゥルヌス』と呼ばれる作品です。
美術検定の勉強をする中で僕は初めて出会ったのですが、まぁ衝撃的でした笑
1つは絵の破壊力。恐ろしい形相をした鬼のようなヤツ。必死に人と思わしきモノを食べている様は「進撃の巨人」さながらです。
2つ目は絵のタッチ。この絵の画家は『着衣のマハ』や『5月3日』を描いたことで有名なフランシスコ・ゴヤですが、明らかにそれらとは違う絵のティストなんです。
フランシスコ・ゴヤ『着衣のマハ』
そんな衝撃的な『我が子を食らうサトゥルヌス』という作品は何を表しているのか?? その核心に迫っていきましょう。
まず、この鬼の形相をしているヤツ。絵のタイトルにもなっている我が子を食らうサトゥルヌスの正体はゼウスの父親です。
ゼウス?? なんか聞いたことがありますね。
よくゲームなどで登場して雷を扱うギリシャ神話に登場する最高神です。ゼウスにも実は父親がいまして、彼の名はクロノスと言いました。*ローマ神話はギリシャ神話をルーツにしており、ローマ神話名がサトゥルヌスとなります。
クロノスは父親であるウラノスに「お前は妻のレイアが産む自分の子に滅ぼされる運命にある」と予言されます。
これを恐れたクロノスは既にレイアが産んでいた3人の女の子と2人の男の子を生まれるとすぐ丸呑みにしてしまうのです。ギリシャ神話ホラーすぎる。。。。
肝心のゼウスはというと、この奇行を見兼ねたレイアがクレタ島にゼウスを隠し、そこにいた精霊のニンフに育ててもらったことで難を逃れました。
ちなみにこの絵画はゴヤの「黒い絵」シリーズに当たります。制作当時のゴヤは70歳過ぎとかなり高齢で、自分の死が間近だったことやそのとき勃発したスペイン内乱に対するゴヤの暗い気分を反映したと言われているそうです。
西洋の美術史については下記のブログに詳しく書いているので、見てみてください!
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