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入門英文法の核心 感想


本記事について

入門英文法の核心を使っているけど使い方や注意点がわからない、目的意識がはっきりしていない、どんな本か気になるという方が対象です。

内容

まずイントロダクションでそのテーマはどういうテーマなのか中学英語との違いについて説明があります。
もう少し詳しくいうと、どういうテーマなのかは、
・今から扱う文法事項の軽い説明
・どういきるのか、どう問われるのか
・学習の仕方
・入試での位置付け
などです。ポラリスシリーズでいうと攻略のコツや何が重要の所に該当する所です。

中学英語との違いでは、
・中学まではどのように説明されていたのか
・学習してきたのか
・攻略のコツや学習アドバイス
・どう説明していくのか
などです。

その後中身に入ります。
中身の全体は総論→各論→入試問題に向けて→入試問題の順です。
1.総論
中身はまず核心という全体に関係することが一言で述べられていて、その後その単元全体に関係することについての説明が続きます。いっぺんに扱えないものは、途中途中数回核心が出てきます。
2.各論
それが終わった後個別の説明ではいります。大きな区切りではタイトルで、タイトルの中の小さな区切りは赤字で「>〜」の形で書かれてあります。さらに区切りがあるとき不等号と◯を重ねた記号で区切られています。
所々まとめやリストが入っているので、これを含めるとかなりの内容です。※でよく質問がきそうなな所、学習の仕方、背景小話などの補足説明があります。
3.入試問題に向けて
説明が終わった後入試問題に向けてというように確認問題が入ります。この問題は知識を覚えているかの確認の意味合いが強く、知っていれば解けるかなり簡単な問題ばかりです。四択形式や二択形式、該当するものを挙げなさいという形式もあったりします。
4.入試問題
その後入試問題に入ります。入試問題問題は四択形式でポラリス0のレベルを基準に下の方と上の方に、すこしはみ出たレベルまで扱っています。
問題の解説では解き方、どこに注目するのか、解答までの辿り着き方、正解の理由、どう出やすいのなどの入試情報、問題の深掘り、補足説明などがされています。誤答選択肢については間違いやすそうなものだけ説明があります。

真英文法大全と読み比べてもらえればわかると思うのですが、例文以外殆ど言い回しが同じ(結構コピペしてます)です。それゆえ、説明を読んでいて堅く感じてしまう人も多いと思います。
後でもふれますが、それにも関わらず真英文法大全に含まれているような理屈は結構省かれています。
※upsetのように核心しか説明がない場合、whyを使った提案表現を丁寧目に説明している場合もあります。

授業でいうと関先生の中学生の授業とスタンダードレベルの授業を結合した内容に近いです。

中学生の授業についてあまり説明する機会がないのでここで触れておきます。読み飛ばしていただいても構いません。内容は旧課程のものです。まだ視聴者がいるためかなぜか英数だけ残っています。
※数年後みている方は画面が違う可能性があります。


中学3年の所を押すとこのうように英数だけが残っている形になっています。
わかりように新課程ではどのような表示になっているかものせておきます。

スタディサプリはどれぐらいの時間聞いてるのか、どこで視聴者が離脱しているのか記録をとっているのですが、その影響もあって動画が5分から10分と新課程の講座ではかなり短くなってきています。これは高校生の講座も同様です。昔先生が細切れの動画を撮影したみたいなことを言っていた気がするので、今は新課程の講座はありませんが、後々は追加されると思っています。

講座内容は改善したほうがいいことが多すぎます。高校生でも同じようなことが起きていますが、従来の英文法が中学生だとまだ入っていないので、なぜか従来の英文法を一旦いれて、それを先生が否定するという二度手間をしているので混乱しやすい構成になっています。内容的にいいことはかなりあるのですが、これをするせいですこぶる評判が悪いです。

スタンダード英文法と比較した時は対象者が違うため内容の深さが全然違います。スタンダード英文法は英語が苦手な人向け、中学生はかなり得意な人向けなので、中学生の方で同じ内を扱っている時は、中学の方が詳しくより発展的なことまで扱っています。
旧課程でいつ消えるかわからないので、ご関心がある方はお早めにご覧ください。

話を戻します。
順番が独特と感じるかもしれません。関先生は配列をかなり気にしていて、本毎に微妙に異なりいつも楽しみにしています。
(i)授業
→純粋文法→品詞
(ii)本書
→品詞→純粋文法
(iii)大全
→品詞と繋がりが弱い純粋文法→品詞→品詞に関係する純粋文法

他の先生のではない英文法書は
軽く品詞→文型→純粋文法→品詞→細かい文法事項
などの順番になっていたり様々な順番が見れるので楽しみの一つです。今回は大岩のいちばんはじめの英文法を意識したこともあってこの構成になったのではないかと考えています。

先生の苦手な単元である前置詞は扱っていません。授業もかなりひどいです。かなり誤魔化してます。関先生を丸パクリして授業をYouTubeで公開している方(名前は伏せておきます)がいますが、その方も前置詞だけは、模倣対象としてよくないと感じたのか前置詞だけは飛ばしています。

真英文法大全もですが、先生の著作では書き込みをすることを意識した構成が増えています。これはスタイルの変化の影響なのか、出版物の高騰の影響なのかどっちなのかなと思っています。

強み

*授業で扱われていない内容も入っている
→途中にリストがかなり差し込まれていますし、そもそも扱っている内容が多いので、総合英語などの辞書系を除き英語の参考書の中で見た時、かなりこの本はかなり網羅性があります。先生の授業がそもそも夏期講習的な意味合いが強いこともありますが、取り扱っている内容が授業よりかなり多いです。これのおかけでポラリスなどに取り組む時もかなり取り組みやすいと思います。
※本当は関係ないですが授業でやってないからできないという事態が多発していました。ではやっていたらできるんですか?と聞きたいです

*文型のフェイズの説明がわかりやすい
→最近の新しい本でのりはじめたものです。英文解釈ポラリスや英文読解の特別講座で同じ内容について説明がされていますが、ごちゃごちゃ書きすぎです。フェイズの内容にはじめて触れる人で、この二つで理解できる方はかなり少数派だと思います。しかし、この本ではかなりわかりやすく説明されています。もし二つの本で腑に落ちてない方は一度読んでみてほしいです。

*知識の基盤にできる
→網羅性が求めらる総合英語を除外するとかなりの網羅性があるので知識の基盤にできます。英文法はこの本を基盤にして、載っていないものが出てきたらここに集約させていくスタイルをとれます。薄すぎると沢山書き込まないといけませんし、分厚すぎるとなかなか覚えられません。この本は知識を一元化していく材料として適切な内容になっています。
※真英文法大全の発展の内容も所々入っています。

弱み

*語法がない
→関先生の醍醐味である語法がないことがなかなか痛いです。英文法だからねぇだろ!と言われそうなのですが、あるものもあるので載せて欲しかったという方は多いと思います。
※仮定法現在として一部扱われています。

*理屈が結構カットされている
→授業や世界一わかりやすい英文法の授業と比べるとかなり、真英文大全と比べると少し理屈や背景がカットされています。関先生のいいところである、理解しながら納得しながら学んでいくことがうすれ、丸暗記の色が強くなってしまっています。このせいで人によっては真英文法大全の方がわかりやすいという方もいると思います。関先生の本は殆ど全て買って読んでいますが、ポラリス同様説明が端折られている所が多くかなりパサパサしてる感じがします。普段の先生の本と違って内容がぷつぷつ切れていてアラカルト式のようです。

*重要事項がぬけてる
→扱っている内容も多くかなり網羅性自体高いのです。しかし、まえの理屈や背景もですが、普段なら説明している内容も抜けていたりします。たとえば不定詞の形容詞的用法の条件であるSV関係、VO関係、同格関係についてです。なぜか同格関係のみ説明されています。副詞的用法との区別で使うので、他のものも説明するべきだったと思います。

*到達点に注意
→四択で語彙問題を除いた文法問題で日東駒専で7割、MARCHで5割を目指しますと書かれています。こう書かれると結構いい感じだなと思われるかもしれません。しかし、語彙問題が増えてきている現状を踏まえると、それを除いた上で7割、5割というのはほとんど問題が解けていないに等しいです。ここの説明は要注意です。

個人的にですが名前がなぜか、入試英文法の核心と混ざります。

レベルも内容も中途半端な内容だと思います。
ただ、丸暗記の方が合っている方も結構いて、理屈の説明を見るとうわぁーー!ってなる方もいるので、どちらの層にも対応できるように理屈抑えめで、アラカルト式をとったのかもしれません。私からすると丸暗記の方がうわぁーー!ってなるので、向き不向きの問題だと思います。
※丸暗記式でしてるのは本当にすごいと思います。私は脳のキャパが狭いので、すぐに限界がきて覚えてられないです。
私は
・これとこれは同じ理屈、似た理屈、反対の理屈など単元の内容を横断(ネットワークの作成)
・類比対比因果の観点から分類圧縮関連付けなどの体系化
・理屈自体を大切にして、忘れてもその場で対応できるようにする、導けるようにする
などをしていてやっとこさの状態です。丸暗記でできる人をみると脳を無駄に使っていなくて羨ましなと思っています。脳の性能の違いを実感しています。
英語できる人も教える人にも、丸暗記でどかって覚えてババって解いていくんだよ!みたいことを言っている方が結構いますが、羨ましいと同時に何故それでいくのか本当にいまでも不思議です(もちろん投下している時間が全然違うからというのはあります)。

注意点

大学受験の入門書であることに注意です。英語の入門書ではないので、対象読者の所に含まれていますが高校英語の初学者にはかなりきついです。できないことはないですがかなり厳しい内容になっています。

数年前関先生は定番の本を自分の本で塗り替えたいといっておられました。
・四択→ポラリス
・単語帳→ストック
・英語長文→ポラリス、ザルールズ
・総合英語→真英文法大全
おそらくですが
・大岩の一番はじめの英文法→入門英文法の核心
としたかったと思うのですが、レベルが違いすぎて完全に棲み分けができているので塗り替えることはないと思います。

大岩の一番はじめの英文法がジャンルではなく単体として意識されているのを見ると、大学受験での影響力知名度を実感します。武田塾の影響力もあるでしょうが、大学受験学参で一番売れているのではないでしょうか。

説明ばかり読んで例文が飛ばされがちです。使い方を学び生きた知識にするためにも、例文もしっかり読んでください。

※と書き、少し小さく薄い字で補足がついているので、それも例文同様読み飛ばさないでください。より深く理解できたり、覚えやすくなったりします。

最終的には問題で問われている所以外も覚えきってください。特にリストになっているものはないがしろにされがちです。

オススメの使い方

一通り学んだけど習得できていないので一から学んでつみあげていきたい人にオススメです。
初学の方は世界一わかりやすい英文法の授業もしくは、真英文法大全のレベルを絞って取り組むのがオススメです。

説明を読んでも腑に落ちない時は真英文法大全や世界一わかりやすい英文法の授業を参照してください。

関先生の英文法について

関先生の英文法のというと賛否両論あるものというイメージがあるかもしれません(これを書く際指導ささせてもらっている高校生浪人生大学生社会人の何人かに聞いたのですがそうですか?みたいなリアクションをされたのでもしかしたら勝手な思い込みかもしれません)。おそらく、それは教える際にマーケティングの時によく使われる比較対象をもってきて、欠点を指摘しよくない印象を持たせ、自分の優位性を示すスタイルをとっているからだと思います。従来の英文法→核心の流れです。この批判するスタイル自体が賛否を呼んでいる面もありますし、批判している内容がすでに予備校では殆ど教えられていない内容(学校では今尚とんでもない内容が教えられています)なので、批判するためにわざわざおかしな教え方を引っ張り出しているように見えるからだと思います。まわりからされることは、自分が周りにしている事なので、この現状は仕方がない部分はあります。批判し、批判されの批判合戦が今尚続いています。
※初学者の多くが従来の英文法はと言われても、へぇーそんな考え方があるんだ ぐらいにしかならないと思います。

そもそも今予備校を見渡すと、かなりの割合の先生が関先生と同じ教え方ですし批判している先生も、かなり教え方が近かったり、殆ど同じ教え方をしている場合も多いです(教育業界あるあるです)。

いざ肝心の中身はと言われるかもしれません。複合関係詞の説明や文型など所々明らかに間違っている所はあるのですが、それ以外は特段困る事はありませんし全体の質は圧倒的に高いです。研究者レベルでは分かりませんが、試験勉強、日常会話、ニュースを見たりなど、要するに大部分では問題は発生しません。もし発生していたら教えてほしいぐらいです。自分が成績が伸びなかった原因をスタディサプリや関先生のせいにしているの人が多すぎますし、まともに内容も見ずにノリで批判している人が多すぎます。東大をはじめ、英検一級やTOEIC900を突破した方は、私が直接関わっている方関わっていない方含めいくらでもいます。勉強は自分のできないことを一つずつ自分に対して修正していくことなので、できない原因をまわりになすりつけていては、一向に上達しません。文句を言っている大半の人は英語という科目を誤解している、まともに見ていない予備校の先生が言っていることを、まともに確認もせずに馬鹿正直に受け取りすぎている場合が多いです。
※英検一級やTOEIC900は別に難しくないと言われそうですが、目指す人向けに言っているのでその点はご了承ください。

関先生の英文法の特徴を軽く説明しておきます。
(i)いい点
・学習順序(仮定法を前にしたり、文型を後にしたり)の工夫
・理由理屈や背景を大切にする
・抽象化体系化が上手い
・内容の絞り方や緩急の付け方が上手い
(ii)悪い点
・助動詞や複合関係詞、文型、前置詞など一部説明が下手間違っている単元がある
※先生の長文でさえあれ?理屈が通ってないというシーンがあり、普通に普段教えていることを無視しているシーンがあります。
・単元によってスタートのレベルが異なる 特に受動態や比較
※ここがわかりにくさを生んでいる原因だと思いますレベルを変えることは悪いことではありませんが、変え方がよくないです。

類書との使い分け

基本的に大学受験であれぼ特別講座と真英文法大全の使い方がオススメです。
(i)英語が苦手すぎる、学び直し

※キャラ図鑑はかなり好みがわかれると思います。会話調に好き嫌いがあるのと同じで、マンガチックな所や独特ノリが苦手な方もいると思います。キャラ図鑑は世界一よりさらに内容を削って、漫画などを利用して読みやすくしています。世界一でも厳しいと言う時に、選択肢に入れてみて下さい。
(ii)高校英語ははじめてだけど受験で英語を使う

※英文読解の特別講座もですが先生が生徒に教えていた時に作ったもののため、とてもクオリティの高い参考になっています。

(iii)一通り学んだけど習得できていないので一から学んでつみあげていきたい

※実際に使っている人を見ていても、参考書について話し合っていても感じますが、以外と難しい本です。数学の技シリーズにも言えますが本屋さんでみた時の感触と、実際に取り組んでみた時の感触が結構ずれる参考書だと思います。

(iv)一通り学んで自分ではできているつもりだけど抜け漏れがないか心配内容を再整理したい

※このご時世にはぴったりの参考書です。
(v)知識を定着させたい使う練習がしたい

※四択は基本的に受験生のみで大丈夫です。ポラリス0は知識定着と英語ができるようになっていく感覚を掴んでいくために、四択がない方もはやめに取り組んでほしいです。0とそれ以外では特性が異なります。もし志望校で四択の文法が出る場合は学習の後半期に志望校レベルのポラリスだけしてください。ポラリスシリーズはあくまで演習用なので、初学者にとっては解説が足りないのでいきなり取り組まないようにしてください。

(vi)調べるのに使いたい、初学

※受験レベルで必要なことでも載っていない所、説明が弱い所、他の類書ではもっとわかりやすく説明されている所があるので基本的にジーニアス総合英語との併用が推奨です。大学生以上は総合英語は複数冊持っておいた方がいいです。
※レベル分けがされているので初学でも取り組めます。
※発展が大学入試に出ないといっている方がいますが普通に出ます。言い出すときりがありませんが、受動態の形をした完了形や、形容詞や名詞ではじまる分詞構文などよく見かけますよね。しかもこれらは知らなくて対応できるものでもないのであらかじめ勉強しておかなければなりません。本当に問題解いているのかなと思ってしまいます。

英文法は理解が大事でどうしても参考書だと、理解が浅くなりがちなので、できれば授業を受けた方がいいです。

与太話

昔英語界隈で参考文献について話題になったことがありました。書いていない参考書も多いのですが、なぜか関先生だけ書いていなかったことで集中砲火をうけていました。この本は昔の本なので書いてありますが、いつから書かなくなったのか少し気になります。

他の著者の著作物では、欠点に目をつむっていい所しか褒めないのに、関先生に関しては逆で、いい所には目を瞑って、がんばって粗探しをし悪い所をなんとか広めようとするのは英語界隈の状況は如何なものかと思っています。

受験生の参考になれば幸いです

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