10月20日の日記
今日は久しぶりに高校時代の友人とご飯を食べてきた。
私が忙しく、時間が取れていなかったため、友人たちに会うのは去年の冬にあった以来だった。
そんな中会話も弾み、向かったのは牛タンしゃぶしゃぶのお店だった。
牛タンしゃぶしゃぶ?と思う人もいるかもしれない。実際私もそうだ。
地元名物の牛タンは、厚切りで噛みきれないような見た目ながらも、口に入れた瞬間柔らかですぐなくなってしまうのが特徴だ。
そんな厚切りが特徴の牛タンをしゃぶしゃぶにしてしまうなんて。
臭みや味は果たしてどうなのだろうと不思議に思っていた。
そもそも牛タンしゃぶしゃぶを発見したのは、今流通しているSNSのインフルエンサーによって発信されたものだった。
写真だと迫力が強い。薄くスライスされ、板の上に並べられたそれは、色鮮やかで花が咲いているかのようだった。
だがインフルエンサーが紹介しているものは、飲食店側が紹介してくれませんかと依頼をし、料金を渡しているものがほとんどなので、あまり悪い評判が載っていることはない。グーグルマップの口コミもチェックをするが、そこまで詳しい評価や低評価が出てくることもなく、実際行って確かめてみようと思い今回行ったのだった。
食べ放題もあるが、苦手だった時に食べれなかったことを考えると怖いので、今回は席だけ予約していくことになった。
店舗に着くと、どどんと牛タンや馬肉の写真が並ぶ。
牛タンしゃぶしゃぶの中でも目を引かれたエビの牛タンしゃぶしゃぶを注文することにした。そのほかにも、普通の牛タンやおつまみなどを頼み、しばしの歓談を楽しんだ。
他の料理も美味しいものばかりだった。
牛タンメンチカツは肉汁が多く、牛タン焼きは世間一般の分厚い牛タンに柚子胡椒をかけて食べるものだった。
どれも美味しく、お腹が空いていた私達はみるみるうちに手が伸び、すぐさま平らげてしまった。
そして届いた牛タンしゃぶしゃぶは写真で見ていたような鮮やかさだった。
薄くスライスされた牛タンの上に、白髪ネギや新鮮なエビが並ぶ。
大きな出汁の入った鍋につけ、沸騰したところで野菜とエビを入れ、さらに煮えたら牛タンをしゃぶしゃぶするのだ。
沸騰するまで待ち、沸騰したところで野菜とエビをいれる。加熱された鍋に、牛タンをしゃぶしゃぶした。
牛タンとはいえども、薄くスライスされているため、火の通りも予想より早かった。
硬くなりすぎないタイミングで、ポン酢につけていただく。
すごくおいしかった。
臭みもなく、柔らかくて、食べやすい牛タンだった。
エビの鍋にしたため、エビの旨みが出し汁に広がり、牛タンをしゃぶしゃぶする間にエビの香りが広がる。
食べた瞬間、味は牛タンなのに柔らかくて牛タン独特の歯応えもなくおいしかった。
付属のネギを巻くとあっさり食べれ、クセになる味だった。
夢中になって食べていたように思う。初めての牛タンしゃぶしゃぶにやり方がわからないのもあったが、おいしさに箸が止まらなかった。
時間が経つにつれてエビの出汁が濃くなり、牛タンを食べた瞬間にエビが広がるのもまた、おいしかった。これはエビ好きにはたまらない。
まだこの世の中には食べていないものがたくさんある。
一体あとどれだけ食べれるだろうか。チャレンジをしていきたい。
食べるのは生きることである。
空になった出汁を見ながら箸を置き、またこようとメニュー表を開いた。