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rrnrrn
人間は文学
人の営みは
すべて文学、
芸術だと思う。
こうして、
文字にしなくとも。
動き、声、間。
人のやることは、
すべて文学的だと思う。
誰かが何かをする時、
それは「その人」という
フィルターを通した
ものになる。
人間は
機械ではないから、
その動きは
独特の雰囲気を
まとっている。
そういう意味でも、
個性という意味でも、
人間は
文学だと思う。
人の営みは
文字にしなくとも、
その人の中に息づき、
その人の人生として、
その人の物語として
蓄積される。
こういった
エッセイもそうだ。
口にしたり
文字にしたりすると、
とたんに人の営みは
「文学」
という形になる。
その人の人生の一部が
ちらりと見える。
だから、
人はその身体の中に、
物語を宿して生きている。
それを
何らかの形で伝えると、
形ある物語の
ひとつになる。
もちろん、
身体で感じた物、
身体の中にある物、
そのすべてを
形にすることはできない。
口に出し切ることもない。
しかし、
僕たちの身体には
確実に物語が
息づいていると思う。
それは語られることで
はじめて、
形ある、
目に見える「物語」に
なると思う。
そういう意味でも、
人間は芸術的であり、
物語的であり、
ひとつの文学である
と思う。
読んでくれてありがとう。