【七峰】いわしにんげん
【日報】2024/10/20付
Spotifyで久しぶりに「洗脳・搾取・虎の巻」を聴いた。
なんとなく懐かしくなって、MOSAIC.WAVって今なにしてるんだろうと思って調べたら20周年アルバムが12月に出ると知った。
時の流れと、あの頃ニコニコ動画で本人に一銭も届かないのに音源を聴きまくっていたことを重く受け止めてオンラインストアに指を走らせた。
MOSAIC.WAVといえば「ガチャガチャきゅ〜と・ふぃぎゅ@メイト」のようないわゆる電波曲に加えて、上記の「洗脳・搾取・虎の巻」のようなファンを「愚民」と呼ぶアイドルソングが有名だが、断片的に楽曲に触れることが多くアーティストそのものの音楽性を深く掘り下げることは今までなかったなと回想する。
しかし何か特定の方向性(思想)へ意識を傾けさせる音楽、歌曲というものは、理性的にはあまり好きではない。
ニコニコ動画で例えればドナルド・マクドナルドを「教祖」と呼ぶタイプの音MAD動画はおしなべて遠ざけてきたものだ。
いわゆるプロパガンダ、アジテーション的な曲といえば貢献Girlsの「Let's貢献! ~恋の懲役は1,000,000年~」が思い出深いが、その次の「パノプティコン労働歌 第一」はちょっと強制労働への圧が強すぎて今聴くとしんどい。
あとは上坂すみれの音楽の際どさとかも、まあ好きで聴くわけだが「危ない橋を渡るようなものだ」と思ってきた。
およそ敵対している何かと交戦するとき、自分は水木一郎の歌を聴きながら突撃するのだと昔から考えてきた。
あるいはささきいさおの「宇宙戦艦ヤマト」を合唱して決死の戦いに出撃するのだと想像してもきた。
自分は鉄砲玉のように突っ込んでいくことくらいしかできない知性だし、私を捨て、ひとつの戦闘単位として駆け出していくことに対して、憧れているのかもしれない────あさはかな暴力賛美だが。
結局岡田斗司夫の受け売りになるが、「クラウドに溶け」て「イワシ化」するのはとても簡単なことで、楽だから、水が低きに流れるように人間はその道へ転がり落ちてゆく。
……なんだか暗い話にしかならないが、それを自覚するということも、自律の訓練ではあるのだろう。
それに音楽ライブという概念の悪用について考えるとき、伽部凛のことを思い出さずにはいられない……。一応『仮面ライダークウガ』の世界観を知っている必要はあるが、未読の方にはおすすめしたい作品だ。
まとまりがなくなってきたので、日報を終える。
(了)
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