哲学カフェ
かれこれ10年くらい通っている。定期的に自分の気持ちや考えを話す時間をもつことは、私の人生に割と大きな変化を与えた。
以前より反論もしやすくなったし、言葉にならない思いをなんとか形にしようとするのはおもしろい。今までなら、言葉にならなければそのままやり過ごしていただろう。対話して人の心を聞いて、自分に影響をもたらすコラボレーション・インプロビゼーション、と言えるのかはわからないけど。
今はzoomで会場が遠くても夜でも参加できる。もっと早くこうしてくれたらと思った。
もともと私はある自助グループに通っていた。対人恐怖だったけど、そこで少しは話せるようになってきた。もう少し話せるようになりたいと思い、哲学カフェに参加した。1回目と2回目は一言も話すことができなかった。今ではよく話している。自助グループはあらゆるものを網羅しつつある。種類や数はまだまだこれからも増えていくだろう。依存、難病、被害経験を持つ方、障害者、マイノリティの家族…
誰もがなんらかのマイノリティであり、今後なりうるわけなので、この世を生きていくのに一番重要なものの1つと思う。医者や弁護士、優れた司書などなどが人生の質に影響するらしいので、私にとってそれくらいのものだ。もちろん合わなくていかない人もいるようだ。グループカウンセリング、CRなどのファシリテーターはかなりのスキルが必要で、私が参加した限りはあまり上手な人ばかりではなかった。貴重な機会が勿体無いばかりか、せっかく普及させられるところなのに、質の悪いものがあると、これはダメだと思う人が出て世の中に広まりにくくなるのではないかと危惧している。
メディアで見聞きする話というのも、かなり加工がなされているらしい。個人の口から聞く思いや意見は、今まで無視すべきと教えられてこそいないが、聞く価値はないと刷り込んでいたことを感じる。個人の歴史を聞くことの、重要性はもっと注目していい。哲学カフェではないが、今まで参加したことのある集いは患者会のように患者の話をきくこともあったし、介護経験者で情報交換して気持ちを分かち合うこともあった。これらは大変有意義でありがたい。オーラルヒストリーは社会にとても欠かせない。リビングライブラリーもこれからも可能な限りたくさん行きたい。