調教師の打開策 絶望の一戦から約3カ月後、所属クラブを介して和田調教師から次戦について思わぬ連絡が入った。「交流戦も視野に入れるつもりです」。 交流戦??? 競馬ファンとして、JRAの華やかなレースばかりを追いかけてきた私にとって交流戦は重賞を除き、ほとんど馴染みのない舞台だった。そこに我が馬が出走する。調べるとその名の通り、中央の馬と力が劣ることの多い地方所属の馬たちが一緒に競い合うのだという。しかも、賞金は補助金を含めると中央並み。勝ち馬は中央で勝ったのと同じ
はじめての愛馬 馬齢3歳の3月26日。待ちに待ったデビュー戦でわが愛馬、シュライフェは単勝165.6倍をつけられ、16頭立ての14着に沈んだ。道中は馬群のはるか後方を〝独走して〟勝ち馬とは4.4秒差。規定の時間内に完走できないタイムオーバーだった。「終わった」。誰だってそう思うだろう。2023年、中京競馬場のダート1400m。未勝利戦のことだった。 数年前から一口馬主になることを夢見ては打ち消し、踏み出しかけては躊躇し、ついに所有した2020年産の一頭だった。きょうだ