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Belfast Beer & Cider Festival 参加レポ🍻
11月7日-9日、ベルファストにて行われた、「ベルファスト・ビール&サイダーフェスティバル」に参加してきました!
ベルファストは、ダブリンの中心地からバスで約2時間半ほどで行ける北アイルランドの首都。アイルランド共和国と同じ島にありながらもイギリス領であり、しかし公共交通機関で簡単に入国できてしまう不思議な土地です。
この街自体、アイルランドに来てからずっと行きたかった場所でした。しかし、いつでも行けるからとタイミングを失い続けて、はや半年…。そんな中、ベルファストでビールフェスティバルが開催されるとの情報を得て、これはもう行くしかない!!!
偶然仕事の休みが重なったこともあり、これはもうビールの神様が行くべきだきだと仰っているのだと思うことにして、弾丸ベルファスト一人旅、かましてきました!
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Belfast Beer & Cider Festival 2024
ベルファストで毎年開かれるこのフェスティバルでは、100種類以上のビールが集まります。その大半は、アイルランド島で生産されたものであり、小さなブリュワリーによって作られた比較的新しいクラフトビールです。
また、イギリスから取り寄せられたクラフトビールも多く見られます。このフェスティバルの目的は、いわば小さなブリュワリーの保護であり、クラフトビールの流通の支えであり、消費者にビールを届ける一つの手段なのです。
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入場料は£5で、日本円換算だと1000円くらい。オンラインで事前チケットを購入しておけば、当日はQRコードを見せるだけで入場できます。入り口で専用のパイントグラスを受け取る流れは、他のビールフェスティバルと同様。
€22.5もかかったダブリンのビールフェスティバルに比べるとかなり良心的な価格に感じました。ダブリンは専用グラスも別料金だったことを考えると、かなりお得!交通費かけて来た甲斐があります😔💕
主催は、CAMRA!
カムラ!カムラだ!なんだっけ、カムラ!
ビール検定の「ビールの世界史」の単元で必ず出てくるカムラ!
イギリスのビール史で重要なカムラ!なんだっけ?
CAMRA(Campaign for Real Ale)は、イングランドのセント・オールバンズに本部を置く消費者団体である。主に、イギリスの「エール」「りんご酒」の販売促進と、伝統的なパブを守る活動をしている。
CAMRAには多くの支部が存在し、支部ごとにその地域のリアルエールの為にイベントを開催している。多くのイベントは、入場時にコップを買えばそのコップで何杯でもビールが飲むことができる。
ありがとう!ありがとうカムラ!!!
世界のエールビールを守ってくれて!たくさんの種類のビールを楽しめることができるのは、カムラのおかげだったんだね!ありがとう!🙇💕
ホームページも情報盛り沢山でおもしろい!
開催期間は、11月7日(木)から9日(土)にかけての、12:30-22:30というロング営業。いやいや、木曜の昼過ぎに誰が来るねん!
Beer & Cider の、Ciderって?
サイダーって、サイダー?あの炭酸のシュワシュワした?
そうと言えばそうだけど、アイルランドやイギリスのサイダーは少し違います。日本ではフランス語読みでシードルと訳されることが多いみたいです。シードルなら、聞いたことがある人も多いかと思います。海外で言うサイダーは、ソフトドリンクではなく、お酒です!
シードル(仏: cidre、アストゥリアス語: Sidrina 、西: Sidra、バスク語: Sagardo、英: ciderサイダー)またはリンゴ酒(林檎酒)とは、リンゴを発酵(アルコール発酵)させて造られるアルコール飲料。
イギリスやアイルランドのサイダーは発泡性のものが多いものの、発泡性ではないもの(シュワシュワしないサイダー!)もあるようです。
パブに行くと、ビールのタップに並んでサイダーのタップがあることが多く、ビールが苦手な人がよく頼んでいるようなイメージです。ビールと同様のパイントグラスに注がれて提供されます。店によっては、ボトルで出している場所も多いです。
わたしの働く店で出しているのはフレーバー付きのサイダーなので、リンゴの風味があるかはわかりません…。
日本のシードル作りは、アップルワインで有名なニッカウヰスキー(現在はアサヒ)が強いようで、国際的なコンテストでも賞を取っているとか。
いざ、会場へ!
ベルファストに行くのは初めてでしたので、どうせなら観光も併せて(といっても、タイタニックミュージアム(また!?)と、ご当地パブ巡りというお決まりのコースですが)、夕方から参加することにしました。
会場は「Banana Block」という場所で、ベルファストの中心部からは歩いて約45分、バスだと15分ほど。
せっかくならベルファストの街並みを見ながらゆっくり行こう!などと思って歩き始めたのが間違い。何もない幹線道路沿い(道路沿いは車屋さんがたくさん並んでいるだけの、歩行者のほぼいない道)を30分歩く羽目に。帰りは迷わずバスに乗りました。
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会場に着いて、まず目につくのは、そう。
た、大量のカスクエール!!!すごい!!!
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カスクはそう、ウイスキーなどの熟成に使われるようなあのカスク。カスクエールというのは、イギリス発祥のリアルエールが詰まった樽(カスク)から注がれるビールのことです。通常のビールはケグに詰めて出荷され、炭酸ガスの圧力によって注がれます。しかしカスクエールは、発酵後のビールをタンクではなく樽の中で熟成し、炭酸ガスを使わず、そのまま樽から注ぎます。
よって、完成されるビールは、ほぼ無炭酸。ビールなのに、シュワシュワなし!!!
冷たくて苦くてシュワシュワ!という日本のビール観を覆すのが、イギリスのリアルエールと言えるでしょう。ぬるくて、炭酸がなく、喉越しもない。しかし逆に、炭酸で味を損なうことなく、ビールそのものの風味を味わうことができるとも言えるでしょう。ゆっくりチビチビ飲むのに適しています。
せっかくなら、カスクを試してみようじゃないの!
1杯目:Coffee & Biscotti Stout
最初に目についたのが、New Bristol Breweryのコーヒースタウト。ビールはよく、色の明るいものから暗いものへと飲んでいくのがいいと言われていますが、今回は禁忌を破ってしましました。
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なぜなら、ビール紹介文に「Good Morning!」と書いてあったから!
ビールの紹介文が、おはようって!!!誰が朝からビール飲むねん!!!あ、飲むわ・・・。
そのインパクトに負けてしまい、これはやはり、一発目のビールとして飲むのが相応しいのではないかと思ってしまいました。
ブリストルは、イギリス西部の都市。そこで作られたクラフトビールです。イギリスのクラフトビール界を牽引する都市の一つのようです。今回のフェスティバルでは、2種類のスタウトを提供していました。
グッモーニング!!!黒い!!!!!いただきます!!!!!
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うーん!コーヒーとチョコレートの味が、甘すぎず苦すぎず、ちょうどよく美味しい!!!スタウトというと、ギネスのような黒ビールを想像しますが、全然違います!
ビールの名前にもあるように、コーヒー豆とビスケットを副原料に使っているらしく、苦味と甘味が混在してバランスがとられているのが特徴です。ギネスのようなクリーミーな泡があるわけではなく、やはり炭酸はほとんどありません。本当に朝から飲めそう・・・!
2杯目:Black IPA Darkness Falls
えーーーっと、、、黒IPAって、なに!?!?黒ビールなの!?それともIPAなの!?混乱!!!
パンフレットには、「Spicy, Bitter, Soft」の説明が。バーアカデミーで様々な飲み物の試飲をしてから、自分がスパイシーなテイストを割と好んでいることがわかり、以降「Spicy」の文字には敏感に反応するようになりました。これは飲んでみるしか!
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おお、一杯目とは異なり、泡がクリーミーでギネスみたい!そしてソフトな飲みごたえ!
IPAではあるものの、ホップのガツンとした風味はあまりなく、やはりスタウトビールに近い感じ。ギネスと比べると軽い口当たりだけど、IPAとは異なりスムーズに喉に流れ込みます。
でもこれ、もしかしたら私のIPAの捉え方が違ったのかもしれない。IPAとは本来このような風味だけど、普段飲んでいる炭酸の効いた「ガツン!」とした飲みごたえに惑わされているだけなのかもしれない。わからない。けど、おもしろい!
販売元のOakham Alesは、イギリス東部に位置する街にあるブリュワリーで、他にも多くのカスクビアを製造しているそうです。
3杯目:Nutty Krust IPA
こちらは北アイルランド・Downにある、Whitewaterブリュワリーによって製造されているビール。地元北アイルランドからの参加というだけあって、6種類ものカスクエールが販売されていました。
その中でも気になったのが、「Nutty Krust IPA」。またまたIPAの仲間のようですが、パンフレットには「Special IPA ー Doesn't come pre-sliced」とあります。
目の前のタップで注いでくれるということもあり、さっそく頼んでみました!どうやら、Irwins Bakeryというパン屋さんとコラボし、Irwinsのパンを使用してビールフェスティバルのために作られた限定ビールのようです。
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エールですが、たっぷり泡が立っています。炭酸はほとんどなく、するすると口に流れ込みます。
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ん?なんか、生臭い。パン特有の、酵母の匂いなんだろうか?なんだか、日本の寿司屋、もしくは和食料理屋が連想される。生臭い、変な香り。なんなんだこれ!?
思わず原料を検索してみましたが、麦芽パンを使用しているということくらいしかわかりませんでした。稀に出会う「!?」となるビールでした。
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幸いなことに、このフェスティバル会場では、ビール購入時に「1パイント、1/2パイント、1/3パイント」から選んで購入することができます。(会場でもらうグラスには、ちゃんと目盛りが付いていて、それに合わせて注いでもらうことができます!)いろいろなビールを飲み比べたい私にとっては最高。クセの強そうな変わり種ビールでも、とりあえず試してみよう!という気持ちになれます。
4杯目:Monks Beer
そろそろ、好きなスタイルのビールを飲んでおこうかしら。そこで選んだのは「Monks Beer」。修道士のビール!地元ベルファストのOrmeauブリューイングが出している、ベルジャンエールです。ベルジャンスタイル大好きー!
せっかくなら、好きなスタイルのビールを。そしてできれば、会場ベルファストでしか飲めないビールを!という私のわがままなビール欲に応えてくれる至極の一杯。
ビール注いでくれるおじちゃんに「あれ試してみたいんだけど・・・」と言ったら、無料で試飲させてくれました。やっぱ、おいしーい!ハーフパイントで頼んで、ゆっくり味わうことに。
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そういえば、この会場でビールを注いでくれる人たちは、おじいちゃんおばあちゃんばっかり!(町内会のお祭りレベル!)なぜだろうと思っていたら、それもそのはず、なんとCAMRAのボランティアの人たちらしいです!他のイベント会場であれば、ビール醸造所の人たちが直接ブースでビールを注ぐことが多いですが、そうじゃない。CAMRA主催のイベントならではですね!
パンフレットにも、「我々の知識豊富なボランティアたちに、あなたの好みに合うおすすめのビールについてどんどん訊いてくださいね!」と書いてあり、もう頼もしさしかありません。
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ベルジャンスタイルのビールといえば、ヒューガルデンが代表的ですが、このビールは少し違うような印象でした。ドイツのヴァイスビアに近い、小麦の風味がふんだんに感じられる、ムギムギしたビール。口に残る麦の香りが、やっぱり好き。
他にどんなビールがあるんだろうと調べてみましたが、Ormeauブリューイングのビール、デザインがシンプルでカッコいい・・・。デザイン性に長けて個性をゴリゴリに出しているブリュワリーは多くありますが、この洗練された感じも良い!
5杯目:Titanic Plum Porter
出たー!ベルファストならではの「タイタニック」の名前がついたビール!実は、ビールフェスティバルの会場に行く直前、会場からほど近い「タイタニック・ベルファスト」に行ってきたのです。
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そう、ベルファストはあのタイタニックが建造された街として有名!せっかくならば、その名のついたビールを飲んでみなくては!
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うーん!黒ビールでありながら、名前の通りのフルーティーな梅の香り!苦くて少し苦味があって、見た目のとギャップに脳が混乱する!でも、新しくて美味しい!
タップで飲んでしまいましたが、瓶ビールのデザインはタイタニックがモチーフになっているようで、かわいい!そしてこのグラス欲しいー!
会場ぶらぶら歩き
金曜の夕方から夜にかけて、少しずつ人が増えて、会場はどんどん賑わってきているようでした。会場自体かなりわかりにくい場所にあり、ウォークインで人が入ってくるようなイベントではなかったので、ここにいる人たちはきっと、ビールを目的にやってきた正真正銘のビール好き!親近感が湧きます。
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あまり広い会場ではなく、席数もかなり限られていたため、ほとんどの人は立ったままビールを飲んでいました。
日本のビールイベントでは、おつまみ用のフードトラックなどがたくさん来たりしますが、今回会場にあったのは常設されているペットフード屋さんのみ。さすがにどんなに酔っ払って満腹中枢バグっても、ペットフードは食べんわ。
今回は、イベントのコンセプトに沿った地元ベルファストのビールを中心に、変わり種のビールを攻めて飲んでみました。
あまり時間とお腹の余裕がなく、5種類しか飲むことはできませんでしたが、イギリスならではのカスクエールは十分に味わうことができました。CAMRAのビールイベントはイギリスの至るところで開催されているようなので、他の場所でも参加してみたいと思います。
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来月は、わたしの大好きなベルジャンビールを飲みに、ベルギーに行きたいと思います!乞うご期待!🍺