新たなターゲットは「挑戦・変革ができる人財」 THINK for HRでペルソナが明確になっていくーcase.4 江崎グリコ様
こんにちは、No Companyの広報担当です。今回は、No Companyのクライアントインタビューをお届けします。第四弾は、菓子、冷菓、食品、牛乳・乳製品の製造および販売を行う江崎グリコ様です。
江崎グリコ様は、2022年に創立100周年を迎え、『すこやかな毎日、ゆたかな人生』というパーパスを新たに制定し、新たな価値を生み出す人財の採用にも積極的に取り組んでいます。求めるターゲット像に設定したのは「挑戦・変革ができる人財」。内定者や学生へのインタビューを重ね、具体的なペルソナを設計していきました。同社がTHINK for HR(※)を活用し、どのようにターゲットのインサイトに迫り、各種施策に取り入れようとしているのか、またその過程で気づく事ができた自社の強みやカルチャーについて、人事部の採用チームにお話を伺いました。
抽象的なターゲット像を、インタビューとブレストで具体化
——採用マーケティングが必要だと感じた背景について教えてください。
藤川:当社は1922年の創業時から、事業を通じた社会貢献に取り組んできました。例えば、高度経済成長期の忙しいなかでも幸せを感じられるように、「プリッツ」(1963年)や「ポッキー」(1966年)など手軽に食べられる商品を発売しています。最近の社会的なニーズとして、美味しさだけではなく健康を求める嗜好が高まっているため、もう一度原点に立ち戻る強い意識で、社会課題解決につながる商品やサービスの開発に取り組んでいます。多様化するお客様の悩み事や社会課題を解決していくためには、我々自身も常に新しい価値を提供し続ける事が出来る企業である必要があり、企業変革を実現するためには、今までの手法や採用ターゲットでは難しいと感じていました。新たな価値を生み出せる人財を求め、採用マーケティングに取り組み始めたのです。
内田:当社はマーケティングに強みを持っていることもあり、「採用はマーケティング」という認識が少しずつ採用チームに浸透していました。ただ、それまでは応募者を待って選考する採用だったので、求めている人財へ私たちの方からアプローチすることはほとんどなかったのです。当社に興味を持ってもらうためには、ターゲットの志向を理解する必要がありますが、私たちにはその知見がありませんでした。そこで、信頼できるソーシャルデータからターゲットに刺さる切り口や戦略を提案してくれる、THINK for HRを活用させていただきました。
香田:それまでの応募者は、商品で当社のことを知ってくださっていて、もともとGlicoに興味・関心を持って下さっている方がほとんどでした。しかし、新たな価値を生み出せる人財を採用しようとすると、今までのように、すでにGlicoに興味を持ってくださっている母集団に頼るのではなく、私たちが求めるターゲット像を明確化していく必要があります。当社に入社するまでのカスタマージャーニーを考え、選考フローの設計や情報の打ち出し方など、採用チームで一つずつ明確にする必要がありました。
富永:キャリア採用の方向性も、新卒採用と大枠は同じです。今までは異動や退職で空いたポジションを埋めるための採用でしたが、最近は今までにない新たな機能や価値を生み出すための採用に変わってきています。そうなったときに、いざ求職者へアプローチしようとしても、Glicoがキャリア採用を積極的にやっていることは世間的に知られていませんでした。優秀な人財を獲得しようとするときに他社と競合することも多かったので、採用マーケティングで積極的に情報発信する必要性を感じていました。
——新たなターゲット像の具体化には、どのように取り組んだのでしょうか?
藤川:最初に採用チーム内で「挑戦・変革」の意識を大切にしている人をターゲット像として設定しました。さらに掘り下げて具体化するため、その特性を持つ社内のメンバーに協力を得てインタビューを実施したり、これまでの内定者のタイプを分析したり、多角的にターゲットを捉えられるようにしました。
香田:インタビューやリサーチの内容を元に詳細なペルソナを設計しました。それを反映する形で、ペルソナに刺さるような内容にするべく広報活動もアップデートを続けています。広報資料の内容も変えています。現在まで、「本当に欲しいのはどんな人物なのか」と常に意識しながら採用活動に取り組んできました。最近では共通理解が進み、さまざまな学生の中から「求めているのはあのタイプ」と共感する場面も増えています。
——学生を取り巻く環境や採用市場が変化しているなかで、意識していることはありますか?
香田:年々、就職活動の早期化が進んでおり、それに対応する形で当社も情報公開のタイミングを早めています。さらに、就活の時期を迎える前の学生にもリーチする試みで、大学1・2年生向けのビジネスコンテストに協賛することも行なっています。優秀な学生と接点を持ちながら、社会に出ることや就職活動に対してどのような考えを持っているのか、理解を深めていきたいと考えています。
藤川:最近のトレンドである「職種別採用」に関しては以前から取り組んでおり、それに伴う職種別インターンはほぼ全職種で行なっています。参加者の満足度も非常に高いのですが、それらの情報を上手く発信できていないので、今後しっかりとアピールしていく必要があります。
内田:職種別インターンは、技術・エンジニア系の工場見学から始まり、マーケティングやセールスなど、少しずつ職種を広げてプログラムが充実してきました。参加学生の満足度も高い傾向にあり、内定を受諾した学生に聞いてみても、希望職種のインターンシップでの経験が入社の決め手に繋がっているようです。
THINK for HR調査で気付かされた「Glicoの強み」
——THINK for HRのサービスをどのように活用してきましたか?
藤川:学生のニーズや社会の流れを踏まえて、私たちが設定したターゲットがどれくらい存在するのか、ターゲットはどんな志向性を持っているのか、第三者から見たフラットな情報を収集するため積極的に活用しています。私たちがアプローチできる人財は、内定者や応募者など偏りがあるので、求めるターゲットが私たちの発信する情報をどのように感じるのか知りたいと考えていました。
付き合いのある他の会社から統計データを共有してもらうこともできるのですが、そこからは一般論しか導き出せません。私たちが求めているターゲットがどんなことを考え、どのような情報に日々触れているのか。そういった本当に必要な情報をTHINK for HRは提供してくれました。
——導入後の効果として、どんなことを感じていますか?
藤川:世の中の反応を知ることで、改めてGlicoの強みを再認識出来たことです。エンゲージメント調査を進めていただくなかで、当社には「フレンドリーで柔和」という企業イメージが根強くあることに気付かされました。ターゲット像に掲げていた「挑戦・変革」のイメージと離れていますが、優しさを感じさせる企業イメージは、Glicoならではの強みだと思いました。THINK for HRのソーシャルデータを活用できたので、その後の採用戦略も立てやすかったです。
それらのデータや企業イメージを活用することで、学生とのコミュニケーションを最適化できると感じています。例えば、「言葉は柔らかくフレンドリー。内には挑戦・変革の想いを秘めている」などのスタンスで、Glicoらしさが伝わるような情報を発信していきたいと考えています。
——THINK for HRのデータを、他の部署への説明にも活用されているそうですね。
藤川:ええ、今回の採用マーケティングで最初に苦労したのが、協力頂く部門への説明です。広報部やデザイン部など他の部署も巻き込む必要があったので、信頼性の高いTHINK for HRのデータがあって非常に助かりました。「今の学生は何を考えているのか」、「欲しい学生はGlicoに興味を持っているのか」など、いろいろな疑問に対して具体的に答えられました。お互いの共通認識が進むことで、以前よりも自社の魅力を引き出しやすくなったと感じています。
内田:各部門との連携に関しては、セールスのメンバーに面接やインターンの場面で協力してもらうこともあります。そのなかで自分の仕事を改めて振り返ったり、学生から刺激を受けたりすることもあるようです。採用活動は、社員の育成やエンゲージメントにも繋がるので、多くのメンバーに体験していただきたいと考えています。
香田:最終的には、全社で採用に取り組んでいきたいと思っています。そのために私たち採用チームに求められているのは、経営層、現場(配属部署)、候補者の3つを繋ぐ“ハブ”の役割なのかもしれません。例えば、経営層と現場で求めるスキルやレベル感が離れているなら、両者が求めている人物像を採用チームが繋ぎ合わせていきます。そのときに、採用マーケティングの視点を私たちだけが持つのではなく、全社で持っているような状態を目指していきたいです。
入社に繋がらなくても、ファンになってくれればいい
——今後、採用チームで取り組もうとしているのはどんなことですか?
香田:採用チームのスキルを高めていきたいと考えており、そのためにマーケティング部からのナレッジシェアはもちろん、マーケターとしての考え方や姿勢なども取り入れていきたいと思っています。お客様の課題や困りごとにフォーカスして解決策を導き出すマーケティング部の知見を吸収しながら、応募者の困りごとの解決に取り組んでいきたいです。例えば「選考の各段階でどんな情報が欲しいのか」、「インターンから何を得たいのか」など、考えるポイントと改善点は無数にあると思います。
富永:情報発信についていえば、今まで採用広報の手法やコンセプトが明確に決まっておらず、SNSや外部の記事コンテンツなどで十分に情報発信できていませんでした。キャリア採用では、採用イベントも開催できていなかったので、今後は求職者とのタッチポイントを増やしていこうと思っています。Glicoは柔和でフレンドリーな社風と、面倒見の良い社員が多いことが魅力なので、働きやすいカルチャーも広く発信していきたいです。
——社内で採用マーケティングを強化するため、どんなことに取り組んでいきたいですか?
香田:グループ内の勉強会を積極的に開催していきたいと思います。元々採用グループのグループ長が、お客様の声を大切にすることを掲げていることもあり、デザインシンキングも含め、学ぶ機会を増やしていきたいです。
内田:Glico全体でも、お客様視点を大切にしています。私たち採用チームのお客様は誰なのか考えたときに、それは学生や候補者だと考えています。つまり、私たちと接点を持った方は全てお客様として考えるべきだと思います。そのため、入社へ繋がらなくても商品や会社のファンになってくれることが最良の成果になると信じています。
藤川:各種のマーケティングデータを駆使しながら、常に顧客視点で考えていくことが必要になってきます。当社の創業者・江崎利一の教えに「消費者の腹の中に入り込め」という言葉がありますが、私たちも「応募者の心の中に入り込む」つもりで採用に取り組んでいきたいと思います。
江崎グリコ様で実施した施策について
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