「ひらがな/カタカナ/足し算/引き算を2週間でマスターさせる」教え方の知育教材をKindleで出版してみた5-実践編足し算の教え方
ボク(A)から筆者のボク(NO-CHI)への質問形式のインタビューで著書に込められた想いを語っている特集、まだまだ続きます。前回ご覧になっていない方はまずはこちらをお読みいただければと思います。
第一回 科学根拠の必要性
第二回 脳特性の理解/戦略の重要性
第三回 コーチングの重要性
第四回 実践編ひらがなの教え方
実践編足し算の教え方
ーー足し算を教える上でのポイントをご説明お願い致します。
NO-CHI(以下"NC"):足し算は、前にもふれましたが、子供が”論理的思考段階”に入るまではやってはいけません。なぜなら、論理的なプロセスを使うからです。論理的なプロセスとは何か? 抽象概念を使うということです。
「りんご1個とりんご2個でいくつ?」は、「りんご3個」ではなく、抽象的概念である「1+2=3」で教えないと、正しく教えたことにはならないのです。
なぜなら、具体的な”りんご”という物体と存在する”数”でしか計算できないというのは、数を数えているだけだからです。指は使わないかもしれません。しかし、目で数え、頭で数えています。すると数が大きくなった時、そのやり方では応用が効かなくなってしまいます。
初めのうちはこのやり方でも当然OKです。でも、そこから意図的に脱却させるのが、”正しく教える”ということです。この”正しい教え方”をすることで、具体的な物体でしかない”数”が抽象物としての”数”と認識できるようになり、理解した解法を今後応用できるようになります。
ーーでは具体的にはどのように、足し算を教えるのでしょうか?
NC:ここでもプロセスに分けて教えます。”足し算”のあとは”繰り上がりの足し算”、こんな雑な分け方ではないですよ! 応用できるようにならないと意味ないですからね。中途半端な段階で”繰り上がりの足し算”を教えてはダメ出し、足し算嫌いになる恐れもあります。
各プロセスには、次のプロセスに移るタイミングがあります。それも本書では詳しく説明しています。
では、そのプロセスをご紹介します。
1. モノを使った足し算ができるようにする
具体的なモノから数の理解
2. 指を使って足し算ができるようにする
数という抽象的な概念の理解
3. 6~9の数をすべて「5+n」で考えられるようにする
図形認識が基本
4. X+Y<10の足し算は暗記させる
大人も暗記してしまっている部分は暗記
5. 繰り上がりの足し算は「5」を補数に考えさせる
繰り上がりの際に引き算を行わない
6. 足し算の定着化
ーーかなり細かくプロセスを分けられていますね?
NC:ここではプロセスと書いてますが、ステップと言い換えてもいいかもしれません。スイミングスクールなどではバタ足の次は、クロール、バタフライといきなり次の段階を教えられることはありません。ちゃんと顔を水に付けられるかとか、息継ぎがちゃんとできるかとか、何段階ものステップをクリアーして、やっとクロールなりバタフライが教えてもらえます。
足し算においてもこのように細かなステップを設けるべきなんです。いきなり幼児にとって難易度が高い学習をさせるのではなく、一段づつ難易度を上げてあげることが必要なんです。
このプロセスを順々に踏んでいかないと、ある子どもにとっては、理解度の飛躍があるように感じ、何がわからないかをうまく説明できる言語能力も持ち合わせていないので、ただぐずる、といった悪影響を及ぼしかねません。大人である親にとって簡単で当たり前のことも、幼児にとってはすごく難しかったりすのです。このステップを一段一段登らせてあげることが重要です。
とは、いえ、何週間にかかるものではありません。5日ぐらいの話ですけどねw
ーー繰り上がりの足し算の補数は”5”なんですね?
NC:はい、補数を”5”で教えるのが本書の特徴です。それは、上のプロセス3で”6~9の数をすべて「5+n」で考えられるようにしている”からです。このプロセス3を行うことで、繰り上がりの足し算はすんなり理解できるようになります。
補数を”10”で教えるのは、プロセス的に無理があると感じました。幼児にとって”10”はわかりやすい数字ではありますが、認識するには大きすぎる数字です。補数”10”で教えるから、繰り上がりの足し算を苦労する子供が出てしまうと個人的には思います。
ーー次回は、実際にどのような効果があったのか、実績について教えて下さい。
(次回につづく)
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